- Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122050402
感想・レビュー・書評
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2008年8月27日購入。
2009年1月24日読了。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
午後6時10分、横浜にある無認可保育室に二人組の男が押し入り、園長の早紀とともに5人の子どもが人質に取られてしまう。身代金は1人で500万円、期限は夜中の12時。早紀は共謀者の存在に疑心暗鬼になり、人質家族はそれぞれの手段で我が子の救出を試みるが、事態は思わぬ方向に展開していく。
家族の絆を問う緊迫の6時間。 -
本屋でお勧めされてたので、特に読みたいものが無かったため購入。
無認可保育園に二人の男が立てこもり、迎えに来る親に身代金を請求するという新しいパターン。
園長の疑心暗鬼と、子供を人質にとられた親たちの行動や悩みがとてもリアルです。
先が気になってどんどん読むものの、
ちょっと予想通りすぎる部分と、終わりが微妙だったので読後の満足度は低め。。。
もう少し厚くしてもよかったんじゃないでしょうか。 -
働くため、あるいは専業主婦だけれど息抜きに保育所を利用することや、パートナーのスタンスに対する親たちの葛藤が、リアルに描かれていて、それこそが作者の問題提起なのかなと思う。
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認可外保育所での強盗事件を描いたモノ
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ちょっと意表をつく面白さだった。
初めて手にする作家さんの本だったし、何とは無しに書店で手に取った本だっただけに、特に期待して読み始めたわけではないのに、一気に読みきってしまった。
…仕事もほっぽり出して。
ジャンルとしてはミステリなんだと思う。
横浜にある無認可保育園で突如として発声する身代金要求の立て篭もり事件。
富裕層を対象とした保育所に押し入った犯人達の要求は、一人に付き500万円。
子供達と一緒に犯人に拘束される、園長と所員。
そして、それぞれの親達が織り成すそれぞれの「事情」。
一見すると、場面転換もそれほど無く、数時間の間のやり取りだけのお話なんだけれど、とにかくいろんなことが緻密に編みこまれている。
誰もかれもが怪しくて、誰のことも信じなければならない。
あれももしかして伏線だったの?
もしやこれがあそこに繋がるのか?
とにかく読み進めるうちにどんどん深みにはまっていく。
そうかと思うと、よくあるお話では「これは重要」っていうものが、あっさりと切り捨てられて、よい意味で肩透かしを食らわされる。
すごいなぁと思ったのは、事件解決に向けて「○○だからこれが出来るのだった」というようなご都合主義的要素が無いこと。
あれって、お話がしっかりしていればいるほど興醒めするでしょ。
でも、この作品にはそれが無い。
だから、読んでいて「あぁ、なんでそういうことしちゃうのかな!」とか結構ハラハラドキドキイライラする。
涙流すほど感動するとか、読み終わって心に残るとかっていう種類の本ではないんだけれど、ミステリとして、エンタテインメントとしてものすごく面白かった。
残すところ3ヶ月弱の2010年で、暫定1位だな。 -
無認可24時間保育室の「アイリス」に、福祉局の人間を装い2人の男が侵入、そして園長の早紀とその姪である淑恵、そして預けられている子供5人を人質にとった。男たちの要求は、子供5人の親にそれぞれ500万円を持ってこさせること。「アイリス」は高額であるが24時間面倒をみてもらえるということで、利用できるのはある程度お金に余裕がある富裕層だけだったのだ。しかしながら早紀はあることに気付く。この男達はどう考えても中の事情を知りすぎている。誰か職員の中に手引きをした人間がいるのではないか?
犯人や園長が思っている程、「アイリス」に預けられている子供達の親が金銭や時間に余裕があるわけでは決してないのが、5人の子供達の親それぞれの行動でよく描かれている。お金はあるが夫婦仲は冷めきっているもの、夫に内緒で子供を預けてつかのまの自由を味わっているもの、実は片親でギリギリの生活をしているもの・・・。それぞれが、この事件に巻き込まれる前と後でどのように変わったか。犯人の一人がつかまらずじまいだったのはどうかと思ったが、育児の現状や家族のあり方など、うまく絡めながら書かれていてとても楽しめた。園長の生き別れた息子=犯人の一人という筋書きになりかけた時は、ありえない偶然に興ざめか・・・と思ったが、そうではなかったのもよかった。まぁ、最後の園長の行動で淑恵との長年の確執が一気に取り払われたのはうまくいきすぎだろうと思うけど(^^; -
無認可保育園「アイリス」で園児を人質にした立てこもり事件。登場人物にいろいろな葛藤があって、この作者にしてはかなり暗い内容だなぁと思ったが、暗いわりには面白かった。ただ個人的にはこういう暗くい話は好きじゃないんだけど。
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午後六時十分、横浜にある無認可保育室に二人組の男が押し入り、園長の早紀とともに五人の子どもが人質に取られてしまう。身代金は一人五百万円、期限は夜中の十二時。早紀は共謀者の存在に疑心暗鬼になり、人質家族はそれぞれの手段で我が子救出を試みるが、事態は思わぬ方向に展開していく。家族の絆を問う緊迫の六時間。