- Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122049246
感想・レビュー・書評
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一応大学生ではあるものの、家でほぼ寝たきりの元塗装工の祖父と、末期癌で入院中の父親の両方の面倒を見ながら、夜はアダルトビデオ専門のレンタル店でアルバイトをしている柊一。淡々と過ごす日々の中、向かいの家の鈴木ハツを通し、昔祖父が手掛けた緒川家の塀の塗り直しをやってくれないかと頼まれる。その家の向かいは近所でも有名なゴミ屋敷だった。
本当にこの男は大学生なのか?と思うほど、達観しているというか、すでに諦めの境地なのか、祖父や父親の介護を本当に淡々と、文句も言わずに完璧にこなす柊一。読んでいる間中、その姿の内側に何か暗いものを溜め込んでいる印象をずっと抱いていたのだが、物語後半の行動で「あぁ、やっぱり」と妙に納得してしまった。この話は犯人探しの物語ではないので、この後柊一がどうなったかはわからない。誰か、彼の内面を救ってくれる人は現れるんだろうか。 -
樋口有介の作品でこれが一番好き
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久し振りに面白い小説に出会えた。
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再読。
癌で入院中の父親と寝たきりの祖父、二人の介護とアルバイトで日々をすごす大学生の柊一。
淡々となんでもないように家事・介護をこなす柊一、樋口氏の中では異色作。 -
末期癌の父と,寝たきりの祖父を介護しながら暮らす青年の話。
ひねくれたような達観したかのような,オッサンくさい主人公は魅力的だったが,事件がなかなか起こらず,終わり方も中途半端で,今まで読んだ樋口有介作品ほどには楽しめなかった。 -
何と無く理解は出来る気がするが主人公の感情の無さが気色悪いし気分が悪かった。 警察側からの小説やと穴だらけの犯行に感じる。穴が無くても色んな接点で怪しまれる気がするので余計な事をし過ぎちゃうかなぁ?人生を捨てたって事かなぁ?自分の読解力では分からん。