ナ・バ・テア (中公文庫 も 25-2)

著者 :
  • 中央公論新社
3.74
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感想 : 323
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  • Amazon.co.jp ・本 (353ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122046092

感想・レビュー・書評

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  • スカイクロラシリーズ2作目。
    まだまだ謎しか出てこない。
    なのに次々と読んでしまう。
    流石の森博嗣先生。

  • スカイクロラを最初に読んでその後調べたら、物語的には最後の話だと知って驚いた。次にこれを読んだため、スカイクロラでは分からなかった草薙などの話が読めて「なるほど〜」と思った。続きが気になる。

  • 再読。None but air。草薙さんの話なので、カンナミの話より少し重め。
    文章よりも、内容がメインかも。シリーズのほかの本とつながる感じが心地よく。

  • 空と地上と格納庫。
    シリーズのどれを読んでもその3点を行ったり来たり・・・
    なのになぜその世界にひき込まれてしまうのか?

    それでもシリーズ中では、「空気の世界」で存在する「人」がわりかし生々しく描いてあるかな?

  • 主人公が誰なのか、しばらく開かされない
    5分の1ほどまで読んで、やっと草薙水素の話だと分かる

    一人称か同じ「僕」の視点からの視点、死を恐れておらず淡々と戦闘機を操作しているような描写がテンポよく感じられる
    ロールとターンの違いとかも分からず、エルロンとエレベータとかラダーとか知らない単語なのに、なんとなくイメージ出来る気がする

    主人公が世界観に興味がなさそうなので、配属された基地の中から見た世界しかまだ分からない
    それでも一気に読んでしまう

  • スカイ・クロラシリーズ開戦
    (出版順では2作目ですが時系列的には1作目)

    戦闘機乗りの物語。

    森博嗣氏の他作品のプロローグに見られる詩的な表現ってわかります?
    全体を通してそのテイストが強い作品です。
    空の僕と地上の僕の一人称で淡々と物語が進みます。

    シリーズを通して「続きが気になる!」というよりは「よくわからんけどよかった」という読了感が味わえます。

    飛びたくなった?
    それとも墜ちたくなった?

  • スカイ・クロラを読んだあとで続けて読みました
    さらに世界観や人間関係が分かってきて、このあとの作品が楽しみになってきました
    個人的には好きな作品です

  • 「スカイ・クロラ」以来、シリーズ二作目読了。

    前作を読んでからだいぶ時間がたっているが、読み始めて(ストーリィはともかく)すぐ物語の雰囲気が頭の中に甦ってきた。
    シニカルというかドライというか、フラットというか。

    語り手である「僕」が理屈をこねて目的や考え方を正当化していくが、節々で周りに影響を受け、制御・説明しきれない感情が発露していく。
    空を飛ぶ描写は美しいけれど、脆くて危なっかしく見える。

  • 結論から言うと、「スカイ・クロラ」「ナ・バ・テア」「ダウン・ツ・ヘブン」は、どの順番で読んでも特に違和感がないと思う。

    むしろ、上に上げたのと逆の順番で読むのがいいかも。

  • とてもとても好きだ。星5じゃないのは、死にたくなるから。
    読んだ後、ぽーんと飛ぶように死んじゃいそうになる。何の感情もなく…。

  • 2016.6 12

  • スカイ・クロラシリーズ、第二作。まずシンプルな装丁に目を惹き、読み始めてすぐ「嗚呼、(装丁は)これしかないよなぁ」と思うに至る。この視覚的効果のおかげで、情景描写が何倍にも鮮やかに目の前に拡がった!内容は前作『スカイ・クロラ』よりも前のお話。やはり飛行機を操縦中の情景がイマイチ頭に思い描けなくて、私の頭がホント残念。でもストーリィはとても良かった^^

  • スカイクロラの一番最初の話しにあたるらしいです。スカイクロラで司令官だった草薙水素が主人公で、まだパイロットだったときの物語でした。本格推理の人かと思いきやこんな航空空想小説を書かれると幅が広いです。
    作られた生命の話しなのにそれが完全に社会システムに組み入れられていて、それに対してのアンチではない所が面白いです。凡百の作家さんだとその社会システムと戦い始めてしまうところですが、あくまで誰かの規定した枠内で動く事しかできない知的生命体の愛おしさみたいなものを感じます。好きな本です。

  • 再読。
    やっぱり二回目は印象が全然違う。
    時系列順に読めばよかったなあと少し後悔。


    クサナギがこれからどう変わっていくのか、みもの。このときのクサナギはすごく前向きなのにな。
    そしてティーチャ、罪な男や。

  • ブクログにまだ登録されていないことに驚いた。再読です。
    たぶん初読の時だったら、5つ星にしたのだろう。やはりこのシリーズには、時が経って変わる思いもあれば、変わらない思いもあるようだ。
    この本に対する思いが変わったこと自体、「大人」になったように思えるが、未だに時々悲しくて仕方が無い時に、必ず浮かんでくる一文を。
    『可哀想じゃない!誰も、可哀想なものか!みんな、立派だ。 みんな、立派に生きている。誰も、死にたくはないし、誰も、可哀想になんか、なりたくない、そうならないように、一所懸命生きているのに。』(P.283)
    これが、映画でも有名(?)な「可哀想じゃない!」という台詞の元。原作が分からないと、この一言の中に隠されている辛さと葛藤を、なかなか感じ取れないだろう。

    文庫ならではの解説で、よしもとばななさんの実に的を射る文章にただただ感激した。美しくさえある孤独。わたしにとっては、真夏の深夜に読みたい本だ。
    ここでも森先生の巧みな言葉のチョイスに惚れ惚れ。「捨てるべき増槽もない」とかがたぶん一生忘れることのない文章のひとつ。
    スカイ・クロラでも広がっていた生と死の談義を、ここではティーチャとクサナギが行うことになる。言葉がやや直球ではあるけれど、どこかに生きづらさを感じている人であれば、胸を突かれたような気分にさせられるだろう。

    この本の始まりと、終わりも、おそらく全シリーズにおいて一番美しいのではないかと思う。個人的にとても心に沁みる一文で終わりとしよう。
    「愛するために生まれてきたのではない。愛されるために生まれてきたのでもない。ただ、軽く……、飛ぶために、生まれてきたのだ。」(P.325)

    きっと、あげられなかったひとつの星は、自分が変わってしまったに対する追悼だと思う。

  • 架空の世界が舞台の戦闘機乗りのお話。何のために戦っているのか、誰と戦っているのか、など情報が少ない。でも、飛行での戦闘シーンや、地上での会話のシーンから読み手それぞれで世界が想像できると思う。自分がイメージしたのは、灰色や濃い緑色や茶色っぽい感じの少し暗い汚された世界でした。

  • 物語の途中まで主人公である「僕」の名前が出てこなくて、もしやと思ったところでやっと名前がでてきてすっきり。個人的にはスカイクロラを先に読んでいる方が謎が解けていく感覚が味わえて楽しめると思った。

  • 「スカイ・クロラ」シリーズの一冊。物語の時系列では、第1巻に当たります。

    こちらは、カンナミではなく草薙が主人公を張っています。ティーチャと同じ基地に配属されることになり、地上から離れて戦闘機で戦うことへのイノセントな憧れを失わない彼女の姿勢は上司によって高く評価されることになり、キルドレから初の指揮官への道が示されるようになります。

    その一方で彼女は、パイロットとしての自分の理想を、エースのティーチャに重ね合わせようとします。しかしティーチャは、そんな草薙の視線をはねつけ、追いすがろうとする草薙はティーチャと身体を重ねて彼の子どもを身ごもります。キルドレではないティーチャは、胎内の子どもを生かす決意をして、彼女のもとから去っていきます。

    永遠に大人になれないがゆえに子どもを産むことを拒否する草薙と、キルドレではないパイロットのティーチャとの間の亀裂へと問題は回収されているわけですが、物語内でその結末はつけられていません。どちらに物語が進んでいくのかまだ分からないのですが、自分の運命をただ静かに受け入れているカンナミと違い、草薙には成熟拒否のような態度が見られるので、ありきたりな「成長」というテーマに落ち着きはしないかと、若干の懸念を抱いています。

  • クサナギが指揮官になる前の話。最初名前が出てこなかったし、僕というのでずっと男の子の話と思って読んでました。先入観怖い。笹倉もキルドレかと思ってましたが普通の大人なんですね。普通普通っていいますが、普通ってなんでしょうと考えさせられます。成長して老いていくのが必ずしもふつうなのか、結局それを定義するのは周りを気にしなければ突き詰めれば自分だし、とても不確定すぎます。笹倉はクサナギの事が好きなのかな。年齢とか全く分からないけれど大人という事はそれなりの年ですよね。そのあたりがちょっと気になったり、最後チーター、ティーチャが健在だったようでよかったです。

  • スカイクロラに引き続き。虚無の中でも感情は芽生えるし、無色透明な世界にも光は煌めき彩りとなる。空中での描写は突き抜け爽快でいて切なく。うわぁーっと情景が広がり自己の存在理由など瑣末な囚われから解放される。シリーズ次作へ進みます。刊行順に読みます。

著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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