完璧な病室 (中公文庫)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 1784
レビュー : 168
  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122044432

感想・レビュー・書評

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  • 個人的な好みで言うと、『冷めない紅茶>>>>>完璧な病室>>>ダイヴィング・プール>=揚羽蝶が壊れる時』という感じ。特に、『冷めない紅茶』を読んだのは二度目だったのだけれど、静かで、狂おしくて、さみしくて、うつくしい話だなあと思った。
    小川さんのお話を読んでいると、何だか拷問道具を眺めているような気分になる。残酷で、とてもうつくしい。

  • 2008年11月14日~15日。
    「完璧な病室」「冷めない紅茶」は面白かった。「ダイヴィングプール」はいまひとつ。「揚羽蝶が壊れる時」はちょっと冗長に感じた。

  • 短編集,2編
    死に向って透明な感じになっていく弟を,静かに見つめる姉の不思議な感覚がこの世に生きてないかのようだ..そして,吃音のあるS医師の孤児として実の親に育てられたというエピソードに,なんという残酷なことかと,心が締め付けられるようだった.

  • 言葉が不気味で美しい。

  • 小川洋子さんの初期作品です。
    静謐な文章と称される通り、常にどこかこの世の一切から身を引いたような雰囲気を感じます。
    執拗にすら感じられる細やかな表現は、人によってはしつこく感じるかもしれません。
    小川さんの感受性の豊かさそのものである風に感じます。
    ストーリーというより、その表現を楽しむお話たちだと捉えました。

    私は小説を書いています。
    最近、溢れ出る言葉をそのまま書いているが、もっと伝わりやすく書くべきかと悩んでいました。
    しかし、技量はどうであれ、感じたそのままを表す事に改め惹かれるような文章でした。

  • こんなんでも愚弟が大好きなんで、なんだか読むのが辛うなってしまいました。あんまり覚えておりません。

  • 2014年の53冊目です。
    小川洋子の2004年に出版された短編文庫本です。
    収められている作品は、それ以前に出版されたものです。
    「完璧な病室」(1989年)芥川賞候補
    「揚羽蝶が壊れる時」(1988年)海燕新人文学賞
    「冷めない紅茶」(1990年)芥川賞候補、野間文芸新人賞候補
    「ダイヴィング・プール」(1989年)芥川賞候補
    4つの短編は、デビュー作品の「揚羽蝶が壊れる時」を含め初期の作品で、小川洋子の作風を確立した作品集だと感じます。私なりの書評を書いてみました。
    透明感が強く汚れたものが排除された静謐な空間に対する強い欲求を感じます。
    「完璧な病室」は、不治の病で入院する弟を、姉が看病する話ですが、姉にとって弟の病室で過ごす清潔で汚れの無い時間が掛けがえのないものになっていきます。「揚羽蝶が壊れる時」は、母親が死んで祖母に育てられた私が、老いて壊れてしまった祖母を介護施設に預ける時の私の心を精密にかつ俯瞰しながら表現しています。「冷めない紅茶」は、中学校時代の同級生が、その当時図書室で働いていた司書の女性と結婚していた。その夫婦と自分との関係性の中で司書の女性の奇妙な存在感が気になる作品です。「ダイヴィング・プール」は、孤児院を営む両親と主人公の女子学生と多くの孤児たちの暮らしをベースに書かれています。孤児の一人である純は、飛び込みの選手。主人公の彼女は彼の飛び込みをプールサイドで見つめている時、恍惚感にも似た気持ちに包まれる。その彼女の心には、同時に残虐性がうごめいている。10代の少女の心に垣間見える無垢な残虐性とは異なるもので、恍惚感の増大を抑止するかのように息づいています。

  • 時間を忘れて読み耽るような面白さがあるわけではないのに、いつの間にかこの作者の紡ぎだす世界に引き込まれてしまっている・・・。気持ち悪いくらいに生々しい描写も、静謐で透明な描写も、文章を読んでいる途中には素通りしてしまうのに、後からじわじわと沁みてくる・・・・うまく言葉で表せない不思議な感覚を感じます。

  • 病とか死とか
    リアルよりリアルな描写

    ちょっときもちわるいです

  • 主人公の女性の心の闇が伝わってくるようで、苦しく辛くなった。
    精神を病み、強盗に殺された母、母の異常を恐れ離婚した父、残り僅かな命を静かな病室で全うしようとする愛しい弟、多忙すぎて午前3時にしか会えない夫。
    彼女にとって、病室以外のものは全て汚れた有機質を含むものであり、大きなダストボックスに放り込んでしまいたい衝動に駆られる。
    弟を介してしか関係のない抽象的な人間である一人の男性がなぜ心の拠り所となったのだろう。

著者プロフィール

小川 洋子(おがわ ようこ)
1962年、岡山県生まれ。高校時代に文芸を志し、早稲田大学第一文学部文芸専修入学。在学中から文芸賞に応募。卒業後一般企業に就職したが、1986年の結婚を機に退職、小説家の道に進む。
1991年『妊娠カレンダー』で芥川賞、2004年『博士の愛した数式』読売文学賞、本屋大賞、2006年『ミーナの行進』谷崎潤一郎賞、2012年『ことり』で芸術選奨文部科学大臣賞、2013年早稲田大学坪内逍遙大賞をそれぞれ受賞。芥川賞、太宰治賞、読売文学賞、河合隼雄物語賞などの選考委員を務める。
『博士の愛した数式』は映画化され、大ヒットとなった。受賞作以外の代表作として、『薬指の標本』『人質の朗読会』『猫を抱いて象と泳ぐ』。

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