- Amazon.co.jp ・本 (581ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122046450
感想・レビュー・書評
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【読書レビュー 581】
小西四郎(解説・保谷徹)『日本の歴史19ー開国と攘夷』中公文庫、2006年
東アジアに警鐘は鳴る、押しつけられた和親条約、貿易を迫るハリス、井伊直弼の登場、安政の大獄と桜田門外の変、サムライ海を渡る、異国人との商売、皇妹和宮と公武合体、尊王攘夷の旗のもとに、将軍攘夷を誓う、外国と戦ってみれば、八・一八クーデター、新撰組まかり通る、第一次長州征伐と倒幕派の成長、薩長同盟とイギリスへの接近、第二次長州征伐とフランスに頼る幕府、将軍徳川慶喜、討幕か大政奉還か
1853年のペリー来航から1867年の王政復古のクーデターまでわずか15年、江戸幕府の支配があっというまに崩壊した。
と言うか、外圧の起点を1853年とする事はそもそも正確ではないだろう。
原因の一つは外国勢力との接触だが、主たる原因は国内情勢だった。
幕末史は「接夷」「開国」をめぐって動いた志士たちや、一部の大名・公卿などにより進められたように表面上は見えるが、それを支えたものとの関連のもとに捉えられなければならないのだろう。
ともあれ、明治維新の前半期ともいうべき幕末史は、日本が近代的統一国家として誕生する陣痛期だった。
それは世界史との深い関連のもとに行われた。
だからこそ、そこには激動・動乱が見られ、多くの人々が日本の前途のためにその生命をかけた。
そのような人々の姿、そしてまた歴史全体の動きが今日の我々の生活に多くの示唆を与え、歴史は国民のすべてによりつくられる事を物語っている。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
中公文庫
小西四郎
日本の歴史 19 「開国と攘夷」
黒船来航から 王政復古クーデターまでの幕末政治史。15年の短期間に倒幕と開国が起き、日本の姿が大きく変わっていることがわかる。日本が近代化により世界資本主義システムに組み込まれている
倒幕と開国に至る国内再編の流れは、列強の外圧により、志士たちの尊王攘夷が生まれ、倒幕に至るが、外国との戦争により 尊王攘夷も崩壊し、開国したというものであるが
著者が繰り返し伝えているのは、民衆エネルギーの重要性。倒幕と開国の実行者を支えた民衆エネルギーにもスポットをあてている
結びの章は見事だと思う。結びの言葉「歴史は国民のすべてによってつくられる」に納得する一冊だった
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読み終わって、一番驚いたのはペリー来航から王政復古の大号令までがわずか15年だった事だな。
それだけ日本史に与えた影響が大きい事を物語っていると思ったよ。
そして、歴史の授業では幕府側の事はほとんど書かれていないから、幕府側も色々と実行していた事を知れたのは幸いだったと思う。
それにしても国内問題を解決する為に外交で妥協している辺りに幕府の追い詰められ具合を示していると思うよ。意外だったのは初期の『尊王攘夷』が倒幕を考えていないかったという事だな。 -
幕末~明治史を勉強したくて読んだ。
本当に幕末関係は教科書くらいしか読んだことがなかったので、読み物としても面白かった。
分量は多いが、分からないところもなく読みやすかった。(毎日20ページくらい通勤途中に読んでいたら読み終わるのに1ヶ月くらい掛かった)