フラッタ・リンツ・ライフ (中公文庫 も 25-5)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 3129
感想 : 179
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  • Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122049369

感想・レビュー・書評

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  • 視点がまた変わった。また別の人物の視点から物語が進んでいった。段々と色んな人物の関わり合いの中から物語の世界観が見えてくる。夢中になって読んだ。

  • クリタの視点で語られる、シリーズ4作目。

    キルドレとは?更なる謎が提示された気がする。

    切なさが込み上げてきた。

  • 『フラッタ・リンツ・ライフ』読了。
    今回は約10年ぶりの再読。主人公は栗田。キルドレの秘密が少しずつ明らかになっていく過程で栗田が上司である草薙に対する感情が不安定でありながらも拠所みたい存在になっていた。ラストの不時着のシーンで草薙を想いながらまだ死ねないと思う栗田。カッコいい。『ダウン・ツ・ヘヴン』までは草薙がティーチャと一戦を交わりたい一心で飛ぶことを切に願うヘヴィーな展開だったけど。今回は割に淡白で。だけどキルドレたちは空に対する執着は同じでも誰かの存在を拠所にして不安定な心の持ちを保とうとする人間っぽい一面がいいんだよね…永遠の子どもだもんな。

    2019.1.29(2回目)

  • 読みはじめて最初に感じたのは、「えっ?!草薙じゃないじゃん!」という驚き。
    一冊目のスカイ・クロラでは、確かに函南が主人公だったのだけれど、いつの間にか私の中では草薙こそがこの話の主人公になっていた。

    4冊目の主人公は栗田。1冊目で意味ありげに描かれていたジンロウだった。
    彼は、私の思い描いていたイメージとはまったく異なる人物だった。
    不思議に純粋な気持ちで草薙を想う栗田。
    彼の心の中で最も重要な位置を占めるのは草薙で。しかし、その気持ちは、恋愛なようで、恋愛とはまったく違うようで。

    この話は、客観的に見た草薙水素の話。
    おそろしいほどの存在感で、草薙は栗田の心に影響を与える。
    栗田から見た草薙は、函南の見る彼女より少しだけ柔らかい。

    キルドレについて想像する要素が、ようやくほぼ出揃った気がする。
    次巻の語り手がまたすごく気になる展開だった。

  • 空と宿舎と格納庫・・・そして時々妖艶な場所。
    それだけの空間。
    だけどやっぱり引き込まれた。

    作者は飛行の様子を嬉々として描いている・・・
    だけどそこに悲しい戦いの場を付け加えて自分を抑えている。

    乾いているのに空はやっぱり水色。

  • 独特な世界観。日本なのか、いつの時代なのか、名前は日本人の名前なので日本と思われるが、あまり関係ないのだろう。架空の世界のようだ。

  • 再読。何故かはわからないがこの「スカイ・クロラ」シリーズを読み終わると清々しい気持ちになる。それはキルドレの生き方があまりにもシャープで無駄がないからだろうか。そんな生き方が羨ましく感じるとともに何かしらの寂しさも感じる、もしくは虚しさか。今作はクリタを通してのクサナギが語られている。そのクサナギの抱える悲哀はきっと私などでは一生わからないのだろうと痛切に思った。

  • いつもながらフワッとした小説

  • スカイクロラに名前だけ出てきたクリタが主人公。
    彼ら「キルドレ」の謎に少しずつ触れてきました。この本はこの世界観の中での群像劇で、世界と対峙するのではなくて、既成事実としてそこにあるものの中でもがく姿(にしてはクールですが)を描いているのでありんすね。もう何冊もありませんがどうなっていくのやら。

  • キルドレを取り巻く環境が、少しずつ変わっていく。ここにきてストーリーが大きく動いたかな、という印象。


    クサナギへの思いと。
    クサナギをとりまく環境と。
    なにがあっても、
    空へ戻っていきたい気持ち。
    どんどん切なくなる。
    あーーー切ない。


    ----またいつか、空で。

著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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