中国美人伝 (中公文庫)

著者 :
  • 中央公論新社
3.75
  • (4)
  • (10)
  • (10)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 56
レビュー : 14
  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122048829

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 中国の歴史上、伝説的な美女七人を取り上げた小説集。
    取り上げられたのは、西施、卓文君、王昭君、皇后羊献容、薛濤、萬貴妃、董妃の七人。
    有名な美女というと、楊貴妃や西太后が思い浮かぶけれど、そこは外してのこのラインアップ。
    私なんぞは、辛うじて西施と王昭君を知っていたくらい。

    しかし、面白かった。
    いや、正直に言えば、目まぐるしい王朝交代や、皇帝の代替わりなど、中国史に疎い身にはつらい部分があったが。
    それでも彼女たちの波乱万丈な生涯には、思わず引き込まれる。

    西施や王昭君のように、過酷ともいえる役割を引き受け、全うした潔い生き方があれば、権謀術数に明け暮れながらも独自の美意識から景徳鎮の磁器を洗練させた萬貴妃も面白い。
    実家の没落により詩妓となり、横暴な主人韋城武に抱えられるも、そこから逃れ、その正妻玉笙と愛を育み、彼女の死後は紙漉きでも力を尽くした薛濤には、思わず応援したくなってしまう。
    七人の女性たちのたたずまいが想像できるかのようだった。

  • 日本人によく知られている「西施」と「王昭君」を含め7人の女性達の生涯が書かれています。
    数年前に中国の荊州を訪れた時、王昭君の像があり「王昭君はここから遠い匈奴へ行く事になっていしまい、可哀想に…。」と思いなから像を眺めていましたが、この著書を読み「王昭君は(私が考えている程)悲劇の女性ではないのかもしれないと考え方が変わりました。また西施も美しいだけでなく、なかなかの切れ者だという事が分かり勝手に思い描いていたかよわい西施が崩れました。
    陳舜臣氏の本を初めて読みましたが、短編集になっているせいかもしれませんが非常に読みうやすい一冊でした。

  • 「妖のある話」と同じ人物の短編小説

  •  陳舜臣氏が集めた中国の美人とはいったい誰と誰か?本書では全部で7人を取り上げている。
    1.西施(春秋)
    2.卓文君(漢)
    3.王昭君(漢)
    4.皇后羊献容(西晋)
    5.薛濤(唐)
    6.萬貴妃(明)
    7.董妃(清)
    の7人である。
     この中にかの楊貴妃が入っていないが、著者はあとがきの中でその理由を述べている。つまり楊貴妃については若い頃に一度詳しく書いて発表しているから、あらためて書く気にならなかったらしい。

     著者の陳氏は物語るときによく歴史的事実に基づいて解説を挟む。読者の中にはそれがうっとうしいという向きもあるようだが、私にはそうは感じられない。適宜、適切な解説が加えられることによって、その物語の理解も深まるというものだ。
    特に本作のような短篇集では、あまり詳細でもない解説が話の流れを知る上で欠かせない。やはり歴史小説である以上、前後関係を知らないと面白みがないと思うのだ。

  • 中国史において、女性について書かれた史料は少ない。
    それは孔子が女性の地位を低くするようなことを言ったから(孔子はそのつもりはなかったかもしれないけど結果的にそう受け止められている)だそうだけど、とにかく女性は名前すら記録されないことも多々あった。

    そんな少ない史料で、メジャー・マイナー区別なく陳氏が選りすぐった「美女」にまつわる短編集。
    当人だけのことじゃなくて、当時の国の背景・王朝の様子・関係者の人物像・陳氏の歴史推察なども書かれている。

  • 妖のある話、とだいたい同じ感想。
    破壊の女神、妖のある話、中国美人伝を同じ時期に読んで、頭が混乱したのは秘密(登場人物ほぼ同じ。当り前だけど)。

  • 一編ごとに楽しめた短編集でした。
    名前を聞いたことがあるひとも、そうでない人も、著者の手によってその人生や周囲がしっかりと描写されています。時も場所もはなれたその場へと思いを馳せながら読みました。

  • 陳さん著作を続けて読破。
    短編集なので、細切れに読んでも十分楽しめた。

    人名が多すぎて脳内で収集つかなくなるときもあったが
    それでも話のあらすじを掴むには問題なかった。

    その時代によっても違うだろうけど
    昔の中国の美人像って
    どんなのだったか、興味あるなー。

  • 気晴らしに丁度良い。
    けれど、ちゃんと読み応えもあり、ただの軽薄気晴らし本とは雲泥の差。

  • 瓊瑶の還珠格格を思いだす。

全14件中 1 - 10件を表示

中国美人伝 (中公文庫)のその他の作品

中国美人伝の詳細を見る 単行本 中国美人伝 陳舜臣

陳舜臣の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
酒見 賢一
冲方 丁
有効な右矢印 無効な右矢印
ツイートする