夢みるピーターの七つの冒険 (中公文庫 マ 9-1)

  • 中央公論新社
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122046016

感想・レビュー・書評

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  • 短編集7編
    子供の想像の力をとても魅力的に伝えて,また大人の気持ちもあるがままに描いている.特にどちらもいれかわるという点では同じ構造なのだが「ネコ」と「赤ちゃん」が面白かった.

  • 10歳の男の子、ピーターの白昼夢。
    7話すべて素敵。
    心が軽くなる子どもの視点でのお話の中に、皮肉、風刺、ちょっとフィロソフィカルなタッチもある。
    忙しい日々の合間にちょっと開けば、
    子どもの頃のあのワクワク、思い出せるかも。
    ぜひ原書でも読みたい一冊。

  • 子どもの頃、外の景色を見ながら空想の世界を広げていることはなかったですか?はたから見るとぼんやりしているようですが、風景から想像がふくらみ現実ばなれの世界が広がっていた・・・。本書は想像の世界を楽しむあまり、失敗もし思わず笑ってしまうピーターの冒険話。主人公にはしっかり者の妹がいてこのコントラストがまたいい。

  • セメント・ガーデンに魅せられて手を伸ばすイアン・マキューアンの小説。

    なかなかかわいらしいというか、セメント・ガーデンとは全然ベクトルの違う物語。ひとつひとつの話が子供の想像の世界とはいえ結構エグイというか、なかなか大人でもここまでの思考にはたどり着けないような深ーい考え方というか、ピーター君、君はどんだけ頭の回転が速いんだい?とツッコミたくなるような感触。でも、とても面白かった。

    お薦めは第二章の「ネコ」

  • 資料ID:92114758
    請求記号:
    配置場所:文庫本コーナー

  • 一人でいることが多く、空想が好きなため難しい子供と言われるピーター。彼が日常生活の中で想像した、ちょっとした冒険を描いています。空想の世界に行くだけではありません。現実の中で、これは想像に過ぎないんだと気がつくこともあります。逆に想像がいずれ現実になるであろうというパターンもあります。妄想が過ぎて失敗することもあるけれど、現実に対処するのに役立ってたりもするんですよね。
    さて、すっかり現実からの逃避行にしか想像力を使わない大人になってしまった今、この作品を読んで少々めげてしまいました。例えば腕がとれてしまうとか、皮膚についているファスナーを下ろすとか、いらん常識が邪魔をしてグロテスクに感じる。空想の世界の話だって分かってるのに、どこかでひっかかってしまうんです。ろくな想像力を養えてないなと、自分にため息が出ました。

  • 妄想好きの私には、とても楽しめる本でした。
    主人公ピーターの頭の中での物語が7つ描かれています。

    ピーターの想像力は素晴らしく、読んでいて映像が頭の中に浮かんできて
    本を読んでいるのに、一緒に夢を見ているような感覚をうけました。
    それに、昔確かに感じていた、子供の頃の世界を思い出させてくれます。

    夢、空想、妄想、表現はいろいろあるけれど、頭の中で自由な世界が展開すれば、それだけで人よりちょっと豊かな、楽しい時間を過ごすことができると思う。

    子供の自由な発想を一緒に楽しめる人であればとても楽しめる本だと思います。

    個人的には第六章の「赤ちゃん」が好き。
    あんな風に他人を経験できればなぁ・・・

  • children of all ages!!

  • 「贖罪」のイアンの書いた児童文学。
    あのマキューアンの児童文学ということで興味深々でした。

    もちろん、子ども向けに分かりやすくできているのですが、
    そんな中にも大人へ向けたメッセージが見え隠れしているように感じる作品でした。

    夢ばかり見ていて無口な「むつかしい」子ども、ピーター。
    これはそんな彼の頭の中で起こっていたことをそのまま書き留めた物語。

    冒険!というと洞窟、お化け屋敷、秘境、などが思い浮かびますが、
    ここに出てくるのは、人形、ネコ、クリーム、いじめっ子、どろぼう、赤ちゃん、大人、の七つ。
    いったいこの7つからどんな冒険が待ってるっていうの?!という感じなのですが、
    怖いものから泣けるもの、笑えるものまでまぁそれは様々な冒険が待っていたわけで。
    どれもちょっと毒を持っているのですが、大人もこどももぐいぐい引き込まれちゃう魅力のある冒険ばかり。
    「赤ちゃん」「ネコ」「大人」が特にお気に入りです。

    子どもが創り出す力の偉大さ、子供の持つ想像力は大人の持つそれとは明らかに違うと深く強く実感させられました。
    想像力の幅は違えども、かつては自分も確かにピーターだったのに!
    子ども独特の想像力はは取り戻せないことを痛感し、すこし悲しくもなりました。

    でもだからこそ、これからも想像力や考える力を頭の奥から引き出してくれる読書は止められないと更に強く思いました。

    巻末の著者からの言葉も素敵です。

    ブログ【ホシノ図書館】では作家別のカテゴリ分けです→<a href="" target="_blank">http://spica88232.blog58.fc2.com/</a><br>

  • ぼく、夢をみているんだろうか、それとも・・。空想少年ピーターのスリリングでちょっぴりせつない秘密の冒険。ブッカー賞作家が、子供と、むかし子供だったすべての人に贈るとっておきの物語。

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著者プロフィール

イアン・マキューアン1948年英国ハンプシャー生まれ。75年デビュー作『最初の恋、最後の儀式』でサマセット・モーム賞受賞後、現代イギリス文学を代表する小説家として不動の地位を保つ。『セメント・ガーデン』『イノセント』、『アムステルダム』『贖罪』『恋するアダム』等邦訳多数。

「2023年 『夢みるピーターの七つの冒険』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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