帰郷: 刑事・鳴沢了 (中公文庫 と 25-5)

著者 :
  • 中央公論新社
3.45
  • (32)
  • (86)
  • (134)
  • (21)
  • (3)
本棚登録 : 973
感想 : 64
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122046511

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 鳴沢了シリーズ5作目。シリーズが進むに連れて安定感を増してきた印象。今回は特に時間や捜査権限の制約、限定された登場人物の中で、よくここまで納得感の高い刑事小説に仕立て上げたなと感心した。本作を読む事で、本シリーズは鳴沢了という一人の男の成長の物語なんだという事も強く実感出来た。

  • お久しぶりです鳴沢さん。五作目。やっと鳴沢さんとお父さんの距離が近づいた。きっとどちらかがもう少し早く素直になってて、どちらかがもう少し相手のことを考えていれば、お父さんが亡くなる前に、分かり合えてたのかも知れないなあ。でもこういう親子関係が、鳴沢さんらしいと思う。お父さんが亡くなってから、そのお父さんのことを知るっていう感じ。いつかお父さんから見た鳴沢了っていうのも読んでみたいなあ。二人とも、本当に不器用で素直になれないところは、そっくりなんだな。あと鳴沢さんのために車を残しておくってところ、すごい好き。海君が登場したのは嬉しかったなあ。前より刑事らしくなってたし、鳴沢さんのこと慕ってるし。なんかこの関係いいなあと思った。緑川さんもいいね。鳴沢さん大好きなわたしとしては、これを機に優美と別れちゃえばいいのになあ…と密かに思っているわけです。うん。まあそこは今後の展開に期待するとして、やっぱり今回も鳴沢さんはクールでストイックでかっこいい。だんだん少しずつあったかさが増していくね。

  • 鳴沢了シリーズ第5弾。
    前作で父親がなくなり、葬儀のために故郷・新潟で起こった1週間の物語。
    本格的な刑事・鳴沢了を求めるとしたら、ちょっと物足りない感じ。
    このシリーズも中盤の折り返し。

  • 時効になった事件の謎を解く。前半はなかなか進まなかったが、後半は一気に読了。ただ、結論は比較的早くに想像できた。

  • 一気に読む。

  • 悲しきメンヘラの自殺祭りに、男たちの嫉妬や負の感情を盛り込んだ鬱々とした作品だったけど

    一巻の新人君の成長した姿や、鳴沢さんが長年確執のあった父親をやっと理解し、精神的に成長して勇樹の「父親」になったりと光の部分もあった

    羽鳥の優しさは結局のところ中途半端だったのだろう
    中途半端に関わって、中途半端に優しくするくらいなら本人を現実に向き合わせたほうがよかったのかもしれない
    庇いたくなる気持ちも大いに理解できるけど、正解ではなかった
    一人で真実抱え込んで中途半端に支援するより、警察に真実を明かして、外部の人にも鷹取の処遇や精神的なケアなどを託すべきだった
    遺された彼は今後、選択に後悔するのか、自分の間違いにも気づかないのか。。

    また、鳴沢さんのお父さんが真実に踏み込めてたならどうなってたのか。。
    鷹取の性根も境遇も多少は救いのあるものだったのか
    でもこのお父さん、大事なところで「甘い」からなぁ
    祖父の件もそうだけど

    内容のせいで鬱々とした読後感はあるけど、読み応えのある素晴らしい作品だった!

  • 刑事 鳴沢了シリーズ 第5作目

    父の葬儀のために帰郷した鳴沢刑事は、父が唯一解決できず時効になった殺人事件の遺族から事件を解決して欲しいと頼まれる。

    他県で捜査権もない鳴沢が父への挑戦か、自分の刑事魂に逆らえないのか、短い期間で事件関係者に情報を聞き出していくと、意外な犯人像が浮かび上がってくる。

    父も同じ考えをしていたが、犯人の意外性から突き詰められなかった無念さを、父嫌いの鳴沢が解決し、同時に父の人間性にも気付いていく。

    このシリーズでは鳴沢刑事が父に寄せる思いの懐柔が見て取れ、また一つ成長がうかがえる。

    ただ、いろいろ伏線があるわりには、殺しの動機、背景がやや弱いかなと感じましたが、充分次回作を期待してしまう出来上がりでした

  • 話があるんですー父の葬儀の翌日、一人の若者が訪ねてきた。新潟県警鬼の一課長と呼ばれた父にとって唯一の未解決案件を再捜査しろというのだ。奇しくも時効は葬儀の当日であった。遺品の備忘録に綴られる捜査への飽くなき執念、不審な元同僚、犯人と名指しされた男、そして謎の記号ー父が遺した事件を追って雪の新潟を鳴沢、疾る。

  • シリーズ5冊目。前回で、やっと鳴沢との雪解けを思わせた父が亡くなり、葬式の為、新潟へ帰省したことから話は始まる。父の唯一、迷宮入りとなった事件に巻き込まれた鳴沢。途中でなんとなく犯人が分かるが、今作はなんといっても、鳴沢が事件を追うにあたり、これまでの父との関係で新たな発見をするところがとても印象的でした。成長して頼もしくなった海くんの再登場も嬉しいです。さて、鳴沢がラストで思いついた計画とは?

  • ※アマゾンより引用

    ■内容
    話があるんです―父の葬儀の翌日、一人の若者が訪ねてきた。新潟県警鬼の一課長と呼ばれた父にとって唯一の未解決案件を再捜査しろというのだ。
    奇しくも時効は葬儀の当日であった。
    遺品の備忘録に綴られる捜査への飽くなき執念、不審な元同僚、犯人と名指しされた男、そして謎の記号―父が遺した事件を追って雪の新潟を鳴沢、疾る。

全64件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

堂場瞬一(どうば しゅんいち)
1963年茨城県生まれ。2000年、『8年』で第13回小説すばる新人賞受賞。警察小説、スポーツ小説など多彩なジャンルで意欲的に作品を発表し続けている。著書に「刑事・鳴沢了」「警視庁失踪課・高城賢吾」「警視庁追跡捜査係」「アナザーフェイス」「刑事の挑戦・一之瀬拓真」「捜査一課・澤村慶司」「ラストライン」「警視庁犯罪被害者支援課」などのシリーズ作品のほか、『八月からの手紙』『傷』『誤断』『黄金の時』『Killers』『社長室の冬』『バビロンの秘文字』(上・下)『犬の報酬』『絶望の歌を唄え』『砂の家』『ネタ元』『動乱の刑事』『宴の前』『帰還』『凍結捜査』『決断の刻』『チーム3』『空の声』『ダブル・トライ』など多数。

「2023年 『ラットトラップ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

堂場瞬一の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
東野 圭吾
東野 圭吾
東野 圭吾
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×