毎月新聞 (中公文庫)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 968
レビュー : 129
  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122051966

感想・レビュー・書評

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  • なるほど天才の頭の中はこんな風になってるのかと感心することしきり。東大教育学部卒業。電通時代にポリンキー、ドンタコス、バザールでごさーる等々シュールでコミカルな作品を次々と生み出し、独立後に作った「だんご三兄弟」は社会現象になるほどの記録的大ヒットにもなった。
    いちやく時の人となったのが、新世紀を迎えようとする1990年代後半。この「毎月新聞」が毎日新聞に創刊準備号として「じゃないですか禁止令」を掲載したのは1998年10月。なのに15年以上経った今読んでも、少しも色あせを感じない彼の発想力。
    なんだろう、むずかしいことをこれほどまでに柔らかく考えられる人って、そしてそれを面白く伝えられる人って、やっぱり天才ですよね。
    なんでもないことに疑問を感じたり、不思議に思ったり。
    いろんなことを別の視点から考えてみたり。
    第6号「日常のクラクラ構造」を読めば、彼の普通じゃないところがよくわかる。ゴミ袋を入れていた外袋は、最後のゴミ袋を取り出した途端にゴミとなり、自分が入れていたゴミ袋の中にゴミとして入れられる。その様を見てクラクラする。1万円で財布を買い、おつりを買った財布の中に入れたときに財布+おつりで1万円という構造について考えてクラクラする。…え?でしょ?クラクラしますか?
    この摩訶不思議なクラクラ構造が、大ヒットを生み出す礎なんでしょうね。

  • 玄関で靴を履いた後に忘れ物を思い出したときの鳥に生き方図が分かりすぎた

  • 面白いのはもちろん、いちいちその月の出来事が載っていて懐しい。

  • 考え方が面白い。「丁度いい制約」「人は決まりきった未来を好まない」「さまがまな情報の要素に力関係が生じます」「これをおいしいとする」「きちんと壊れている」

  • 日常のクラクラ構造は目から鱗。なんとなく感じてたことをズバッと言われた感じが少し悔しい。
    おじゃんにできないex靴を履いてから忘れ物に気付く。はあるあるだけあっておもろかったなー。
    他にもおもしろいもの盛りだくさん。これは手元に置いときたい一冊。

  • わかる!と、なるほど! がたくさん詰まった本です。

  • メディア事情について、毎日新聞で1998~2002年に書かれたコラム。
    少し古い本だけあって新しい情報はないんだけど、ひとつひとつの記事がわかりやすく面白い。
    綺麗に組み立てられた文章で親しみもわきやすく、こういう文章が書ける人になりたいと思いました。

  • 毎日新聞の夕刊に毎月1回掲載されていたコラム、『毎月新聞』の書籍化。著者の佐藤氏は色々な経歴や肩書きを持っているようだが、あのヒット曲「だんご三兄弟」の作詞者なのだ。

    コラムのテーマは非常に多岐に渡っているが、中でも「文化の芋粥状態」というテーマは興味深いものがあった。芋粥とは芥川龍之介の短編小説で、芋粥をたくさん食べる事を夢見ていた侍が、実際に大量の芋粥を前にして食欲を失ってしまうというお話。

    わが国では教育を不自由なく受けられ、職業選択の自由があり、参政権も与えられているのに、これらの義務や権利を行使しない人々が多すぎるのではと思う。一部の仕方がないケースは別として、まさに今の日本は芋粥状態と言えるのではないでしょうか?

    本書に掲載されているコラムは、1998年から2002年までの4年間に執筆されたものだが、10年以上経っているのに不思議と古さは感じられず、今読んでも大変勉強になり面白かった。

  • 新しいことを始めるのはかなり意志の力が要ることですが、一旦走り出してしまったものを停めるにもやはりそれ以上の意思の力が必要なのではないかと思うのです。

    いい質問は、新しい枠組みを開拓する。

    「ちょうどいい制約」というものがあり、その制約があるからこそ、人間の持っている知性という翼を自由にはばたかせる喜びもある。

    市民権を持ってはならないものまでが、巧妙に新しくネーミングされたことで市民権を持ってしまうことがあるからだ。
    それはネーミングによって本来の姿を曇らせ、市民権を与えてしまう危険性がある。

    茶道や俳句も「これを美とする」「これを面白みとする」というところからなっている。

  • ピタゴラスイッチ、だんご3兄弟、ポリンキーのCM、ゲームのI.Qなどで有名な佐藤雅彦さんが、1998年から2002年にかけて毎日新聞に"毎月"連載したエッセイ集。
    新聞の中の壁新聞という体裁で、3コマ漫画もついている。

    1回1回の物事の着想が本当にすばらしく、こういう風に世界を見ることができるならば、今見ている世界とはまた違うものが見られるんだろうなと思わせる。

    1回目の"じゃないですか禁止令"で、一気に心が掴まれ、一気に4年分を読み干してしまいました。
    あーーー、楽しかった。

著者プロフィール

1954年、静岡県生まれ。東京大学教育学部卒。慶應義塾大学教授を経て、現在、東京藝術大学大学院映像研究科教授。主な著書に『経済ってそういうことだったのか会議』(竹中平蔵氏との共著・日本経済新聞社)、『新しい分かり方』(中央公論新社)、『考えの整頓』(暮しの手帖社)、『差分』(美術出版社)、『毎月新聞』(中公文庫)ほか多数。また、ゲームソフト『I.Q』(ソニー・コンピュータエンタテインメント)や、慶應義塾大学佐藤雅彦研究室の時代から手がけている、NHK教育テレビ『ピタゴラスイッチ』『‪0655/2355』『考えるカラス』など、分野を越えた独自の活動を続けている。2011年に芸術選奨受賞、2013年に紫綬褒章受章、2014年にカンヌ国際映画祭短編部門招待上映。‬‬‬

「2017年 『行動経済学まんが ヘンテコノミクス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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