惜別の海 中 (中公文庫 さ 28-26)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (390ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122050891

感想・レビュー・書評

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  • 千利休の「利休百回記」の存在や豊臣政権の中で置かれた位置などから自分の死期を予測できる病を持っていた。秀吉に卑屈に命乞いをすれば生涯をかけて大成した茶湯がおとしめられるからだ、というのは頷ける感じがした。朝鮮出陣の為に、玄海灘を臨む佐賀県唐津市の東松浦半島に突貫工事で作られた名護屋城。日本全土から百を越す諸大名や諸将が集まり陣所をもうけた凄まじい状況が目に浮かぶ。権勢欲と征明計画という誇大妄想を実行しようとしてる秀吉を止められる人はもう誰もいなかったというのが不幸だ。この混乱に乗じて人買で儲けようと企む以蔵のような人達も実際に沢山いたのだろうと思う。

  • 滋賀などを舞台とした作品です。

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著者プロフィール

1946年愛知県生まれ。愛知県立女子大学(現・愛知県立大学)文学部卒。75年「石女」で第24回小説現代新人賞、82年『陸奥甲冑記』『寂野』で第3回吉川英治文学新人賞を受賞。古代から近世を舞台に、資料を駆使した独自の視点による歴史小説を執筆。

「2017年 『似非遍路 高瀬川女船歌九』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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