ナ・バ・テア (中公文庫)

著者 :
  • 中央公論新社
3.75
  • (313)
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  • (566)
  • (33)
  • (6)
本棚登録 : 3649
レビュー : 308
  • Amazon.co.jp ・本 (353ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122046092

感想・レビュー・書評

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  • 再読。None but air。草薙さんの話なので、カンナミの話より少し重め。
    文章よりも、内容がメインかも。シリーズのほかの本とつながる感じが心地よく。

  • 「スカイ・クロラ」以来、シリーズ二作目読了。

    前作を読んでからだいぶ時間がたっているが、読み始めて(ストーリィはともかく)すぐ物語の雰囲気が頭の中に甦ってきた。
    シニカルというかドライというか、フラットというか。

    語り手である「僕」が理屈をこねて目的や考え方を正当化していくが、節々で周りに影響を受け、制御・説明しきれない感情が発露していく。
    空を飛ぶ描写は美しいけれど、脆くて危なっかしく見える。

  • 結論から言うと、「スカイ・クロラ」「ナ・バ・テア」「ダウン・ツ・ヘブン」は、どの順番で読んでも特に違和感がないと思う。

    むしろ、上に上げたのと逆の順番で読むのがいいかも。

  • とてもとても好きだ。星5じゃないのは、死にたくなるから。
    読んだ後、ぽーんと飛ぶように死んじゃいそうになる。何の感情もなく…。

  • 2016.6 12

  • スカイ・クロラシリーズ、第二作。まずシンプルな装丁に目を惹き、読み始めてすぐ「嗚呼、(装丁は)これしかないよなぁ」と思うに至る。この視覚的効果のおかげで、情景描写が何倍にも鮮やかに目の前に拡がった!内容は前作『スカイ・クロラ』よりも前のお話。やはり飛行機を操縦中の情景がイマイチ頭に思い描けなくて、私の頭がホント残念。でもストーリィはとても良かった^^

  • スカイクロラの一番最初の話しにあたるらしいです。スカイクロラで司令官だった草薙水素が主人公で、まだパイロットだったときの物語でした。本格推理の人かと思いきやこんな航空空想小説を書かれると幅が広いです。
    作られた生命の話しなのにそれが完全に社会システムに組み入れられていて、それに対してのアンチではない所が面白いです。凡百の作家さんだとその社会システムと戦い始めてしまうところですが、あくまで誰かの規定した枠内で動く事しかできない知的生命体の愛おしさみたいなものを感じます。好きな本です。

  • 再読。
    やっぱり二回目は印象が全然違う。
    時系列順に読めばよかったなあと少し後悔。


    クサナギがこれからどう変わっていくのか、みもの。このときのクサナギはすごく前向きなのにな。
    そしてティーチャ、罪な男や。

  • ブクログにまだ登録されていないことに驚いた。再読です。
    たぶん初読の時だったら、5つ星にしたのだろう。やはりこのシリーズには、時が経って変わる思いもあれば、変わらない思いもあるようだ。
    この本に対する思いが変わったこと自体、「大人」になったように思えるが、未だに時々悲しくて仕方が無い時に、必ず浮かんでくる一文を。
    『可哀想じゃない!誰も、可哀想なものか!みんな、立派だ。 みんな、立派に生きている。誰も、死にたくはないし、誰も、可哀想になんか、なりたくない、そうならないように、一所懸命生きているのに。』(P.283)
    これが、映画でも有名(?)な「可哀想じゃない!」という台詞の元。原作が分からないと、この一言の中に隠されている辛さと葛藤を、なかなか感じ取れないだろう。

    文庫ならではの解説で、よしもとばななさんの実に的を射る文章にただただ感激した。美しくさえある孤独。わたしにとっては、真夏の深夜に読みたい本だ。
    ここでも森先生の巧みな言葉のチョイスに惚れ惚れ。「捨てるべき増槽もない」とかがたぶん一生忘れることのない文章のひとつ。
    スカイ・クロラでも広がっていた生と死の談義を、ここではティーチャとクサナギが行うことになる。言葉がやや直球ではあるけれど、どこかに生きづらさを感じている人であれば、胸を突かれたような気分にさせられるだろう。

    この本の始まりと、終わりも、おそらく全シリーズにおいて一番美しいのではないかと思う。個人的にとても心に沁みる一文で終わりとしよう。
    「愛するために生まれてきたのではない。愛されるために生まれてきたのでもない。ただ、軽く……、飛ぶために、生まれてきたのだ。」(P.325)

    きっと、あげられなかったひとつの星は、自分が変わってしまったに対する追悼だと思う。

  • 架空の世界が舞台の戦闘機乗りのお話。何のために戦っているのか、誰と戦っているのか、など情報が少ない。でも、飛行での戦闘シーンや、地上での会話のシーンから読み手それぞれで世界が想像できると思う。自分がイメージしたのは、灰色や濃い緑色や茶色っぽい感じの少し暗い汚された世界でした。

  • 物語の途中まで主人公である「僕」の名前が出てこなくて、もしやと思ったところでやっと名前がでてきてすっきり。個人的にはスカイクロラを先に読んでいる方が謎が解けていく感覚が味わえて楽しめると思った。

  • 「スカイ・クロラ」シリーズの一冊。物語の時系列では、第1巻に当たります。

    こちらは、カンナミではなく草薙が主人公を張っています。ティーチャと同じ基地に配属されることになり、地上から離れて戦闘機で戦うことへのイノセントな憧れを失わない彼女の姿勢は上司によって高く評価されることになり、キルドレから初の指揮官への道が示されるようになります。

    その一方で彼女は、パイロットとしての自分の理想を、エースのティーチャに重ね合わせようとします。しかしティーチャは、そんな草薙の視線をはねつけ、追いすがろうとする草薙はティーチャと身体を重ねて彼の子どもを身ごもります。キルドレではないティーチャは、胎内の子どもを生かす決意をして、彼女のもとから去っていきます。

    永遠に大人になれないがゆえに子どもを産むことを拒否する草薙と、キルドレではないパイロットのティーチャとの間の亀裂へと問題は回収されているわけですが、物語内でその結末はつけられていません。どちらに物語が進んでいくのかまだ分からないのですが、自分の運命をただ静かに受け入れているカンナミと違い、草薙には成熟拒否のような態度が見られるので、ありきたりな「成長」というテーマに落ち着きはしないかと、若干の懸念を抱いています。

  • クサナギが指揮官になる前の話。最初名前が出てこなかったし、僕というのでずっと男の子の話と思って読んでました。先入観怖い。笹倉もキルドレかと思ってましたが普通の大人なんですね。普通普通っていいますが、普通ってなんでしょうと考えさせられます。成長して老いていくのが必ずしもふつうなのか、結局それを定義するのは周りを気にしなければ突き詰めれば自分だし、とても不確定すぎます。笹倉はクサナギの事が好きなのかな。年齢とか全く分からないけれど大人という事はそれなりの年ですよね。そのあたりがちょっと気になったり、最後チーター、ティーチャが健在だったようでよかったです。

  • スカイクロラに引き続き。虚無の中でも感情は芽生えるし、無色透明な世界にも光は煌めき彩りとなる。空中での描写は突き抜け爽快でいて切なく。うわぁーっと情景が広がり自己の存在理由など瑣末な囚われから解放される。シリーズ次作へ進みます。刊行順に読みます。

  • 草薙水素とティーチャの物語。

  • 時系列に読むよりも、スカイ・クロラだけは先に読んでしまった方がいい。

    僕の場合、そう感じる。クサナギのすべての謎から始まり、その原点へと少しずつ近づいてゆく。この読み方だからこそ、淡々と無色で描かれたストーリーが色づき始め、彼女の頬に血の気がさし、感情の起伏が蘇っていくように思える。

    時系列に読んで、クサナギの死で読み終えたら…おそらく心底落ち込んでいた。

    少しずつクサナギの原点へと、近づきつつある。

    この本のエピローグ。クサナギの歓喜の声には大いに共感した。彼女の素直な喜び…空を飛ぶことをやめていなかったティーチャと戦える喜びは、理屈ではなく心が震えた。

    生きる上で、同じであること。互いを必要とするというよりも、一定の距離を保ちつつ並び立つためには大切な条件。そんな感慨を抱いて読み終えた。早く次を読もう。

  • 1回目は泣いたので、2回目は理解しようと思って読みました。ずっと子供のままでいることと、ずっと死なないことは一体どういうことだろうかと、自分に置き換えながら読みました。登場人物はストイックで冷めていて、諦めているようで、実は腹の底に空に対し強い想いを秘めている。私はきっと、そうやって強くは生きられないような気がする。

  • 煙草が無性に吸いたくなる本。

    始めは読みずらい表現ばかりなんだけど、
    すぐに慣れて引き込まれる。
    前の話も同様に、引き込まれたまま抜けなくて
    次の本が読みずらい。
    前の話より好きだ。次の作品も読みたい。

  • 彼とのフライト。
    煙草と煙。
    大人の男。
    子供の私。
    空を舞う。
    最後のダンス。
    離脱。離脱。

    地上の汚れた場所へ。
    あなたと二人で。

    残ったものはなんだろう。
    感情は切り離す。
    身軽さだけが自由の証。

    再会。

    彼とのフライト。
    ロールして、そのまま墜ちていけたら

    僕はきっと幸せ。

    キャノピィに映るあなたを
    一瞬のうちに焼き付けて。

  • None But Air.
    周りには、空気しかない。なにもない。命も、死も。

著者プロフィール

森 博嗣(もり ひろし)
1957年、愛知県生まれ。作家、元研究者。名古屋大学工学部建築学科、同大学大学院修士課程修了を経て、三重大学工学部助手、名古屋大学助教授。名古屋大学で工学博士を取得し、2005年退職。学会で数々の受賞歴がある。
作家として、1996年に『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞し、同作で作家デビュー。S&Mシリーズとして代表作の一つに。『スカイ・クロラ』シリーズは本人も認める代表作で、2008年アニメ映画化された。その他にも非常に多くの著作がある。

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