それからはス-プのことばかり考えて暮らした (中公文庫 よ 39-1)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 8312
感想 : 805
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  • Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122051980

感想・レビュー・書評

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  • 知人からのオススメで読んだ本。

    ゆったりとした時間が流れる、優しい雰囲気が溢れる小説。
    何となく「ファンタジー要素を取った女性版・村上春樹」みたいな印象を持ちました。
    食べ物の話も多いですし(笑)

    お気に入りのサンドイッチ、趣味の古い映画、お気に入りの脇役女優、その映画館で食べるポップコーン。
    美味しいサンドイッチ、スープ作りに向き合い、そしてお客さんの笑顔を大切にして生きる主人公。
    「生活の一つ一つを大切にする」という生き方としてのこだわりが作品全体に漂っています。

    個人的には正直ちょっと退屈だったかな…
    どこかで「転」があるんだよね…?と思っていたら、そのまま終わってしまったという感じでした。

    そういう楽しみ方をする小説ではないんですね、きっと。

    登場人物も、まあ一言で括ると優しいんですが…
    なんかこう優し過ぎて、逆に人間味が薄いというか…輪郭がハッキリしないというか、キャラが立ってないというか…

    そういった意味で、やはり良くも悪くも優しい世界観です。
    合う人、合わない人がハッキリ分かれると思います。
    逆に「この作品が好き」っていう人がいることも何となく分かります。

    個人的には店名の由来のトコがピークでした(笑)

    安藤、トロワ。
    いいなあ(´∀`)

    <印象に残った言葉>
    ・安藤っていうんです。アン、ドゥ、で次がトロワ。フランス語で、いち、にい、さん、のことです。(P23、律)

    ・私はね、もう二度ですよ。アン、ドゥと。だからこれが三度目の正直。それでサンドイッチなんです。(P24、安藤さん)

    <内容(「Amazon」より)>
    路面電車が走る町に越して来た青年が出会う人々。商店街のはずれのサンドイッチ店「トロワ」の店主と息子。アパートの屋根裏に住むマダム。隣町の映画館「月舟シネマ」のポップコーン売り。銀幕の女優に恋をした青年は時をこえてひとりの女性とめぐり会う―。いくつもの人生がとけあった「名前のないスープ」をめぐる、ささやかであたたかい物語。

  • 世界観が今の気分とあんま合わなかった
    いろんな人の人生が溶け合っているメタファーがスープっていうのは秀逸だとも思う

    入試現代文で好まれそう、そんで結構間違えてちょっと凹みそう

  • 登場人物はみんな可愛らしいけど、深い話はなく物足りなさがある。ふわっと始まってふわっと終わる感じ。

  • なるほどね、という感じ。

  • あぁー惜しい。
    このあと3倍くらい話があるの期待してたから、え?終わり?で終わりでした。
    でも良い話。

  • 自分の思うことに素直になって、時間を忘れるくらい没頭して…静かな時間のなかで、誰かを思ってつくるスープであったまる。疲れたときに必要なのは、あったかいスープなんだ。お腹を満たしてあったまりたくなる本。

  • ある街に引っ越してきた失業中の青年オーリー。
    サンドイッチ店の店主と息子、映画館月舟シネマ、銀幕の女優、名前のないスープ。

    取り立てて変わった事は起きないが、話全体に流れる
    なんとも言えない雰囲気はいい感じ。

  • タイトルがいい
    出てくるサンドイッチやスープが美味しそうなのがいい
    でも、どれもちょっとずつ出てきて、話が展開してしまい、つながりもあまりなくて、物足りなかった。

  • クラフトエヴィング商會の仕事は大好きで、吉田篤弘の文章も好きだと思っていたので、この本は評判もいいし、期待して読んだのだが。
    なんだかラノベみたいだった。
    サンドイッチもスープも美味しそうだけど、銀幕の脇役女優に恋するというのもロマンチックでいいけど、こういう大人のファンタジーみたいなのって好きになれない。
    登場人物がジョバンニとカムパネルラという名前だったり、動物だったりすればもう少し納得できたのかもしれない。
    安藤とか、大里とか日本人だと思うと、仕事やめて引っ越して、引っ越し代に敷金礼金は大丈夫なのか、オジサン一人でやっているサンドイッチ屋がいきなり若者を雇って、給料出せるのか、そもそも雇用は共同経営者なのか、正社員なのか、アルバイトなのか、全く飲食の仕事をしたことのない若者にメニューを任せて大丈夫なのか、採算はとれるのか、食品衛生法は問題ないのか、様々なことが気になってしまう。もちろん、そんな心配は一切ない世界なのだろう。恋や愛や思いやりや憧れや切なさだけでできた世界の物語を読んで癒されればいい人には素晴らしいのかもしれない。
    梨木香歩の『雪と珊瑚と』と似たような感じ。
    あと、味覚が大事な仕事なのにやたらタバコ吸うのもいかがなものかと思った。

  • 雰囲気本?
    つまらなかった。

著者プロフィール

1962年、東京生まれ。小説を執筆しつつ、「クラフト・エヴィング商會」名義による著作、装丁の仕事を続けている。2001年講談社出版文化賞・ブックデザイン賞受賞。『つむじ風食堂とぼく』『雲と鉛筆』 (いずれもちくまプリマー新書)、『つむじ風食堂の夜』(ちくま文庫)、『それからはスープのことばかり考えて暮らした』『レインコートを着た犬』『モナリザの背中』(中公文庫)など著書多数。

「2022年 『物語のあるところ 月舟町ダイアローグ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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