世界の歴史 16 (中公文庫 S 22-16)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 96
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (491ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122049680

作品紹介・あらすじ

地中海から大西洋をこえてインド洋や太平洋へ-各国が繁栄と発展をもとめて世界の海をかけめぐり、光と影が複雑に交錯する。ルネサンスと大航海、ヨーロッパに燦然と輝いた時代を彩る多様な人物と華やかな歴史を活写する。

感想・レビュー・書評

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  • NDC209

  • ルネサンス イタリア中心に
    人物と分けてあり良い

    難易度 やや難
    感動☆☆☆☆☆
    涙線☆☆☆☆☆
    興奮☆☆☆☆☆
    感心★★☆☆☆
    伏線☆☆☆☆☆

  • 描かれているのは等身大のルネサンスだ。限界もあるし、西欧だけがその成果を独占しているわけでもない。ましてや西欧だけがギリシア・ローマの古典の継承者であるということもない。また、歴史は単純でもない。オスマンの台頭、大西洋への道、それらのために直ちに地中海が、そしてイタリアが寂れたというわけではない。時代を代表する著名人たちの小さな伝記も単なる偉業の紹介ではない。人間臭い。本書には著者のルネサンスの実像を見極めようとする思い入れが感じられる。歴史学に根ざした冷静な情熱だ。

  • KK1d

  • 地中海から大西洋をこえてインド洋や太平洋へー各国が繁栄と発展をもとめて世界の海をかけめぐり、光と影が複雑に交錯する。ルネサンスと大航海、ヨーロッパに燦然と輝いた時代を彩る多様な人物と華やかな歴史を活写する。

  • 2014.2.23
    おもしろいが、難しい。
    フィレンツェやヴェネチアについて調べるのによい。
    大航海が始まったからと言って地中海が廃れたわけではない。

  • 著者ごとに癖がある「世界の歴史」16巻目。ルネサンスを文化的な側面だけでなく、地中海から概観し、前後の歴史(西欧のいわゆる「大航海時代」へも言及)も踏まえた比較的広い射程を持つ[p37「ルネサンスを、地中海世界という巨大な舞台でのドラマの一幕と考えよう」、p66-67]。そもそも「ルネサンス」ということばは、一旦はバロックの台頭などで忘れられた一時期を[p431「ながい忘却の淵にしずむ」「まるで古代の文明が中世の千年のあいだ埋もれていたように」]ミシュレやブルクハルトが近代に提案して再発掘し[p23など]、西欧的なある種の偏りがある概念、歴史の出来事の捉え方である。世界規模でみれば、それ以前に中国やイスラーム社会などではすでにあった技術(羅針盤など)に遅れて到達したとみることもできる[p450の宮崎市定など]。しかしそれでも、「ルネサンス」とよばれる一時期が重要で魅力的であることに変わりはない。地中海からみて、東はオスマン帝国のある程度の圧力(これは西欧の妄想かもしれない[p303 レパントの海戦の敗北はオスマン帝国には痛くも痒くもない→イスラーム勢力がトゥール・ポワティエで破れた感じと似ている。西欧地域は食も貧弱だし[p388]、内向的で陰気で根深い人種(文字記録を残すことなど)だし、そこまで魅力はないのかもしれない])と、局所的な地中海経済効果によって、富が集中し、パトロンが文化を培うゆとりが生まれた[p268「パトロンは、ルネサンスの華である」]夢のような短い一時期、ルネサンス。そして、地中海は稠密化し、飽和し、入り込む余地がなくなると、ポルトガルをかわきりに、西欧は西に向かって次の時代をいく。

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著者プロフィール

 印刷博物館館長。東京大学名誉教授。専門は、西洋中世史(フランス中世史)、西洋文化史。
 1941年東京都生まれ。1965年東京大学文学部卒業、1968年東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。1969年京都大学人文科学研究所助手。1976年東京大学助教授、1990年東京大学教授、2001年退官。この間、文学部長(1997年4月〜1999年3月)、史学会理事長(1999年6月〜2001年5月)を歴任。2001年国立西洋美術館館長を経て、2005年10月より現職。2005年紫綬褒章受章。
 東京大学在学中は、日本における西洋史学研究について、その文明史的な存在意義を主張して西洋中世史研究の「中興の祖」とされる堀米庸三の下でフランス中世史を学ぶ。12世紀中葉からの北フランスに勃興した大聖堂などの宗教建築様式で知られる「ゴシック」を生み出した中世思想をテーマとして研究者歴を刻む。次第にその後、研究領域を西洋文化史全般へと移行させていったことから、おのずと対象とする時代も拡張されて近世・近代にもおよぶ。風土や町、身体や美術、とりわけ絵画などを題材とすることにより、斬新な視点から西洋史の読み取りに挑戦していく。こうした新しい歴史記述の試みは、その平明な記述とあいまって、研究者だけでなく多くの一般読者にも支持されている。

「2015年 『ヨーロッパ近代文明の曙 描かれたオランダ黄金世紀』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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