カルタゴ興亡史−ある国家の一生 (中公文庫BIBLIO)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 114
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122040472

作品紹介・あらすじ

ローマに滅ぼされ、いまは跡形もなくなった悲劇の海洋国家、カルタゴ。その成り立ちから、名将ハンニバルとスキピオがすべてをかけたポエニ戦争の各場面、度重なる戦いの末の国家の滅亡までを、簡潔にいきいきと描く。

感想・レビュー・書評

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  • 共和制ローマ拡大の過程で必ず触れられるポエニ戦争の相手、カルタゴの通史。カルタゴ側の史料が十分ではないだけに、周辺史料をつなぎ合わせて書かざるを得ないあたりが難しいが、ストーリーとしてしっかりでき上っている。ただ、なにせカルタゴ側の重要人物がハミルカル、ハスドルバル、ハンノといった同じ名前を持つ人間ばかりなので、名前だけで追っかけていくと、700年間ずっと同じ人がいるような混乱をきたさないこともない。

  • 内容は割と平易で理解はできるものの、地名が列挙される割に地図の提示が乏しいし、同名の人物が多いが説明が雑なため、あまり理解できないまま読み進めるしかなかった。その点をうまくケアしてほしかった。

    滅びゆくカルタゴの姿は哀愁が漂い、判官贔屓で応援したくなってしまった。なんとも切ない読後感があった。、

    ただ、史実を追う一方で、そこから得られる洞察などはほぼなかったのが残念。

  • 古本で購入。塩野七生のハンニバル戦記のアナザーサイドストーリーと思ったんやけど、カルタゴ史ってハンニバル前が長いのね。まぁ盛り上がるのはやっぱりハンニバルやし、そこだけ取り上げると塩野七生に比べると分量が少ないのがちょっと物足りないところありつつ。

  • バランス感覚が優れています。カルタゴにもローマにも肩入れしないでいようとしながらも、失敗しているところで却って両国の魅力が伝わります。マシニッサの印象が塩野七生さんの作品と大分違いますが、こちらの方が納得です。

  • 地中海覇者だったカルタゴがローマに抹殺されるまでを描いてます。

  • ずっと以前に買って、買ったまま本棚の整理をした際にうっかり既読の棚に置いてしまい、ずっと読んでいなかったものをやっと読んだ。読む前から良書である評判は耳にしていたが、うわさにたがわない良書だった。

    ローマ帝国と肩を並べた大国カルタゴの700年に上る歴史を丹念に描写している。なんとも名調子な文体で全体がつづられ、すらすらと読み進むことが出来る。後半はあのハンニバルの描写で占められるが、かの英雄の成し遂げた仕事を考えると当然だろう。

    文庫版なので地図などの図版を盛り込むスペースがないのは分かるが、何度ももどかしい思いをした。可能な方は地図帳を片手に読むといいかもしれない。カルタゴやローマの版図、ハンニバルの進路を理解するうえで大きな助けになるだろう。

  • 旅行記のような印象を受ける。記述はカルタゴ時代多め。まんべんなく。入門より。

  • カルタゴの国家成立から滅亡までの歴史。カルタゴといえばハンニバル位しか記憶になかったが、国家の歴史は700年と案外長い。制海権を巡る闘争と勝利、最後は新興国のローマに徹底的に破壊されるまでの歴史が生き生きと描かれている。

  • カルタゴのまさに一生が淡々と語られる。たまに挟まれる著者の見識がおもしろい。

  • ポエニ戦争の歴史。カルタゴの滅亡まで。

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