スタバトマーテル (中公文庫 こ 42-2)

著者 :
  • 中央公論新社
3.22
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本棚登録 : 164
感想 : 26
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  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122043787

感想・レビュー・書評

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  • 恐らく結構前の作品だと思うのですが、近藤史恵さんの作品は過去に遡るほど痛々しい色合いが強い気がします。

    本作も、読んでて痛いところがありました。それはもちろんカタカナで書くイタいではなくて、読み手に突き刺さるという意味で、こちらが感じる痛さのことです。

    愛情の形について考えさせられるような描写があるのですが、例えば親子の愛情なんてものは、無条件に絶対のものだから、しばしば歪んでしまったりもするんでしょうか。

    近藤史恵さんが描く人間の内面の描写が僕はすごく好きなのですが、本作も最初からぐっと引き込まれて、一気に読んでしまいました。

    時代考証的にまだ携帯電話が無く、例えば作中で嫌がらせを受ける際に固定電話に対しての嫌がらせがひどく有効だったり、テレクラが一般的だったりもするのですが、そのあたりは、その時代を知らない方々にはぴんと来ない事柄かもしれません。そういう意味でも、大人向けなのかもw

    僕はとても好きな一作です。

  • ミステリーって訳でもないのかな。サクッと読めたから、まぁ満足。

  • あがり症声楽家は神様からその声をもらった。
    神様のための美しい声。
    神様の気まぐれ。

    そこが凄い好きだったなぁ~

    あとはいまいち。
    母親の言いなりの版画画家の大地より、西のが良い男だったし。
    ただの恋愛でなくミステリ仕立てなのが近藤さんらしかったけれど、これは短編小説でミステリ抜きで綺麗な話にして欲しかったな。


    ありがちなオチに見事に騙されたのは内緒。
    僕ほどミステリ作家に優しい読者はいないんじゃないか…

  • 図書館で。
    なんというのか主人公が苦手なタイプ。才能があっても役に立たない、発揮できないジレンマを抱えつつでも音楽の世界から離れないとか、今も憎からず思っている元恋人が居て吹っ切れずにいるとか…率直に言ってアホだろって思う。そんな世界に未練たらしくズルズル居座っていたら吹っ切れるハズもないだろうに。彼女がする事はまず、スッパリ未練を断ち切って就職する事だったのではあるまいか。実際に存在したらあまり友人になりたくないタイプだな、ウン。

    何かあった時に元恋人に縋りつくクセに彼がおせっかいを焼くとお前何さま?みたいな態度を取るのもナンダカナ、と言う感じ。だったら女友達を頼って行けよ…とツッコミを入れました(笑)

    彼氏と彼氏のお母さんの異常さよりも主人公の危機管理の弱さと危なっかしい感じにドキドキしました。なるほど、これで男は離れられなくなるのか… それも一つの手かもしれないな、ウム。でも敵地に赴くってのにホント、危機感無いよな、この主人公…

  • 縺、縺??譌・謇?螻槭☆繧矩?邂。繝舌Φ繝峨〒貍泌・上@縺滓峇縺後ち繧、繝医Ν縺?縺」縺溘?縺ァ縲∝峙譖ク鬢ィ縺ァ縺ェ縺ォ縺偵↓蛟溘j縺滓悽縲ゆコ域Φ縺ォ蜿阪@縺溘?√Α繧ケ繝?Μ繧「繧ケ縺ェ諱区?蟆剰ェャ縲ゅ◆縺セ縺ォ縺ッ縲√>縺?°縲

  • 恋愛ミステリー。
    Stabat Mater(悲しみの聖母)とはカトリック教会の聖歌の1つ。
    才能があるのにプロへの道を諦めた声楽家 りり子は、版画家 大地と知り合う。
    もっと声楽家としての話に焦点を当てるのかと思っていたら思いのほか恋愛小説だった。
    でも犯人は思いつかなかった。
    (図書館)

  • 西くんいい人

  • スタバのお話?とか思ったら全然違った~!!
    神様のための歌声ってどんなだろう。聞いてみたいなあ。

  • 主人公が歌い手としてどうにかなるかと期待した私がバカでした。しかし、サバサバ系の女性って小説の主人公になると鼻につきますね。

  • Stabat Mater(悲しみの聖母)…意味深なタイトル。
    スタバト・マーテルは中世の詩の中でも極めて心を打つものの1つであり、わが子イエス・キリストが磔刑となった際、母マリアが受けた悲しみを思う内容になっている。

    近づいた女性は不幸になるという噂の銅版画家、大地。
    充分な実力を持っていながら本番になると歌えず、プロになることを諦めざるを得ないりり子。

    大地と付き合い始めたりり子の周辺にはおかしな事件が多発して。。

    母という存在の絶対的な支配力、女の業を感じさせられて怖かった。。

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著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。1993年『凍える島』で「鮎川哲也賞」を受賞し、デビュー。2008年『サクリファイス』で、「大藪春彦賞」を受賞。「ビストロ・パ・マル」シリーズをはじめ、『おはようおかえり』『たまごの旅人』『夜の向こうの蛹たち』『ときどき旅に出るカフェ』『スーツケースの半分は』『岩窟姫』『三つの名を持つ犬』『ホテル・カイザリン』等、多数発表する。

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