マンガギリシア神話 (3) (中公文庫 S 19-3 マンガギリシア神話 3)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122043213

感想・レビュー・書評

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  • 冥界での出来事が主なので内容は暗い。
    死の世界である冥界は怖れてしまう世界だが、決して悪いことばかりではない。

    冥界(地底)は生命の源。
    作物は根を張るし、金銀鉄は掘り起こされる。
    生命が終わるのは、次の生命が育まれるから。
    死が存在しなければ、生も存在しない。

    死は生命の秩序を保つ必要不可欠なものと知れば、私たちは命の重さを身に染みて生きていかれる。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/771681

  • このあたりになってくるとすっかり出番が少なくなったゼウスだが、ちょっと出てくるとそのゲスっぷりが際立っている。

  • 2014年11月13日読了。マンガギリシア神話シリーズ第3弾。冥界の王ハデスとその妃ペルセポネ、冥界で永遠の責め苦を受けるタンタロスやシシュポスら、妻を追い冥界に下りたオルフェウスなど冥界関連のやエコーやナルキッソスら様々な言葉の語源、オリオンやカリストら死後天上の星に挙げられた者たちや酒の神ディオニュソスなど数々のエピソードを収録。ハデスは「陰険で冷酷な死者の王」であり、その妃ペルセポネに対して「策を弄して強引に連れ去った」というイメージがあったが、陰のあるイケメンに描かれているせいかなかなか奥行きのある人物に感じられて面白い。解説にも書かれている通り、古代ギリシア人の死生観は転生や解脱を信じる仏教や死後の世界=天国に価値を置くキリスト教とは違い、きわめて現実的というか、地に足の着いた考え方をする人たちだったのだなーと感心する。続きが楽しみ。

  • 里中満智子先生が漫画化したギリシア神話の第3弾です。ここで登場する神々はハデス。その妻であるペルセポネなど、冥界にいる神様が中心に描かれます。「オルフェウスの竪琴」など、全体的に悲劇的な話が多いです。

    ギリシア神話を漫画化したその第3弾です。ここにまず出てくるのは冥界をつかさどる神ハデスが農耕の神デメテルの娘であるコレーに恋をするところから始まります。そこで彼はコレーの父親であるゼウスにお伺いを立てる律儀さを見せ、ゼウスから
    『拉致ってしまえばいんじゃね?』
    というまことに持って間違ったアドバイスを授かります。

    彼はそのアドバイスを忠実に実行し、コレーは冥界へと連れ去られてしまいます。娘を失った悲しみで自分の仕事を放り出してしまったデメテルのせいで、作物が実らず、人々は上に苦しむことになります。結局、コレーはデメテルの元に返るのですが、彼女がハデスからざくろ4粒をもらって食べたがゆえに1年の3分の1はハデスの妻、ペルセポネとして冥界に暮らすことになります。こうして、季節というものが生まれたのだそうです。

    さらには音響効果であるエコーの語源がどのようにして生まれたのかという話。『自己愛』を意味するナルシシズムの語源であるナルキッソスが自分のことしか愛せなくなり、死んでいくさまは本当に切ないものでございました。さらに、酒の神であるディオニソスの狂気に満ちた話や、『オルフェウスの竪琴』に描かれる芸術家という存在の強さと弱さ。女神アテナと織物勝負をし、神々のスキャンダルを描いたために怒りに触れるも、死後にクモに変えられて永遠に織物が出来るという話も印象に残っております。

    そして、最後に収録されているのはオリオン座で有名なオリオンの悲劇。愛したものに殺されるという運命は読んでいてなんとも言いようもないものを感じてしまいました。

  • とりあえず試しにひとつ。

    ギリシア神話が好きです。好きになったきっかけはいろいろあります。が、里中満智子先生の描かれたこの『マンガギリシア神話シリーズ』は今まで読んだ神話の本の中でも最ッ高に素晴らしいのでは…と勝手に思ってます。登場する神々や人間が非常に生き生きと描かれていて…本当に大好きです。

  • ハデスかわいい♡
    苦労して娶った妻には後に尻にしかれるし・・

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著者プロフィール

マンガ家。第1回東アジアMANGAサミット事務局長。1948年大阪府生まれ。16歳のとき「ピアの肖像」で第1回講談社新人漫画賞受賞をし、プロのマンガ家生活に入る。その後数々のヒット作を生み出し現在に至る。主な作品に「アリエスの乙女たち」「あすなろ坂」「鶴亀ワルツ」他多数。「あした輝く」「姫が行く!」で1974年講談社出版文化賞受賞。「狩人の星座」で1982年講談社漫画賞を受賞。マンガジャパン事務局長。(社)日本漫画家協会常務理事。大阪芸術大学芸術学部文芸科教授。文化庁文化審議会著作権分科会委員などを歴任。

「2005年 『アジアMANGAサミット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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