マレー蘭印紀行 (中公文庫)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 337
感想 : 33
  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122044487

作品紹介・あらすじ

昭和初年、夫人森三千代とともに流浪する詩人の旅は、いつ果てるともなくつづく。東南アジアの圧倒する自然の色彩と、そこに生きるものの営為を、ゆるぎない愛と澄明な詩心で描く。

感想・レビュー・書評

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  • はじめての金子光晴さん
    脈絡がわからなくても
    だんだんすこし楽しく読めるようになる
    すごくではなくすこし

  • この本はちょっとすごい。
    旅の切なさを、いくら当時の東南アジアが、からゆきさん問題や、現地人の貧困など問題が多くあったとしても、ここまで書けるとは。
    とは言え、描写は写実的で、風俗にも触れているので、歴史的な価値もある。全くすごい本である。

  • 女と現地の人をごくごく自然に見下しているのが
    昭和初期の価値観なんだろうな

  • 旅行記というより詩が綴られている印象だった。美しいもの汚いものすべてを引っ括めて、自然と人間が率直に謳われており、この手の紀行文は今日あまり見掛けないだけに、存在価値をいまだに放っている。ただ現在との乖離が大きい分、文章の流麗さに関心が惹かれなければ、退屈の可能性もあり。

  • 作者45歳の時の作品。

    その8年前、欧州から帰国の際に立ち寄ったマレー半島の風物。
    次第に戦争の色合いが濃くなる中、海外植民地で働き暮らす日本人、中国人、土地の人々の模様。

    70歳代半ばで書かれた東南アジア・欧州3部作に較べると、暗く重たい。

  • 在インドネシア中に読了。風景が美しい詩のように描写され、なかなかページが進まない。何度も読み返す。いくつかの旅に持っていったが、やっと読み終えた。

  • なんだろう。この引き込まれる感じ。読んでいるうちにタイムトリップして、自分まで現地にいるような錯覚を覚えた。

  • まず、本の表紙が素晴らしい。そして、期待に違わず金子氏の散文は詩でもあるような印象を持った。熱帯地方の生ぬるい、じめじめした大気が體にまとわりついてきそうだ。泥河から沸き立つ、人間の糞尿やナッパ椰子の腐った饐えたような臭いにも搦めとられそうだ。森千代との旅なのだが、そのとき彼女には別の男がいたのだ。金子氏はどのような気持ちで旅を続けたのであろうか。とても辛い旅であったのかも知れない。

  • 本当に詩人だったんだ、この人・・・。
    「三部作」と比較すると、動きのない話なだけに
    本領発揮!です。これはもう散文詩です。

    梅雨明けのヤケクソのよーなピーカン天気の下、
    日よけシェードのなくなった京浜東北線で
    ダラダラ読むにはこの上ない選択でしたね、全く。

    噎せ返る熱気。澱んだ空気。倦んだ街。爛れた世界。
    虫は出る。食べ物は腐る。街はぬかるむ。
    ただ生きているだけで、未来も希望もない自由・・・・
    ちょこっとだけ羨ましい。

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著者プロフィール

一八九五(明治二八)年愛知県生まれ。詩人。早大、東京美術学校、慶大中退。一九一九(大正八)年第一詩集『赤土の家』刊行後渡欧し、ボードレール、ヴェルハーレンに親しむ。二三年詩集『こがね蟲』で詩壇に認められる。二八年作家である妻・森三千代と東南アジア、ヨーロッパ放浪の旅に出発(三二年帰国)。三五年詩「鮫」を発表以来、多くの抵抗詩を書く。詩集に『落下傘』『蛾』『女たちへのエレジー』『人間の悲劇』『IL』、小説『風流尸解記』、自伝『どくろ杯』『ねむれ巴里』『西ひがし』などのほか、『金子光晴全集』(全十五巻)がある。一九七五(昭和五〇)年没。

「2021年 『金子光晴を旅する』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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