再読。
琅と北方諸国連合が衝突、しつつ少々中だるみの感もあり。双方とも思うに任せぬ事情があるせいで、その戦運びにはもどかしい思いをさせられる。一枚岩でいられない連合に、古老の間でバランスを取らなければならない大牙。淑夜の献策が活かしきれないのも無理はない。というか、策でなんとかできるものなら衛がさっさと一抜けしているに違いない。策が支える人の和もあるだろうけど、結局それは長くもたないばかりか不和の種でもある。まず求心力のあるトップを戴いて、上下と横の信頼関係を土台にしないとあまりにも厳しい。
琅も琅で懐事情が苦しいだけに、大掛かりな戦に打って出られない。そこを地の利と機動力を恃んで引っ掻き回し、まんまと大牙と淑夜を取り込んでしまうのだから熱い。どういう経緯があったにせよ、羅旋が引き寄せた、これには大きな意味がある。最終巻までが俄然楽しみ。