- Amazon.co.jp ・本 (500ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122044791
作品紹介・あらすじ
砂漠の遊牧民が創出したイスラーム文化、その原点をなす聖典コーラン。何がコーランの思想を生み出したのか。思弁神学、神秘主義、スコラ哲学と、三大思想潮流に分かれて発展していく初期イスラームの思想の歴史をそれぞれの思想家を通して解明する。イスラーム哲学史に、イスラーム思想に、大きな影響を及ぼしたインド系思想潮流「TAT TVAM ASI(汝はそれなり)」を併録する。
感想・レビュー・書評
-
IT1c
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
新書文庫
-
本人も書いているが、イスラム思想史上顕著な影響を与えた思想家にスポットを当てて詳説するという形式で、いわゆる一般的な概説書という形式の本ではない。イスラム思想関連に疎い人間には少し厳しいが、詳しい人間には不要な箇所が多かったり、帯に短し襷に長しという本かもしれないと感じた。
-
20か国語を操り東西を跨いだ思想を紡ぎ上げる日本屈指の碩学者、井筒俊彦によるイスラーム思想史解説。冒頭における「コーランはどんな経典にもまして、著しく視覚的であり聴覚的な経典である」との説明からして目から鱗。本書ではイスラムが世界で最先端だった時代、つまり13世紀までの思弁神学・神秘主義思想・そして東西イスラムにおけるスコラ哲学を主として扱い、それがギリシャ哲学を消化しつつも西洋ルネサンス以後の思想を先取りしていたかを明らかにする。イスラムが当時最先端でいられたのは、西洋東洋両者の影響を受けられらが故か。
-
なかなか読み通すのがたいへんだったが、ガザーリーやイブンルシドの思想を学ぶことができ、イスラーム神学やスーフィズムについても基礎知識を得ることができる。イブンルシド以降の哲学については書いていないので、別の参考書が必要だ。
-
大まかな流れがだいたいつかめました。