完璧な病室 (中公文庫)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 1789
レビュー : 169
  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122044432

感想・レビュー・書評

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  • タイヴィング・プールが一番印象に残った。少女の嗜虐性がすごくリアルで一気に読めた。

  • こんなんでも愚弟が大好きなんで、なんだか読むのが辛うなってしまいました。あんまり覚えておりません。

  • 「完璧な病室」「揚羽蝶が壊れる時」「冷めない紅茶」「ダイヴィング・プール」の4編。
    小川さんらしい短編集。
    「揚羽蝶が壊れる時」はタイトルが好みすぎる割にはお話は好みではなかったのだけど、アルツハイマーになってしまったおばあちゃんと、同じ施設にいるお年寄りたちと自分、いったいどっちが正常なのか?と、主人公が悩む話。
    「完璧な病室」に出てくる病院の先生と「ダイヴィングプール」の主人公は孤児院をやってる親の元に生まれた実子。本当の親がいるのに、孤児として孤児院で育ち、だけど、自分には里親は一生見つからず、実の親がいるのに自分は一生孤児という不条理。うーん。小川さんっぽい^^
    小川さんのお話には同じ設定がよく出てくるんだけど、この「どっちが正常なのかわからなくなってきて、徐々に踏み外していく主人公」という設定がよく出てくる。

  • 2014年の53冊目です。
    小川洋子の2004年に出版された短編文庫本です。
    収められている作品は、それ以前に出版されたものです。
    「完璧な病室」(1989年)芥川賞候補
    「揚羽蝶が壊れる時」(1988年)海燕新人文学賞
    「冷めない紅茶」(1990年)芥川賞候補、野間文芸新人賞候補
    「ダイヴィング・プール」(1989年)芥川賞候補
    4つの短編は、デビュー作品の「揚羽蝶が壊れる時」を含め初期の作品で、小川洋子の作風を確立した作品集だと感じます。私なりの書評を書いてみました。
    透明感が強く汚れたものが排除された静謐な空間に対する強い欲求を感じます。
    「完璧な病室」は、不治の病で入院する弟を、姉が看病する話ですが、姉にとって弟の病室で過ごす清潔で汚れの無い時間が掛けがえのないものになっていきます。「揚羽蝶が壊れる時」は、母親が死んで祖母に育てられた私が、老いて壊れてしまった祖母を介護施設に預ける時の私の心を精密にかつ俯瞰しながら表現しています。「冷めない紅茶」は、中学校時代の同級生が、その当時図書室で働いていた司書の女性と結婚していた。その夫婦と自分との関係性の中で司書の女性の奇妙な存在感が気になる作品です。「ダイヴィング・プール」は、孤児院を営む両親と主人公の女子学生と多くの孤児たちの暮らしをベースに書かれています。孤児の一人である純は、飛び込みの選手。主人公の彼女は彼の飛び込みをプールサイドで見つめている時、恍惚感にも似た気持ちに包まれる。その彼女の心には、同時に残虐性がうごめいている。10代の少女の心に垣間見える無垢な残虐性とは異なるもので、恍惚感の増大を抑止するかのように息づいています。

  • 好きな作家さんなので読みたい。

  • 小川さんの描く世界はきれいで静かで重い。「完璧な病室」背徳的。弟や先生や旦那との関係がなんか好きです。「揚羽蝶が壊れる時」理解が難しかったけど、出だしが生々しくて印象に残ってます。「冷めない紅茶」あの2人は火事で亡くなっていたのか。弱ファンタジー風味で良い感じ。「ダイヴィング・プール」彩の弱者いじめは分からんでもない。そう思ってしまう私は変なのかなあ。

  • 弱りゆく弟が唯一口に出来る、みずみずしい葡萄が妙に官能的。

  • 時間を忘れて読み耽るような面白さがあるわけではないのに、いつの間にかこの作者の紡ぎだす世界に引き込まれてしまっている・・・。気持ち悪いくらいに生々しい描写も、静謐で透明な描写も、文章を読んでいる途中には素通りしてしまうのに、後からじわじわと沁みてくる・・・・うまく言葉で表せない不思議な感覚を感じます。

  • 病とか死とか
    リアルよりリアルな描写

    ちょっときもちわるいです

  • 主人公の女性の心の闇が伝わってくるようで、苦しく辛くなった。
    精神を病み、強盗に殺された母、母の異常を恐れ離婚した父、残り僅かな命を静かな病室で全うしようとする愛しい弟、多忙すぎて午前3時にしか会えない夫。
    彼女にとって、病室以外のものは全て汚れた有機質を含むものであり、大きなダストボックスに放り込んでしまいたい衝動に駆られる。
    弟を介してしか関係のない抽象的な人間である一人の男性がなぜ心の拠り所となったのだろう。

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著者プロフィール

小川 洋子(おがわ ようこ)
1962年、岡山県生まれ。高校時代に文芸を志し、早稲田大学第一文学部文芸専修入学。在学中から文芸賞に応募。卒業後一般企業に就職したが、1986年の結婚を機に退職、小説家の道に進む。
1991年『妊娠カレンダー』で芥川賞、2004年『博士の愛した数式』読売文学賞、本屋大賞、2006年『ミーナの行進』谷崎潤一郎賞、2012年『ことり』で芸術選奨文部科学大臣賞、2013年早稲田大学坪内逍遙大賞をそれぞれ受賞。芥川賞、太宰治賞、読売文学賞、河合隼雄物語賞などの選考委員を務める。
『博士の愛した数式』は映画化され、大ヒットとなった。受賞作以外の代表作として、『薬指の標本』『人質の朗読会』『猫を抱いて象と泳ぐ』。

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