黒い本 (中公文庫)

制作 : Lawrence Durrell  河野 一郎 
  • 中央公論新社
2.94
  • (2)
  • (2)
  • (10)
  • (1)
  • (3)
本棚登録 : 78
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122048621

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • うーん、難しかった。というか、読むのにものすごく集中力が必要でした。気を抜くと何を読んでるのかわからなくなる。かといって集中してても何読んでるのか実はよくわからない(苦笑)一般的な小説にある物語らしきものはほとんどないので、逆に言えばどの部分を拾い読みしても、あるいは飛ばし読みしても、別に問題はないかもしれない。だってもともと連続性があまりないのだもの。

    そもそも語り手の「ぼく」が何者なのか、呼びかけられてる「おまえ」が誰なのかもよくわからず、唐突に出てくる登場人物との関係性も断片的なエピソードから読み取るしかなく、最初はもしかして多重人格者の妄想ではないかと思った。レジナホテルの住人も、グレゴリーの残した手記とやらも、全部「ぼく」の内面のことではないのかと。

    飛躍する思考回路、難解な比喩。「イメージの嘔吐」という言葉が文中にありましたが、まさにこの作品自体がそんな感じ。しかしだからといって、わからない=面白くない、ではなく、没頭するとそのイメージの奔流自体はとても面白いし、まあ一種のシュールレアリズムですよね。意味わからんなくても気になるし、好きか嫌いかと言われればそれが好きだったりする。何年か寝かしてみて、再読する元気があれば読み返してみたい。

  • インド生まれのアイルランド系イギリス人。後年フランスにて生活。こういう人の「凧の糸が切れたまま」あてどもなくさまよってる感ね、溜まらんのよね。

    レジナホテルという場所に滞在する若者達。何をするんでもなく、だらけてる。



    けだるい、いんうつ、どんより。
    一度バスツアーかなんかの事故で死んで、成仏しないまま、たむろってる感じね。「だって俺ら死んでるしさ(いじいじ)。」「え、お前、生きてる時そんなに良かった?」「いや。。。」「だろー?」

    なんかそーいう、空気読めない正しいこと言う人、つかれんねー。

  • これは小説ではない。クソ長い散文詩だ(ヘンリー・ミラーの言うとおり)。

    アレクサンドリアが素晴らしかったのでこちらも読んでみた。確かにあの作品のプロトタイプ的なところがあるのは分かる。だがアレクサンドリアさえ「読みづらいなあ」と思っていたのに、こちらの取っ付きにくさと来た日にはその比でない。

    アレクサンドリアはちゃんとストーリーがあった。例えれば、生の風味はあるもののドレッシングがかかっていたり表面を炙ったりと、食べられるように料理はなされていた。この『黒い本』は食材そのまま生で食えと言われたみたい。しかも生肉。ちょっとツライ。


    翻訳の良し悪しは判断しがたいが、チェスのビショップを(僧正の意味合いと掛けていると思える箇所なのに)「角行」と訳していたあたりは、やや訳語の選択に不安を覚えた。

  • 『チョーサーよ、シェイクスピアよ、くたばるがいい!この本によって宣言された、先駆的宇宙に栄光あれ!』byヘンリーミラー

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

1912~1990。イギリス系植民者の息子としてインドに生まれ、イギリスで育つ。小説『黒い本』『アレクサンドリア四重奏』『アヴィニョン五重奏』、紀行『苦いレモン』、詩集『私だけの国』他。

「2014年 『アヴィニョン五重奏V クインクス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

黒い本 (中公文庫)のその他の作品

黒い本 (中公文庫 C 10) 文庫 黒い本 (中公文庫 C 10) ロレンス・ダレル

ロレンス・ダレルの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ヘルマン ヘッセ
ジョルジュ バタ...
イタロ カルヴィ...
ドストエフスキー
リチャード ブロ...
J.L. ボルヘ...
ジャン ジュネ
安部 公房
ガブリエル ガル...
梶井 基次郎
ジョルジュ・バタ...
J.K. ユイス...
安部 公房
有効な右矢印 無効な右矢印

黒い本 (中公文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする