文章読本―文豪に学ぶテクニック講座 (中公文庫)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122042766

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  • たとえば映画を観るとき、「映画の観方」を意識したことのない人は、ただストーリーだけを追うだろう。

    「どんな映画だった?」
    「うん、あのね、~~っていう話だったよ。」
    というように。つまり、物語を語る「メディア」としての、映画。

    しかし、一度「カット」或いは「ショット」、「光」、「モンタージュ」などといったさまざまな「切り口の存在」を知った者は、それ以降それら複雑な要素の織物としてしか「映画」を感知するこが出来ない。
    その瞬間から、映画は媒介物などでなく、ただ「映画」として存在しはじめるのである。

    まったく同じように、小説にも、その作品を統合的にそのような形たらしめている複雑な要素があり、それら要素に着目することで、ただ「物語」を追うだけでない、豊かな織物としての「文章」を愉しむ事が出来る。

    この本は、ただ漠然と「ストーリー」を追っていたのでは気づくことの出来ない、小説それ自体の肉体とでも言うべきものの存在を可視化させ仔細にレクチュァしてくれる、大変に親切な「読むこと」の入門の書である。
    ロジカルで機知に富みつつも、平易な文章で読みやすい。


    おすすめです。

  • 2003年12月23日購入。
    2010年1月30日読了。

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著者プロフィール

1954年生まれ。学習院大学フランス文学科卒業。パリ第十大学第三期文学博士号取得。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得修了。現在、学習院大学文学部フランス語圏文化学科教授。フランス文学はもとより、映画や音楽、日本の漫画など、幅広い領域で活躍。著書に『最後のロマン主義者--バルベー・ドールヴィイの小説宇宙』(中央公論社)、『映画作家論--リヴェットからホークスまで』(平凡社)、『文章読本--文豪に学ぶテクニック講座』『反=近代文学史』(共に中公文庫)、『フランス映画史の誘惑』(集英社新書)、『ただしいジャズ入門』(春風社)など多数。ほかに、ラディゲやマンディアルグ、バタイユ、コクトーなどの翻訳も手掛ける。

「2020年 『NHK「100分de名著」ブックス アルベール・カミュ ペスト』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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