日本の歴史 16 改版 (中公文庫 S 2-16)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (559ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122046191

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  • 元禄時代について、当時の政治情勢や、有名な赤穂浪士討ち入りについても書かれているが、最も興味を持ったのは元禄文化についてのくだりである。

    歌舞伎にせよ、人形浄瑠璃にせよ、現在のものの基礎が固まったのがこの時代であり、それだけ高度な文化であったことが垣間見える。



  • 中公文庫 児玉幸多 日本の歴史 16 「元禄時代」四代将軍家綱から五代将軍綱吉の時代の事件、事故、風俗を集めた本。


    元禄時代は、天下泰平のイメージしかないが、前半は 思ってた以上に混沌としている。武断政治が文治政治に転換するなか、武士が没落、無法化し、町人文化や商業経済が栄えていく展開。新吉原が武士没落と共に衰退していく姿は意外だった


    松尾芭蕉、近松門左衛門、忠臣蔵など 元禄時代の代表テーマだけでなく、由比正雪の乱、大火事と幕府財政の窮乏、江戸の事件裁判システム、商業都市としての大坂など 面白いテーマが多かった
























  • 由井正雪の乱、明暦の大火、旗本奴と町奴、江戸八百八町、夜の世界・新吉原、殉死の禁、東廻りと西廻り、天下の台所・大坂、犬公方、湯島の聖堂と貞享暦、忠臣蔵、窮乏する財政、元禄模様、絵の世界と侘の境地、一代男と曾根崎心中

    本書によれば、江戸時代の民衆娯楽の双壁は浄瑠璃と歌舞伎で、初めは浄瑠璃が優勢、元禄期(1688~1704)には両者が並んで完成の域に達し、その後また浄瑠璃が優勢となり歌舞伎を圧倒、宝暦・明和(1751~72)頃から歌舞伎が優勢におもむく傾向。
    都市民にはともに生活と切り離せないほどの親しみ楽しみで結ばれていた。
    顔見世(歌舞伎で年に1回、役者交代のあと新規の顔ぶれで行う最初の興行)の役者、外題(タイトル)、当たり役、あるいは浄瑠璃の太夫(語り手)、人形つかい、すべてが日常会話の話題になるものだった。
    こうした広い民衆の娯楽となりうる芸能が生まれた事が、元禄時代の一つの特色だった。

  • 江戸幕府の組織が確立し、安泰な家綱・綱吉の時代がつづくなかで、由比正雪の乱、赤穂浪士の討ち入りが人々の耳目をひく。町人は華やかな元禄風俗を生み出し、西鶴・近松・芭蕉らが輩出するが、一方では身分制や封建道徳がしだいに固まり、独裁政治の弊害は深まる。

  • 戦争や政変ばかり教え込まれた学校教育の歴史。文化や庶民の生活については自分で仕入れた知識しかない。戦国の世に栄えた様々な職業が元禄の時代までにどのような栄枯盛衰をたどったかをいつの日か調べてみたい。例えば、石垣造りに長けた職人はどういう職種に活路を求めたのか?

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著者プロフィール

1909年生まれ。
1932年、東京帝国大学文学部国史学科卒業。学習院大学長、江戸東京博物館館長などを歴任。文学博士。2007年 没。
【主な編著書】近世農村社会の研究 近世宿駅制度の研究 佐倉惣五郎 近世農民生活史 日本交通史

「2023年 『日本史年表・地図(2023年版)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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