五王戦国志 2 落暉篇 (中公文庫 い 92-14)

著者 :
  • 中央公論新社
3.73
  • (10)
  • (8)
  • (18)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 68
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122041486

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 再読。

    すでに急転直下の第2巻。魁が滅んでからが本番だと「序」でわかってはいても、その呆気なさと止めどない勢いには呆然としてしまう。寿夢宮から引きずり出されていった魁王の末路の無慚さ。征公と冢宰に圧されて屈する姿が憐れにすぎて、心の鬱屈を晴らすには至らなかったはずの離宮の享楽を美化してしまいそうになる……。揺珠を頼むと懇願した真心が切ない。彼女を描いた絵は真実、暁華もケチのつけようがなかったんだろうな。
    冢宰にしても、謀略が絡んでいたとはいえ不慮の事故のような流れからのあの末路。誰にとっても敵と言ってよく、およそ同情したい人物にも見えなかったのに、その狂乱ぶりがうまいこと描き出されていたおかげでいっそ輝いてた。段士羽の微笑と、それがきっかけとなった死も。
    そういえば追風のことも衝撃的。こんなに早かったのか……。しかも序盤、羅旋によく懐いている様子を描いているからずるい。そのうえ羅旋に怒りを向ける淑夜にいたたまれない気持ちになる。そうじゃないんだ。
    とはいっても、この時点で淑夜が大牙ではなく羅旋に従っていたところで、きっと芽は出てこないに違いない。この怒り以外にも、琅の事情やそこで羅旋が担う役割を加味すれば、淑夜の去就はあるべきところに落ち着いたと言えるのかも。

  • <奎>、<衛>、<征>による駆け引き、先手を取るのはいずれか……。前巻では淑夜視点であったこともあり印象のよくなかった無影だけど、ちょっと印象が変わった。

  • 出直しですね。

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

井上祐美子
姫路市生まれ。神戸大卒。『長安異神伝』『桃花源奇譚』
などで人気を博した後、本格的な中国歴史小説に取り組み、『桃夭記』で吉川英治文学新人賞候補となる。『五王戦国志』『非花』『海東青 摂政王ドルゴン』『臨安水滸伝』『公主帰還』『紅顔』『朱唇』『青天 包判官事件簿』ほか著作多数。

「2022年 『新装版 桃花源奇譚4 東京残桃夢』 で使われていた紹介文から引用しています。」

井上祐美子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×