コーヒーに憑かれた男たち (中公文庫)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122050105

感想・レビュー・書評

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  • タイトルにある通り、コーヒーに憑かれた、むしろ狂った男たちの半生が書かれた一冊。
    戦後から平成までの時代に喫茶店からエスプレッソのチェーンが台頭する時代に生きて亡くなっていったコーヒー狂のしつこすぎるこだわりや、そのよいコーヒーを世の中に知ってもらいたい想いが、感じられます。

    コーヒー好きにもオススメですが、本当の仕事人が何人も出てきます。そんな仕事人たちを見てみたい人におすすめです。

  • これは本当に「憑かれた」人たちの話だ。日本人は武士道精神なのか、茶道や華道の歴史があるためか、何事にも「XX道」を目指して徹底的にこだわる、そして極める文化がある。
    これが日本の素晴らしさだと思う。
    そしてコーヒーに人生を捧げ、そして極めた(ただし本人たちは道半ばと謙遜する)人たちの話だ。
    その中でも特に興味深いのは生豆を自宅の一室を改造したエイジングルームで10年以上寝かせてから焙煎するランブルの店主。そしてアメリカのコーヒーチェーンの連中に「どうだ!」とばかり飲ませたら「腐っている」とバッサリ言われた逸話。
    私はエイジングしたコーヒーは1回だけ飲んだかもしれない。今思えばあれだ、と思いつく。決して高温ではないお湯でゆっくりと淹れたコーヒーはどろりと香ばしさ甘く、煮詰めたほろにがさだった。
    さて、そんなコーヒーはどうも日本だけの文化のようだ。
    そして最後に登場する標氏。お湯の温度1度と豆の量1グラムにこだわる。「コーヒーの最後は”品格”のあるなしで決まってしまう」の一言。
    日本に芽生えて根ざした特別のコーヒー文化は、スタバを代表とするアメリカのチェーン店が盛況な現在、どこまで絶やさずに残って行くのか注目だ。

  • コーヒー好きは知っておくべき珈琲近代史。しかしめんどくさいおじさんばかり!
    日本独自の珈琲文化は昭和の初めの匂いがするが、この文章もなんだか昭和の初めに書かれたような表現がしばしば出てきて、いつの時代の文庫か、と思ってしまう。
    最後に著者も書いているけど、ブランドや他人のコメントに全く影響されず、自分の絶対味覚で、美味しいかどうかを利きわけることは、とても難しい。本当に美味しいものと、売れるものは違う、ということも、知っておくべきことかな。

  • せっかくのいい題材が 著者の編集力で、
    香り高く コクのある出来ではなかったのが、残念である。
    この著者は 一体いくつなのだろうか。
    現代史についても かなり古いところから 語られているのが
    妙に、アンバランスに見える。

    コーヒーを極める 3人の男たちに つながる人々。
    日本って 不思議な国で 不思議な人たちが生まれるのですね。
    「絶対音感があれば、絶対味感もあるはずだ。」

    カフェドランブル 関口一郎 ドゥミタス 玉露のようなコーヒー。
    竜子あねご。
    オールドコーヒー。エイジングルーム。
    南千住 カフェバッハ (下総屋) 田口護
    吉祥寺 もか 標交紀;映画監督を目指したが。自家焙煎。
    昭和15年2月6日うまれ。
    計量化、数値化。勘を言葉に置き換える作業をする。
    「それは 言葉や数字の裏に隠されている。
    努力次第でそれが徐々に明かされる。
    その隠された部分も精確に言葉で表現しきってみたい。」

    「コーヒーも最後の最後は 品格のあるなしで決まってしまう。」
    「必ず 匂い立つような気品が感じられる。」
    「コーヒーのうまいまずいの決め手は 焙煎。」
    「うまいまずいではなく、良い悪いコーヒーがある。」

    師匠 襟立博保。大阪なんば なんち。説教をする店主。
    明治40年生まれ。転々と喫茶店を開く。
    ダフニ 桜井。
    倉敷珈琲館 畠山良子。

    積み重ね 積み重ねても また積み重ね。

    田口は言う
    ➀よいコーヒーとは「欠点豆」がハンドピックによって取り除かれている。
    ②煎りむらや芯残りのない 適正な焙煎がなされている。
    ③焙煎したての新鮮なもの。

    コーヒーは濾すものであり、煮るものではなし。 辻嘉一。「味覚三昧」

    「人間はだれでも論理的な理性と、それに背反する非論理の感情との対立矛盾があり、意識と無意識の相克があります。多くの人が厳しい修行を志すのも、その調和と統一のためでありましょう。」

    ブリアサヴァラン 美味礼賛
    「どんなものを食べているか言ってみたまえ、君がどんな人であるかを言い当てて見せよう。」

    香りが豊か ボディのしっかりした ガツンと刺激のあるコーヒー。
    豊かな香り 豊かな酸味 豊かなボディ。
    わびさびた風趣を感じさせる渋好みのコーヒー。
    欧米は 香りばかりを説き 日本は味を追求する。
    オールドは甘みがほんのりと出てくる温度帯、すなわち人肌のものをなめるように味わい、言い知れぬ余情まで味わう。

    「年寄りは昔のことを美化したがる。幸福はいつも過去にあるっているおめでたい人生観。」

    辻静雄
    「料理の技術というのは、作る人間の切磋琢磨だけでは絶対にブラッシュアップできない。客にうるさいのがいてこそ、ということは、金持ちがいてこそ技術は飛躍する。」

    「武士の教育において守るべき第1の点は、品性をたつるにあり」武士道。

  • ネルフィルターで珈琲を入れてみよう

  • コーヒーうんちくを求めて買った本ですが、期待に沿う内容でした。
    ブルーマウンテンは、最高級豆ってことになってますが、それは作られたイメージの可能性があって、他にも安くておいしい豆はたくさんあるそうです。
    なにより、新鮮な豆で淹れたコーヒーを飲んでみたいと、切に思わされる本。コーヒー好きな人なら読んでみる価値ありかも。

  • 大阪市立図書館

  • 2-6 味・香り

  • 珈琲好きの自分にとっては最高に面白いノンフィクション。

  • 元々珈琲の飲み過ぎで、一旦胃を壊した経験から、
    珈琲離れをしてたわけですが、この本で、飲み直してみたら、
    段々はまってしまいまいました。

    珈琲もトチ狂った「人」の方向から書かれると、新たな興味が湧きます。

    残念ながら、この本で紹介されているうちのお一人は鬼籍に入ってしまい、
    その方の珈琲を飲むことは出来ませんが、
    そういう「伝説」が残ることも良いことだなあと思います。

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