難解人間vs躁鬱人間 (中公文庫)

  • 中央公論新社 (2009年8月22日発売)
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本 ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784122051928

感想・レビュー・書評

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  • 結局よく解からなかったけど、解からないままでいいのかもしれない。

  • 北杜夫 埴谷雄高 対談。

    北杜夫氏に 躁の症状は随所に感じる。興奮しながら 喋り続ける 北杜夫 と 医師が患者に接するように肯定しながら受け流す 埴谷雄高 という感じ。埴谷雄高 はもっと偏屈だと思ってたが、凄くいい人。


    対談のテーマが 埴谷雄高氏の著作「死霊」になると、狂人2人の妄想が 宇宙的に広がり、「死霊」が さらに わからなくなる。もう少し わかりやすい 現世の言葉で話してもらいたかった。


    おそらく「死霊」は 世界の破滅を訴えたパロディであり、虚無より、さらに無限の存在として 虚体という概念を用いた ということを言っているのだと思う。虚体は 宇宙に近い概念かもしれない。浄土には感じなかった。



    死霊は○○である
    *死霊は「形而上学的な童話」である
    *死霊は「全人的小説」である〜真面目なこともあれば、真面目の上に立って笑うこともある
    *死霊は「破滅に向かう宇宙を5日間でとらえる観念小説」である。1日目は霧の夜、2日目は月光の夜
    *死霊は「矛盾に満ちた小説」である。哲学的思想「Aは非Aでない」を現し、同一律の反面を言いあらわす
    *死霊は 「虚無の向こうにある虚体を創造した」のである
    *死霊の主題は「自分自身とは一体全体何なのか」である。現在の自分と すぐ次の自分とは矛盾につながる。人生全て矛盾


    死霊を通じた文学論
    *全宇宙の始源者が何を苦悩しているかを〜示せるのは 無限大に直面し続ける文学だけ
    *文学は正常と狂人の境にある


    躁病は子供の状態に戻るとした ビンスワンガーの説は興味深い。
    ビンスワンガーの本を読んでみたい
    *躁病のとき、万物すべて美しく見える〜躁の時は 見るものに 新しいものを見つける
    *子供は全てに心奪われる、過去がないから未来にひかれる
    *新しい玩具があれば、古い玩具を捨てて 飛びつく


  • まったく話がかみあってない二人が最高に面白い

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