五王戦国志<4> 黄塵篇 (中公文庫)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122042056

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  • 再読。

    淑夜と無影の再会がハイライト。処刑するため淑夜を取り戻そうとしている、というのはもはや成立しない見方。無影の周囲の人材不足が深刻すぎるうえ、それ以上に無影自身が孤独にすぎる。無影自身の性格も問題には違いないけど、これはそもそも衛という国の状況がまずかったと思う。既得権益を守りたい士大夫層を相手取って、上から下からの改革では、無影に限らず淑夜も羅旋も魚支吾も匙を投げたいレベルでは。軍事力をトップが掌握するか、最低でもトップが独自に使える軍事力を増大させるでもしない限り詰んでる。トップがだらしないうえ、下は下でけだもの揃いだから無影がトップに成り代われたのも事実なだけに救いがない。時間をかければあるいは、とはいうけど、それにしたって無影の意思、衛の未来図を知る者が他にいないからこれも先がない道理。あれ、結局無影の性格に戻ってきた。
    もしも今頼んだら、という言葉が含むものに色々集約されていた。そういうとこだぞ。肯定されたら「どうだか」って冷笑、否定されたら「だろうな」って韜晦。そうそう信用もできなければ、信用したくても裏切られるのが怖いから、いっそ誰も容れずに、というのはわかるだけに哀しい。

  • お、再会しましたね。

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著者プロフィール

井上祐美子
姫路市生まれ。神戸大卒。『長安異神伝』『桃花源奇譚』
などで人気を博した後、本格的な中国歴史小説に取り組み、『桃夭記』で吉川英治文学新人賞候補となる。『五王戦国志』『非花』『海東青 摂政王ドルゴン』『臨安水滸伝』『公主帰還』『紅顔』『朱唇』『青天 包判官事件簿』ほか著作多数。

「2022年 『新装版 桃花源奇譚4 東京残桃夢』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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