ナ・バ・テア (中公文庫)

著者 :
  • 中央公論新社
3.75
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  • (6)
本棚登録 : 3649
レビュー : 308
  • Amazon.co.jp ・本 (353ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122046092

作品紹介・あらすじ

信じる神を持たず、メカニックと操縦桿を握る自分の腕だけを信じて、戦闘機乗りを職業に、戦争を日常に生きる子供たち。地上を厭い、空でしか笑えない「僕」は、飛ぶために生まれてきたんだ-大人になってしまった「彼」と、子供のまま永遠を生きる「僕」が紡ぐ物語。森博嗣の新境地、待望のシリーズ第二作。

感想・レビュー・書評

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  • 僕はいつからこんなに偉くなったのだろう―。組織に守られ前線から外され、歩くだけで敬礼される日々。ただ、飛んでいたいだけ。戦闘機に乗っていない自分は死んでるのと変わらない。少年、函南との出逢いに、彼も自分もその瞳に未来を見据えたのかもしれない。憧れの人と殺し合う、流れる涙、剃刀に傷...それは哀しみではない。自信 がある、予感 がするから。だけれど解っていた、それは 諦め だと。黒い整列を真下に見ながら、死んでやる!!と飛び続けた。もうパイロットではなくなっていた。僕は兵器だ。高く高く。何処までも、誰よりも高く這い上がらなければ。また彼と踊る為に。

  • ひんやりとした感じ。ひとりでいること。揺れ動かない、静かな世界。

  • 始めの夕焼けの中を飛んでいるシーンが静かですごく好き。
    スカイ・クロラから始まる一連の作品は、たとえ戦闘のシーンであっても、空の飛び方が美しく、静かに感じられる所が一番の魅力だと思う。

  • 再読。None but air。草薙さんの話なので、カンナミの話より少し重め。
    文章よりも、内容がメインかも。シリーズのほかの本とつながる感じが心地よく。

  • 【あらすじ】
    草薙水素が主人公。撃墜王ティーチャのいる基地に配属された草薙はティーチャに対する憧れがあった。
    新しい基地では翠芽に乗ることになるが、翠芽よりも散花が好きな草薙。その後、散花の新しいモデルに乗ってみないかという話がくる。
    新しく比嘉澤という女のパイロットが配属されたが、彼女もティーチャに対して憧れがあり、その様子を複雑に思う。ティーチャ、草薙、比嘉澤、栗田で偵察に行った際、比嘉澤の機体は被弾し、比嘉澤自身も怪我を負った。そのまま不時着して死亡。
    その後草薙はティーチャに部屋に呼ばれ、比嘉澤について報告する。墜落の責任について話すが、ティーチャはこのような状況でも自分は娼婦の元へ行くことを考えていると言う。戸惑った草薙はティーチャの車に乗り込み、娼婦の館で娼婦を追い出して自ら服を脱ぐのであった。
    しばらく経った頃、草薙は2週間の休暇を取った。堕胎するため、ティーチャに保証人になってほしいと頼むと、ティーチャは医師に連絡を入れた。強い生命力を持つキルドレの子供は、身体から取り出しても生きることができるという。草薙は拒んだが、ティーチャは子供が生きることを望んだため、そのように施された。
    そして、ティーチャが草薙の元を訪ね、自分は今の基地を辞めてきたこと、今後パイロットを続けるかも分からないことを告げる。ショックを受ける草薙であったが、しばらくして黒豹の絵が描かれた戦闘機と戦うことになった際に、それがティーチャだと気付く。

    【感想】
    10年ぶりの再読。スカイクロラシリーズの2作目。時系列では1/6番目に当たる。キャラの中で草薙が一番好きなので、読んでいて楽しかった。

  • 「スカイ・クロラ」以来、シリーズ二作目読了。

    前作を読んでからだいぶ時間がたっているが、読み始めて(ストーリィはともかく)すぐ物語の雰囲気が頭の中に甦ってきた。
    シニカルというかドライというか、フラットというか。

    語り手である「僕」が理屈をこねて目的や考え方を正当化していくが、節々で周りに影響を受け、制御・説明しきれない感情が発露していく。
    空を飛ぶ描写は美しいけれど、脆くて危なっかしく見える。

  • 結論から言うと、「スカイ・クロラ」「ナ・バ・テア」「ダウン・ツ・ヘブン」は、どの順番で読んでも特に違和感がないと思う。

    むしろ、上に上げたのと逆の順番で読むのがいいかも。

  • 『ナ・バ・テア』再読3回目
    若い頃のクサナギを中心に物語がまわっていく
    大人の男、ティーチャに憧れを当初は持っていたものの同僚の死後いつしかティーチャと勝負をしたいと思うようになる
    地上では汚い事が蔓延る、汚いものが何もない空を飛び続けることがクサナギの生き様を表しているよう

    設定上、ずっと子どものままであるクサナギだけれどもスカイ・クロラと比較してナ・バ・テアではまだまだ荒削りな行動の描写があった
    子どものままだけれども成長する、思考の変化、大人と子どもの境界線はないのではないか?線引きはなんなのだろう、汚いと綺麗の違いか?色々読みながら考えました

  • 2.5
    スカイクロラシリーズの2作目(時系列1作目)。スイトが若い頃の話。ティーチャーとのやりとりの話が出てくる。草薙瑞季はティーチャーとの子のよう。

  • 【あらすじ】
    信じる神を持たず、メカニックと操縦桿を握る自分の腕だけを信じて、戦闘機乗りを職業に、戦争を日常に生きる子供たち。地上を厭い、空でしか笑えない「僕」は、飛ぶために生まれてきたんだ??大人になってしまった「彼」と、子供のまま永遠を生きる「僕」が紡ぐ物語。 森博嗣の新境地、待望のシリーズ第二作!

    【感想】

  • 初めて読むスカイクロラシリーズ!

    スカイクロラから読むべきか?ナバテアから読むべきか?迷った挙句ナバテアから読み始めました。

    取り敢えずブォイドシェイパシリーズのように主人公の視点でのみ物語が語られるので世界観が掴めません!?

    洗練された世界の様ではあるが、プロペラ機の戦闘機で戦争をしている世界???

    キルドレって何!?クサナギの所属する会社とは何なのか?そしてあの人が育てるあの子はどうなるのか??

    続きが気になります。

  • とてもとても好きだ。星5じゃないのは、死にたくなるから。
    読んだ後、ぽーんと飛ぶように死んじゃいそうになる。何の感情もなく…。

  • 「スカイ・クロラ」シリーズ

    初めから一人称なのに、それが誰の視点であるのか全く語られない。最初にスカイ・クロラを読んでいると何となく予想がつくけれど、それでも正解かは分からない。しばらく読み進めてようやく答えが出る。スカイ・クロラよりも先に読むことができたら、それもとても面白かったのではないかと思う。

    *2008.2 *2016.7

  • 2016.6 12

  • 早く精確で、そして洗練された流れを僕は夢見ている。僕は、ただ、空へ上がって目の前の敵に向かっていくだけだ。【中央館3F-西 913.6/MO】

  • 相変わらず不毛な会話が続く話だったが終わりは朝日が似合うような終わり方で良かった。
    ぶっちゃけ手慣れたティーチャの女好きからしてこどもは一人二人でないと思う。
    なんというか時系列が読み出しちんぷんかんぷんだったのでちゃんと調べた方が良かった気がする。中間くらいで草薙が主人公て気づいたし。
    一作目で草薙もいなくなったしどう続くのか期待。

  • 落ちていくときは重い方がいい。
    どれだけ効率的に敵機を落とせるか。それは人それぞれ考え方が違う。この言葉もその一つ。

    堕ちて死んだのではない。
    これは誇りなのか。空で死ねることがキルドレの本望なのか。

    地上に降りた時、もう一度強く思うのは、もう一度飛びたいということです。
    あなたのような生き方をもっと広める必要があるかもね。
    仕事への対価は仕事と言われる。高い給料でも、権力でもない。ただただ、もう一度飛ばせてもらえること。

    問いについて、全て嘘で答えた。
    冷静さとは、こういったことなのだろう。あらゆる問いを自問自答しておき、相手にとって最適な答えをする。

    人間が生きていくこと自体が汚れている。
    いつの間にか忘れちゃう、忘れようとしていること。豚や牛、魚を殺して、ヒトは生きている。ヒトを殺しあう戦争だけじゃない。

  • スカイ・クロラシリーズ、第二作。まずシンプルな装丁に目を惹き、読み始めてすぐ「嗚呼、(装丁は)これしかないよなぁ」と思うに至る。この視覚的効果のおかげで、情景描写が何倍にも鮮やかに目の前に拡がった!内容は前作『スカイ・クロラ』よりも前のお話。やはり飛行機を操縦中の情景がイマイチ頭に思い描けなくて、私の頭がホント残念。でもストーリィはとても良かった^^

  • スカイクロラの一番最初の話しにあたるらしいです。スカイクロラで司令官だった草薙水素が主人公で、まだパイロットだったときの物語でした。本格推理の人かと思いきやこんな航空空想小説を書かれると幅が広いです。
    作られた生命の話しなのにそれが完全に社会システムに組み入れられていて、それに対してのアンチではない所が面白いです。凡百の作家さんだとその社会システムと戦い始めてしまうところですが、あくまで誰かの規定した枠内で動く事しかできない知的生命体の愛おしさみたいなものを感じます。好きな本です。

  • 再読。
    やっぱり二回目は印象が全然違う。
    時系列順に読めばよかったなあと少し後悔。


    クサナギがこれからどう変わっていくのか、みもの。このときのクサナギはすごく前向きなのにな。
    そしてティーチャ、罪な男や。

  • ブクログにまだ登録されていないことに驚いた。再読です。
    たぶん初読の時だったら、5つ星にしたのだろう。やはりこのシリーズには、時が経って変わる思いもあれば、変わらない思いもあるようだ。
    この本に対する思いが変わったこと自体、「大人」になったように思えるが、未だに時々悲しくて仕方が無い時に、必ず浮かんでくる一文を。
    『可哀想じゃない!誰も、可哀想なものか!みんな、立派だ。 みんな、立派に生きている。誰も、死にたくはないし、誰も、可哀想になんか、なりたくない、そうならないように、一所懸命生きているのに。』(P.283)
    これが、映画でも有名(?)な「可哀想じゃない!」という台詞の元。原作が分からないと、この一言の中に隠されている辛さと葛藤を、なかなか感じ取れないだろう。

    文庫ならではの解説で、よしもとばななさんの実に的を射る文章にただただ感激した。美しくさえある孤独。わたしにとっては、真夏の深夜に読みたい本だ。
    ここでも森先生の巧みな言葉のチョイスに惚れ惚れ。「捨てるべき増槽もない」とかがたぶん一生忘れることのない文章のひとつ。
    スカイ・クロラでも広がっていた生と死の談義を、ここではティーチャとクサナギが行うことになる。言葉がやや直球ではあるけれど、どこかに生きづらさを感じている人であれば、胸を突かれたような気分にさせられるだろう。

    この本の始まりと、終わりも、おそらく全シリーズにおいて一番美しいのではないかと思う。個人的にとても心に沁みる一文で終わりとしよう。
    「愛するために生まれてきたのではない。愛されるために生まれてきたのでもない。ただ、軽く……、飛ぶために、生まれてきたのだ。」(P.325)

    きっと、あげられなかったひとつの星は、自分が変わってしまったに対する追悼だと思う。

  • 解説のよしもとばなな氏の××の部分を予想しちゃいます。
    やっぱりオレンジの表紙いいですね。スカイ・クロラの青い表紙の方も買っちゃいました。

  • 大好きな1冊を再読。
    前回読んだときより胸を打たれたのは、自分が臨月だからだろうか。
    とりあえずティーチャかっこいい~

  • スカイクロラシリーズ二作目。時系列が前作よりも前のようで、僕と名乗る人物が前作と違います。この小説的なトリックに最初戸惑いました。前作と変わらず戦争を扱っているのに読み口が爽やかです。また、「僕」の考える人間像が極端であると感じるのに共感が持ててしまいます。戦争に向かう子供であるキルドレについても少し情報がでて来ました、次作でもっとその辺りの設定を詳しく知りたいです。

  • 架空の世界が舞台の戦闘機乗りのお話。何のために戦っているのか、誰と戦っているのか、など情報が少ない。でも、飛行での戦闘シーンや、地上での会話のシーンから読み手それぞれで世界が想像できると思う。自分がイメージしたのは、灰色や濃い緑色や茶色っぽい感じの少し暗い汚された世界でした。

  • スカイクロラを買いに行ったけど、なかったのでとりあえずこちらを購入したところ、時系列だとこれが一作目と知り、読み始めることに。

  • 戦闘機同士の空戦を描いた作品
    戦闘が、詩的でリズミカルに描かれている。まるで言葉のダンスみたい。

  • 物語の途中まで主人公である「僕」の名前が出てこなくて、もしやと思ったところでやっと名前がでてきてすっきり。個人的にはスカイクロラを先に読んでいる方が謎が解けていく感覚が味わえて楽しめると思った。

  • 「スカイ・クロラ」シリーズ第2作で、年代順で行くと第1作にあたる作品。「スカイ・クロラ」で指揮官だったクサナギがパイロット時代が描かれます。永遠に子どもである「僕」と大人の「彼」の物語。登場人物それぞれがなんらかのいらだちを抱えながら、戦争という日常を生きていきます。戦争が舞台であるのにとても静謐な作品に仕上がっており、そのために超リアルな戦闘シーンが際立ちます。
    解説:よしもとばなな

  • 「静かな」印象を受ける物語。まるで、森の中を淡々と歩いているような。

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著者プロフィール

森 博嗣(もり ひろし)
1957年、愛知県生まれ。作家、元研究者。名古屋大学工学部建築学科、同大学大学院修士課程修了を経て、三重大学工学部助手、名古屋大学助教授。名古屋大学で工学博士を取得し、2005年退職。学会で数々の受賞歴がある。
作家として、1996年に『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞し、同作で作家デビュー。S&Mシリーズとして代表作の一つに。『スカイ・クロラ』シリーズは本人も認める代表作で、2008年アニメ映画化された。その他にも非常に多くの著作がある。

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