ジャンヌ・ダルクの生涯 (中公文庫 ふ 37-4)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122045781

感想・レビュー・書評

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  • ジャンヌダルクの足取りを辿りながら、その内一緒に歩を進めているような気分になった。
    残された美術品によって全く顔や体型が異なっているのが、人々がロマンを感じる一端となっている。様々な解釈の本を読みたいと思った。

  • 4122045789 234p 2005・9・25 初版

  •  ”ベル薔薇っぽい”というイメージが先行して、藤本ひとみの本は敬遠していたし、ジャンヌダルク関連の本は結構たくさん読んでいたし、内容も特に新しいことはないしで、別に買わなくてもいいかなと思ったのに、結局買ったのは、写真がいっぱいあったから。
     
     紀行文として読むには面白いです。読みやすいしわかりやすい。ジャンヌ本の新しいスタンダード本ができましたという感じです。
     
     ジャンヌを火刑台送りにした裁判をしきったピエールコーションという司教、こいつが悪い奴で、リック・ベンソン監督の映画のなかでも、ジャンヌの告解を頑として聞かない。

     なんか恨みがあるらしいけれど、なんで?とずっと疑問でした。
     
     でもこの本を読んでわかりました。コーションはジャンヌの進撃によって、自らの教区を負われ流浪の生活を味合わされていたのです。
     
     恨み骨髄まで達すといったところでしょうか。
     
     学問的な解説書だと、こういう裏事情が書かれていないので(たんに読み逃していただけか、理解していなかっただけかもしれませんが)、筆者の思い入れが強くなるエッセイを読むとまた新しい発見がありますね。



  • 神の声だけを頼りに、戦いに挑んだ少女だからこそ彼女はフランスだけでなく世界で語り継がれるのだろう。

  • 何も知らなかったので勉強。

  • 17歳で剣を取り、祖国フランスを救ったジャンヌ・ダルク――。神のお告げを聞いた生まれ故郷のドンレミから、戦勝を重ねたオルレアン、ノートル・ダム大聖堂における戴冠式、そして炎に包まれ19年の生涯を終えた街ルーアンまで、「男装の少女」ジャンヌ・ダルクの謎につつまれた生涯をたどる歴史エッセイ。図版68点収載。

  • 謎の多い、ジャンヌ・ダルクの生涯を、エッセイ風に、作者と共に彼女の足取りを追いながら、伝説を取り除き、真実にせまろうと描かれた作品。
    私はあまりジャンヌ・ダルクには興味がなかった。
    謎が多すぎる為に、聖女として奉られ人間臭さがまるでなく、真実が見えにくかったから。
    映画でも数多くの女優さんが演じてきたけれど、とても実在の人物といった感じがないので面白みを感じなかった。
    今回は、好きな作家だったからちょっと興味を持って読んでみた。
    ヨーロッパの歴史小説を数多く描いてきた作者の洞察力により、今まで信じて決めつけられ
    てきた、彼女の神懸り的な姿や出来事が、実はとても現実的だった事がとても良くわかる作品だった。
    ヨーロッパ、特に地元フランスでは、フランスを窮地から救った神の使いの少女として、崇められ、奉られ、最初から聖女として出来事を捉え、結果がわかっているから、すべての出来事や彼女の言動が結果へと結びつけて考えられがちな事が多いようだ。
    藤本ひとみは、彼女を最初から、ただの普通の少女として捉え、その信仰心の強さによる激しい思い込みにより、神の声を聞いたと信じて何のためらいもなく行動した彼女の姿を様々な角度から、そして僅かな証拠から導き出し、十分にこちらも納得できる解釈だった。
    またエッセイ風と言うこともあって、文体が堅くなく、逆に作者のキャラクラーが現れていて、結構、笑える作風になっている。
    図画や写真も多く、ジャンヌ・ダルクの以前や以後の当地の事件や人物の話なども所々に折り込まれ、気軽に楽しく読め、また勉強にもなる充実した内容だった。

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著者プロフィール

長野県生まれ。西洋史への深い造詣と綿密な取材に基づく歴史小説で脚光をあびる。フランス政府観光局親善大使。著作に、『新・三銃士』『皇妃エリザベート』『シャネル』『アンジェリク緋色の旗』『ハプスブルクの宝剣』『王妃マリー・アントワネット 華やかな悲劇のすべて』『幕末銃姫伝』『i維新銃姫伝』など多数。青い鳥文庫ではKZのほかに「妖精チームG(ジェニ)」シリーズ、『マリー・アントワネット物語』『三銃士』も手がけている。

「2019年 『探偵チームKZ事件ノート 特装版 校門の白魔女は知っている』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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