呉子 (中公文庫 B 13-4 BIBLIO S)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (120ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122045873

感想・レビュー・書評

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  • 解説などにもあるように、孫氏と比べるとより具体的で、より兵法っぽい感じ。だからなのか、繰り返し読むのは孫氏な気がする。

  • 『呉子』は、楚の国の宰相となった呉起(ごき)のことばを収録した兵法書で、『孫子』とともに広く読まれた。
    本書は120ページと薄い本で、前半の78ページまでが『呉子』の訳文で、79ページ以降は『呉子』の書き下し文となっている。漢文は無し。

  • 孫子と並ぶ兵法家として名高い呉起の理論をまとめた、ということになっている兵法書のプレーンな現代語訳と書き下し文。非常に薄い本なのですぐ読めます。原文もついていればなお良かったか?

  • 春秋時代の楚の宰相呉起が著したとされる兵法書である。「孫呉の書」という風に孫子の兵法書と並べて語られることも多い名著である。内容は戦争における具体的な戦術論が多いため、孫子に比べると現代人に読まれることが少ないのだろうと思われる。

    しかし、呉起という人物が戦争や国家、将軍、兵士、民について豊富な知識を持ち、極めて詳細に考察していたことは伺える。途中に戦争を仕掛けるべき8のケース、戦争を避けるべき6のケースという項があった。つい先日、太平洋戦争のドキュメンタリーを見たが、旧日本軍はまさにここに書かれている「負ける軍隊」の条件を満たしていた。精神論に頼り、勝つための戦術や理論を疎かにした結果が、無残な敗北に繋がった。旧日本軍の戦争指導者に呉子を学んでいれば、と思わされた。

  • 呉子の戦闘での勝率7割は驚異的。

  • リアリスト(まぁ、兵法家なんてリアリスト以外ありえないけど)呉起の兵法書。
    「こんな難事にはどう対処すればいい?」に対し「こうすればいい」と応じますつつ「そもそもそんな状況にすんな」という警告を外さないあたりに彼の色が見えてきます。仁や徳も結果を求めやすくするための一手段と割り切る点にも共感できました。

    訳文が自分好みで無い点だけマイナス。

  • 孫呉の兵法と並び称される「呉子」の兵法書。理論を書いているとともに、実践的な兵法の運用方法を将軍の在り方から用兵まで巧みに描いている。魯から、魏、楚を経て宰相にまでなった呉子の生き方が表れている。特に魏の将軍時に一平卒と同じ待遇でいるとともに、一平卒の膿を吸い出して士気を異常に高めて秦をぼこぼこにする描写がすさまじかった。合理的!もしくは目的に忠実という呉子の姿勢が見えた。

  • この本は、ただ読むのではなくて、書かれている戦術に自分ならばこうするとか、そう思いながら読むことでさらに面白くなると思います。

  • 戦術よりの兵法書。
     
    ちなみに、このシリーズはジャケ買いしてます。

  • 『孫子』に如かず、ってところでしょうか。

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著者プロフィール

一九二八年(昭和三)台湾に生まれる。台北帝大医専に進むが中退し、四六年(昭和二十一)、日本に戻る。新聞記者などの職を経て、大衆文学研究家として活躍する。六五年(昭和四十)に『大衆文学論』で芸術選奨文部大臣賞を受賞。九〇年(平成二)、『大衆文学の歴史』で吉川英治文学賞を受賞。日本ペンクラブ会長、日本文芸家協会常務理事などを歴任。著書に『旧植民地文学の研究』『魯迅との対話』、兄・秀実が関わったゾルゲ事件を究明する『生きているユダ』『ゾルゲ事件』など。九九年(平成十一)没。

「2018年 『孫子・呉子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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