相剋 警視庁失踪課・高城賢吾 (中公文庫)

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  • 中央公論新社 (2009年4月23日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (472ページ) / ISBN・EAN: 9784122051386

みんなの感想まとめ

テーマは、失踪事件を通じて描かれる人間関係と捜査の緊迫感です。主人公の高城賢吾が、警視庁失踪課の一員として、同級生の失踪を依頼された際に感じる違和感や、捜査を進める中で彼自身やチームメンバーの過去が少...

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ作品の第1作に出逢って気に入ったとして、既に多数の作品が送り出されているという状況の場合には、即座に次の作品を手にすることが叶うことになる。シリーズ第1作が気に入ったので即座に手にしたシリーズ第2作なのだが、少し夢中になった。
    警視庁の架空の部署に所属して活動する警察官が主要視点人物となり、一人称の語りのように綴られている本作は、探偵が活躍する所謂“ハードボイルド”を想起させる雰囲気も漂う。そういうのもかなり気に入っている。
    主要視点人物となる高城賢吾警部はかなり「訳アリ」な人物だ。その身に降り掛かってしまった事件を乗り越え切れなかったような面が在り、酒浸りのようになってしまい、幾つかの所轄を異動し続けていた経過が在る。現在でも酒は止められず、序にヘビースモーカーである。そして渋谷中央警察署に間借りしている失踪課第三方面分室へ配属された。
    失踪課は、設置当時の都知事の孫であった予備校生が姿を眩ませて程無く遺体で発見されたという事件を踏まえ、失踪者捜索の願いに関する聴取を真摯に行い、必要に応じて捜査を行うということで設置された部署である。が、失踪者については「家出」という状況も多く、結果的に「訴えている失踪者の関係者の話しを聴いた」というアリバイづくりのような、本流を外れた閑職という雰囲気が漂っている部署でもあった。そういうことで、何処か「訳アリ」な者達や、人事の偶然で配置されたというような者が集まっている場所だった。
    本作の物語である。3月下旬の出来事となっている。
    捜査一課の管理官からの協力要請という話しに高城は憤りを禁じ得なかった。傷害致死事件の情報提供をしたいと申し出る者から連絡を受けたが会うことが出来ず、本人を特定して見付け出す情報も殆ど無い中、失踪課で探して欲しいということなのだ。筋違いで、捜査一課のやり方も杜撰だと高城は憤る。
    そういう様子であったが、室長はこの要請を受けると決めた。定年間近の大ベテラン捜査員であるが、心臓を患った経過で失踪課に異動となった「オヤジさん」こと法月と、“玉突き人事”で不本意な形で失踪課に異動している女性捜査員の明神がこの事案を担当することになった。
    高城には別な役目が巡って来た。失踪課第三方面分室を訪ねて来た相談者が在るので対応ということになったのだが、現れたのは新年度から高校に入学するという中学生の少年だ。友人の女子生徒が行方不明なのだという。高城は少年の話しを聴いた。
    少年が言うには、仲の好い仲間で出掛ける約束の日に件の女生徒は姿を見せず、連絡も付かなかったのだが、その連絡が付かない状態が数日続き、誰も姿を見ていないので、警察に相談して捜してもらうべきだという相談になり、仲間を代表して少年が相談に現れたということであった。保護者による捜索願というようなことでもなければ公式の事案ということにもならないのだが、高城は非公式に少し調べるということにした。
    高城は女生徒の母親と電話で話そうとしたが、父親に訊けの一辺倒で話しにならず、会社を経営しているという父親と話してみれば娘が時々家出をしていて、今般もそれであるので何の問題も無いと冷淡であった。相談に訪れた少年以外の友人に会って訪ねれば、女生徒は「学校が始まって以来の」と言われる程に学業成績が優秀で家族仲も悪くない筈で、女生徒は家出をしそうな感じでもないという話しであった。高城は女生徒の件が非常に気になる。
    やがて高城は、元野球選手という少し変わった警察官であり、子育ての都合で住まいに近く通勤し易ければ何でも構わないと失踪課第三方面分室に在る醍醐を相方として女生徒の一件、その父親の会社に纏わる事柄等を調べるのである。
    こうして失踪課の面々が向き合う事態が意外な結び付きを見せ始める。人間関係を丁寧に解き明かし、緊迫する状況や、捜査員達の奮戦という場面も在る。やがてほろ苦い幕引きだ。
    「友人を案じる少年の願いに向き合う、少し風変わりなおじさん」という風で、同時に執念深く関係者に食い下がりながら事態を明らかにする高城の活躍が非常に面白い。本作と共に在った短い時間が非常に充実していた。御薦めである。

  • シリーズ2作目

    消えた中学生
    依頼してきたのも中学生で
    ふわっとしたスタートに
    親の兄弟、父と叔父の派手な兄弟喧嘩と
    設定がなんとも言えない話だった。

    面白くない訳ではないが、兄弟喧嘩がそこまで発展するのか…と飛躍した話だと感じてしまった。

    身内の話で終わってしまい、依頼者である中学生らが置き去りになっているのも気になった。

    失踪課が目立ち邪魔者として扱われていくのと比例して、失踪課が打ち解けていくのが良い

  • 希が親に愛されていて良かった!

    1作目に続き、誰かのために。が理由にになっているのが、本当に切ない。

    今回は組むメンバーが変わって新鮮だったのと、ますます他のメンバーの素性が知りたくなったのとで、早く次が読みたくなってしまった。

    あと高城さん、喉に悪いから薬は水で飲んで!

  • 警視庁失踪課・高城賢吾シリーズ2冊目です。
    捜査一課から情報提供者が消えたと協力要請がある。
    時を同じに同級生が行方知れずだと友人から捜査依頼が来る。親族以外からの捜査願いは受理出来ないのだが、行方が知れない娘を心配していない様な、何か隠しているような両親に違和感を感じ高城は調べ始める。
    失踪課のメンバーの抱えている事も少しづつ分かって来て、これからの展開も楽しみです。

  • 失踪課シリーズ第2弾。
    主人公以外にも、失踪課の各メンバーがそれぞれユニークなキャラであり、今後遭遇する事件に、各課員がどんな対応をするかが、このシリーズの魅力と言ってもいい。
    第2弾は、何等かの過去がありそうな元野球部員という課員が相棒となって活躍する。

  • 学校の友達が失踪したので探して欲しいと、同じ中学生が依頼してきます。

    中学生の失踪なので、家出しているのかもしれない。ということで、その中学生の親を訪ねるのですが、自分の子供が居なくなったというのに、通常通りの親を不審に思い、調査を開始します。

    前回同様、他の課が捜索していた事件と一緒になるのですが、この事件と繋がっているとわかると、なぜかよし、繋がったと思い、ページをめくる手が止まらなくなります。

  • 長年に渡る兄弟の確執(とはいえ、悪いのは完全に弟のほうだろう)がついに事件となってしまったという話。解決までに死者がひとりも出ないというのはこの手のものでは珍しいのではないか。そこに救いがあると感じる。
    関係ないと思われた2つの事件がリンクするも、主人公が当初から探している人物の行方は一向に分からないという展開で最後まで楽しく読んだ。
    僕も頭痛持ちなので、頭痛薬をミントタブレットのように消費する主人公に親近感がわいたが、さすがに午前中に10錠という経験はない。いわゆる金パブ依存(市販薬依存)ではないか。

  • 父から借りたもの15

    前作とは違って、高城とコンビを組むのは醍醐塁。
    こういうシリーズ物って、ずっと同じコンビだと思ってたから意外。

    親は子供を守るためなら、なんでもするんだね、やっぱり。

  • 失踪した人を探してほしい気持ちは、誰でも同じだが、捜索願は家族しか受理できない。本作も、捜索願を出そうとしたのは、失踪した人の友人。肝心の親は、ただの家出だとしている。嫌な結果にならなければよいが…。

  • 親子、兄弟
    それぞれの家族の数だけ関係性があり
    そこに問題を抱えている事が少なくい
    問題を乗り越えていく方法は決して画一的ではないのでしょう

  • 好きなシリーズなんだけどオチは微妙というか何の意外性もなく弱い

  • 失踪課シリーズの第二弾
    高城の強引さが気になる。

  • 2024/05/31 39読了

  • 【警視庁失踪課シリーズ第2作目】
    今回は捜査一課の管理官から通り魔事件で目撃情報を提供した人物が行方不明になったから探せとの依頼がある。
    高城は依頼を断ろうとしたが、真弓は明神と法月に捜査を命じる。
    高城はその間、失踪課にいて、訪れた春休み中の男子中学生から友人の女の子が行方不明だと依頼される。不審感を抱いた高城は醍醐と捜査を始める。
    女の子の両親は、娘がいなくなったというのに動揺もせず、非協力的。父親が社長をつとめる会社も怪しく見えてくる。どうやら兄弟での問題もあったよう。
    いろいろつながってくると読み進められずにはいられない。
    存在感がなかった森田の射撃の腕前には驚かされた。こういうのいい。
    さすが堂場さんの刑事物シリーズ。登場人物多いけど、2作目ですでに失踪課のメンバーと顔なじみのように読み進められる。

  • 仕方がないけど「贖罪」でワクワクしたので中弛み(いきなり(^_^;)中学生の案件なんで緊張感がほぐれたのかな。

  • シリーズ2作目。登場人物を思い出しながら今回の事件をドラマを見るように読んでいった。高城目線で事件を解決していくストーリー展開は前作同様で描写が細かく少々飛ばし読みして読了。途中、事件解決の核となる部分に含みをもたせて明かしてくれず最後の最後に種明かしのように説明してくれてスッキリする。堂場さんは他にも警察ものシリーズがあるから混乱する部分もあるけどその違いを感じながら読みくらべるのもまた面白い。

  • 中々面白かった次回作に期待 1人参加者増

  • ついつい読み切ってしまった。

  • 警視庁失踪課・高城賢吾シリーズの第2弾となる本作。
    ある失踪した少女の捜索を端を発して、二つの事件が絡み合うストーリーは警察小説の王道ではあるが、本作を通して話の軸にある親兄弟家族の関係は、読み手の心に少なからず何かを考えさせるのではないかと思う。
    血を分けた兄弟の確執、それに絡んでくるそれぞれの配偶者の影響、思春期の難しい親と子の関係など、決して他人事ではないものを感じる。
    読後にそれなりのカタルシスは感じるが、腹の底に何となくじんわりと鈍痛が残る作品。

  • エネルギッシュな高城刑事の活躍がすごかった。(意外な一面を見た)
    人間関係含め次作以降も楽しみにしています。

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著者プロフィール

堂場瞬一(どうば しゅんいち)
1963年茨城県生まれ。2000年、『8年』で第13回小説すばる新人賞受賞。警察小説、スポーツ小説など多彩なジャンルで意欲的に作品を発表し続けている。著書に「刑事・鳴沢了」「警視庁失踪課・高城賢吾」「警視庁追跡捜査係」「アナザーフェイス」「刑事の挑戦・一之瀬拓真」「捜査一課・澤村慶司」「ラストライン」「警視庁犯罪被害者支援課」などのシリーズ作品のほか、『八月からの手紙』『傷』『誤断』『黄金の時』『Killers』『社長室の冬』『バビロンの秘文字』(上・下)『犬の報酬』『絶望の歌を唄え』『砂の家』『ネタ元』『動乱の刑事』『宴の前』『帰還』『凍結捜査』『決断の刻』『チーム3』『空の声』『ダブル・トライ』など多数。

「2023年 『ラットトラップ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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