星の王子さまの世界 (中公文庫 つ 1-2)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (217ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122046818

感想・レビュー・書評

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  • すばらしい.読み解き,というものが何なのかよくわかる.高校時代,同じようなことを国語でやった記憶がある.

  • ナチズムやファシズムを芽のうちに抜き取っておくべきだったと考えていた。
    子供を価値ある存在に育てあげるためには、厳しい精神の教育が必要であると考えていた。
    大人たちだってかつては子供だった。
    孤立を恐れない我慢強いサンテグジュペリだったが、愛する人たちなしの孤独の中で生きていく自信はとてもなかった。
    弱肉強食、とくにヘビがおとなしい動物を生きたまま飲み込む有様はこのうえなく残酷である。
    心で見なくちゃ、ものごとは良く見えない。目ではなにも見えないよ。心で探さないとね。
    読書で能率や効率を考えるのは間違っている。
    世界は問いかけられることによってはじめて自分を開く。読書においても同じである、人は自分が問いかけただけのものを書物から受け取る。

  • なるほど、そういう読み方もあるのだなと思った。
    ただ、できれば、もう少し論拠を示してくれた方が納得できる。
    あと、エピローグの部分はいらなかったかも・・・

  • 『星の王子さま』は「童心」について書かれたものであり、厚顔な錯覚にすぎなくても「童心」が残っていると思うことで誰でも著者を自分の味方にすることができる。ほかならぬ当人が告発されているにもかかわらず。


    冒頭からこのような強烈な皮肉を浴びせてくる。なぜ皮肉なのか。『星の王子さま』を読んだ人の多くは「童心」について書かれたものだと思うからだ。

    しかし塚崎氏はそのような読み方を作品そっちのけの読みだという。作品のなかで何度も批判している。


    塚崎氏は当時の社会状況、つまり第二次世界大戦に注目する。するとこの物語の印象は大きく変わる。ボア、バオバブ、薔薇のトゲなどにはちゃんと意味があると考える。


    私が深く考えずに読み進めたところにこんな深い意味があったのかと、とても感動した。もちろんサンテグジュペリが何を考えていたのかは知るよしもない。しかし豊富な資料から考えぬかれた意見は鋭くて説得力もある。また塚崎氏の読書論も興味深い。

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