いずれ我が身も (中公文庫 い 42-3)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122043428

感想・レビュー・書評

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  • 色川武大の晩年のエッセイ集。それまで持っていたイメージをくつがえすような滑稽な語り口に、笑いながらひと晩で読み明かした。それでいて震災やネットの炎上問題にも通じることも書いてあって、やっぱりすごい人だなぁと畏れ入ってしまいます。

  • 色川武大 「いずれ我が身も」 

    著者最後のエッセイ「 ばれてもともと 」を再編集したもの。さすが 勝負師だけあって、失うことを恐れていないし、自分のスタイルを変えない


    一番著者らしいエッセイは「運の貯金、血の貯金」
    *運は貯蓄できる=運はコントロールできる
    *運は何代にもわたり貯蓄できる=自分の努力が報われなくても、それが運の貯金となり、後の世代に継がれる


    失うことを恐れず、自分のスタイルを変えず、運をコントロールすることが、著者の勝負師としてのポリシーなのだと思う


    「ばれる」は 何もかも失うとか、死とかの意味だろうか? エッセイ全体に「何もかも失って 元々なんだから、そうなるまで、いろいろなものを かすめとっておこう」というテイストが溢れている



    人格形成期に戦争があり長生きは考えられなかった〜先のことは考えられない〜そう遠くない将来に、いつか必ず死の手に捕まる

    天災にしろ事故にしろ、ほとんど無防備の生活をしている〜蓄えも作ろうとしない

    いざ悪い目をひいてしまったとき〜ばれてもともと

    いずれ我が身も
    窮地におちいっている人間を我が身に感じる〜いつの日か自分も必ずこうなるのだ、という心持ちである








  • BOOK OFFで偶然見つけた一冊。色川武大の晩年のものはあまり面白くないのが多い・・・と思っていたが、本書はなかなかよかった。老境を描いていながら、暗くなりすぎていない。

  • 文学

  • 恥ずかしながら今までこの本は読んだことがなかったのですが、小話がイチイチご尤もで、ますます色川武大が好きになりました

  • あの戦争を経験しているかしていないかの年齢のわずかな差はあるが、近いものを感じるエッセイ集。他の作品も読みたい。

  • 昭和の人。

  • 生き方を考えさせられる。

    著者の『うらおもて人生録』の中の印象的な言葉、『人生は9勝6敗』を頭に置いて読むと良いかもしれない。

  • 色川武大、最晩年のエッセイ。いずれも、軽いお話であり、著者独特の強烈なクセは感じられない。初出が、書いてないのはやや残念。

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