日本の歴史 (5) (中公文庫 S 2-5)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (553ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122044258

作品紹介・あらすじ

源氏物語はどのような世界から生まれたのか。藤原道長はどんな布石によって天皇家外戚の地位を完成したのか。洗練の極みを誇りながら権勢の争いに明け暮れた平安貴族の生活と思想を、御堂関白記・小右記などの史料を駆使して鮮かに浮き彫りにする。

感想・レビュー・書評

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  • ちょうど道長さんがぶいぶい言わせていた頃の歴史。この巻は章立てがよく練られていて、とても面白く読めた。

  • 中央公論の歴史本第5巻。平安時代の貴族の政治・文化について。源氏物語はどのような背景から生まれたのか。当時の日記と言われるものは、現代の日記と違い、儀式のための覚書だった?藤原道長は自身の娘を次々に入内させ天皇の外戚となり、望月の歌に見られるように摂政となり権勢をほしいままにした。しかしその子頼通の代になると女子が生まれず藤原氏の権力基盤も綻びが出始める。詳細→
    http://takeshi3017.chu.jp/file9/naiyou31401.html

  • [評価]
    ★★★★☆ 星4つ

    [感想]
    源氏物語の事から始まり、そのモデルとなった時代はどのような時代だったのかと言う形の導入となっている。
    この時代は藤原道長の時代ということしか知らなかったが本書を読んで感じたのは外戚が大きい時代だということだ。
    天皇の外戚となるために娘を東宮に嫁がせ、皇子が生まれれば次の天皇の外戚となり、権勢を振るうということが当たり前となっていると感じた。
    一方で儀式をこなすことが優先され、目新しいことはなく、政治が停滞していたことがわかる。
    他、同時代には様々な問題が発生しており、律令制度が崩れ始めていること、特に地方では実力を持つ者たちが生まれ始めていることを感じた。

  • 摂関政治全盛期、藤原道長の時代。道長の権力は運の良さにかなり左右されていた、そしてその子の頼通以降は運が悪かったため衰退した。当時の朝廷政治はかなり良い加減で、ただただ前例踏襲。地方は眼中にない。
    ほんと、この時代に外国の侵略などがなくてよかった。侵略がなかったから、日本独自の文化が形成されたのだなぁ、としみじみ思った。

  • 源氏物語の世界、安和の変、道長出現、家族と外戚、身分と昇進、中宮彰子、一条天皇の宮廷、清少納言と紫式部、儀式の世界、日記を書く人々、栄華への道、望月の歌、怨霊の恐怖、公卿と政務、刀伊の襲来、盗賊・乱闘・疫病、平安貴族の衣食、法成寺と道長の死、浄土の教え、欠けゆく月影

    面白かった。
    以下の著者の言葉(酩酊時)は憶えておきたい。

    「現代人の心で古代の事を考えてはいけない。
     俺はそう思ってやってきたが、結局駄目だった。
     お前ら(ゼミ生)にできるわけがない。ざまあみろ」

  • 藤原道長の一生と重なる年代を主軸とした平安中期の歴史と文化の解説がなされている。
    道長は数々の幸運に恵まれて、人臣の中でも最大の栄華を享受する。ただし、これ以後に武士が台頭することを考えると、すでに貴族の時代の終わりは始まっていたようにも感じる。
    道長の最大の幸運は、彼の生涯と社会秩序の転換期が重ならず、既存秩序の崩壊を見ずに済んだことかもしれない。
    平安中期は、政治的には何もしていないに等しい時代だが、彼らなりの苦悩があったこと、また、一定の平和があったが故に平安文化が華開いたことを理解できた。

  • 藤原道長の時代、いわゆる摂関政治の時代がメイン。

    政治的な出来事のみならず、源氏物語など当時の文学や、風俗についても詳細に書かれている。

    光源氏のモデルは複数おり、藤原道長も光源氏の一側面であるという筆者の分析が興味深い。

    当時のことが事細かく描かれているが、本書は小説ではない。現代のようにその時々の出来事が映像で残っているわけがないので、当時の資料を丁寧に読み解いて記述しなければならないのだろうが、ここまで深い洞察がなされていることには驚かされる。

    また、当時は特に後世へ残そうとして書かれている訳でもない日記が、現在では研究のための貴重な資料であることは、改めて思い知らされた。

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  • 源氏物語はどのような世界からうまれたのか。藤原道長はどんな布石によって天皇家外戚の地位を完成したのか。洗練の極みを誇りながら権勢の争いに明け暮れた平安貴族の生活と思想を、御堂関白記・小右記などの資料を駆使して鮮やかに浮き彫りにする。

  • 藤原道長を中心とした摂関期の概説。
    淡々と事実を述べている感じがしました。
    しかし、当時の家族感や外戚の重要性には特に力を入れている内容で、この時代を理解するにはよかったです。

    とにかく読むのに時間が掛かった。

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著者プロフィール

1924-1993。東京大学文学部国史学科卒業。東京大学史料編纂所・同文学部教授ののち、東京大学史料編纂所所長、国立歴史民俗博物館長を務める。東京大学名誉教授。専門は日本古代史。著書に『王朝の貴族』『平安京への道しるべ』、共編著に『律令』などがある。

「2018年 『往生要集 全現代語訳』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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