クレィドゥ・ザ・スカイ (中公文庫 も 25-7)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 2958
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  • Amazon.co.jp ・本 (343ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122050150

作品紹介・あらすじ

今だけがあって、それだけを考えていられたら良いのに。未来だって、せいぜい明日か明後日くらいしかなければ良いのに-「僕」は病院を抜け出し「彼女」の車で地上を逃げる。二度と空には、戦闘機には戻れないと予感しながら。永遠の時を生きる子供たちを描く、現代の寓話「スカイ・クロラ」シリーズ。

感想・レビュー・書評

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  • 大人なのに子供のままの存在。戦闘機に乗りたいのにもう乗れないかもしれない苦悩。記憶をなくした青年。スカイ・クロラシリーズの世界観を堪能できる。

  • そして物語はスカイ・クロラへ…最初は、ん?って感じで、最後は一応「なるほど…」と、わかったようなわからないようなでした^^; 世界観は曖昧で謎だけど内面の葛藤はリアル。まるで子供の目線で世界を見ているようです…短編集も楽しみです

  • 飛行機のシーンの表現がいいと思う

  • 毎度毎度、森さんにはやられてしまいます。

    面白かったぁ。

    毎回意味が分からないまま、戦闘機が飛ぶシーンには興奮させられました。

  • シリーズを通して読んだ後にもう一度読みたい。

  • この空気感はこのシリーズ作品でしか味わえない。
    空を飛んだことはないけれど、空を舞う爽快感、青の美しさに惹かれる「僕」のことも、強いリアリティが感じられる。

    最後の方に押井守の解説があるが、子供と大人、自由についての話が端的にこの作品達の根幹にある何かをきれいにいってくれている。
    個人的には、文筆家の内田樹がかつて言っていた「大人」のロールモデルがうまく形成されなかった現代に生きる人たちの問題意識に通ずるところがある気がする。

  • スカイ・クロラシリーズ4作目。
    (出版順では5作目ですが時系列的には4作目)

    いよいよ次はスカイ・クロラを読もう。
    刊行順に読むのがよいのか、
    時系列で読むのが良いのか、
    やっと確かめられます。

  • 何!ひょっとして、僕というのは…。
    人格の数だけ人間が存在するという可能性に疑問を持ってしまった。加えて、キルドレ特有記憶の混濁ゆえ、小説内現実が比喩や記憶のすり替えであることもあり得る!ということにも。
    それを踏まえてスカイクロラを細部まで読み返すと、まったく異なった話になってきそうだ。

    その前に短篇で、こぼれはなしを拾っておこう。

  • 押井守さんの解説が心に響いた。
    パトレイバーとかうる星やつらの監督なんだ。

    自分以外の誰か、他者との関わりを自分の「自由」を制限し、制約するものと感じるのは「自由」をある種の「状態」と捉えているからであり、その「自由」の内実とは実は単なる「留保」にほかなりません。それは他者との関係を留保し、社会との関わりを留保し、要するに人生そのものを留保することで維持される「状態としての自由」に過ぎない。
    でも自由とはそういった「状態」のことを指すのではなく、本来は「行為」というレベルにおいて語られるべきものだった筈。
    何かから自由であるという状態ではなく、何かを為すための自由。
    自由に選択し、自由に決断し、自由に行動する。
    そのためにこそ、人は大人である、社会的存在である必要があったはずなのです。
    自由に生きるためには、自分の決断や行動に責任を持つ必要があり、自分と関わる他者、家族や恋人や友人を守り、支えていく能力が必要とされます。

  • 再読。本作はスカイ・クロラシリーズの五作目。昔読んだ時はあまり考察などをせずただひたすらにこの世界観だけを読んでいたような気がする。今はこの作品の語り部が誰なのかとかスカイ・クロラシリーズ全体の事を考えてしまうけれど。どれが良いとか悪いとかじゃないけど昔に比べて自分自身が素直じゃなくなったとは感じた。色々と考察はできるんだろうけれどそれよりもこの世界観に存分に浸って酔ってほしい一作。

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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