- Amazon.co.jp ・本 (545ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122050679
感想・レビュー・書評
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奴隷制でこそ利益を上げえたプランテーション経営を主にする諸州の併合=膨張は、奴隷制に反対する北部(早い時期から合衆国であった先進的諸州中心)との対立構造を内包していた。しかし、膨張せざるをえない時代の趨勢があった[p131]。必然的に南北戦争が起こり、北部が勝利して南部をねじ伏せる形で決着する[「軍事的圧力、制圧p214]。その奴隷解放は、クー・クラックス・クランなど破綻の水漏れがすぐに出てくる。
アメリカ社会は、初期は農業が優勢であったが、しだいに圧倒的な工業化を達成。その移り変わりは、奴隷解放を促したのであろうか。また、文化的な側面も、初期のイギリス、欧州依存から、次第に独立していくが、その特徴は国家に神話や古典がないということだった。ヒーローものの伝統は、それらがない人々の拠り所となるように育まれ現在も続く独自性の一つ[p358]。しかしやはり、最大の特徴はときには低俗化とさえいわれるような[※エドガー・アラン・ポーが嘆いたような、p406、※あるいはフランスとは異なる映画のあり方の違いにもあらわれるような、p478]民衆の影響力、熱気のようなものか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
NDC209
「十九世紀、南北戦争後の再建を経て世界第一の工業国に変貌した合衆国。政党政治の成熟、ダイナミックな文化の広がる中、英雄達は大衆の夢を具現した。第一次世界大戦に臨むまでの「アメリカの世紀」を活写する。
目次
第1部 独立革命から「アメリカの世紀」へ(巨大であろうとする新国家;建国初期の嵐を乗り越えるなかで;膨張がもたらした栄光と破綻;内戦の嵐をとおして;世界第一の工業国家へ;「アメリカの世紀」を目指して)
第2部 アメリカ文化の展開(新国家の文化を求めて;アメリカン・ルネサンス;金めっき文化の展開;アメリカ文化時代へ)
著者等紹介
紀平英作[キヒラエイサク]
1946年、東京都に生まれる。京都大学文学部史学科卒業、同大学院文学研究科現代史学専攻修士課程修了。京都大学文学部助教授を経て、京都大学大学院文学研究科教授。京都大学文学博士 -
新書文庫
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19世紀、南北戦争の再建を経て世界第一の工業国に変貌した合衆国。生と政治の成熟、ダイナミックな文化の広がる中、英雄達は大衆の夢を具現した。第一次世界大戦に臨むまでの「アメリカの世紀」を活写する。
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かくしてアメリカは膨張していった。