白骨の語り部 - 作家六波羅一輝の推理 (中公文庫 く 19-1)
- 中央公論新社 (2009年10月24日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (377ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122052147
感想・レビュー・書評
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トリックや民俗学的なアプローチに新しいところはなく、若い二人のキャッキャウフフなミステリが、遠野に展開されるというだけ。が、量産されているこの手の物にしては、まあ、上出来の部類には入るだろうか。甘すぎるか。
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内容紹介に名探偵役らしき人物名と、
シリーズという文字を見つけて読むことにしました。
しかし、この名探偵さん・・・。
作家と言いつつデビュー作以後何にも書けないまま3年、
フリーターもどき、姉と同居する28歳。
初対面の新人編集者(年下)に弱音を吐き、
極めつけは推理の要所が無意識下の自動筆記で分かるという、
なんともいえない頼りなさ。
最終的には関係者を集めてきちんと説明できるまでになるとは言え、
あんまり探偵役という感じではなかったです。
「名探偵、皆を集めてさてと言い・・・」の場面がむしろ唐突な印象に。
ところでこれドラマ化されてませんか?
何か映像で見たような気がします。
という訳で結末が予想できてしまったので評価がちょっと低めですが、
民俗学的な話は大好きなので、
次作に期待したいと思います。 -
4
六波羅シリーズ1作目。著者の作品にしては、意外なほどオーソドックスな謎解き探偵小説。ぐるぐると場面が変わるプロローグ・第一章から技巧を凝らした描写で、これが後々効いてくる上手いミスディレクションとなっている。因習の残る山村を舞台にしたシリアスな物語で、著者の他作に見られるようなユーモアは控えめだが、情景描写をできるだけ削ぎ落とし、軽妙なテンポを紡ぎだす筆致はここでも健在で、幸か不幸かあまり陰鬱な印象は残らない。会話文には著者お得意の“お約束”的なやりとりなどもありニヤリ。終盤には『邪馬台国〜』や『〜メルヘン』のような“〜説”も飛び出してきて鯨要素てんこ盛り。
作中ではフーダニットよりハウダニットに重きを置いていたが、後者は読み手には割と想像がつきやすいものだったせいか、犯人が指摘される解決部分では少し焦点がぼやけてしまった感も。 -
片平なぎさが解決するぐらいの謎と、ほんのすこしの民俗学エッセンスを添えて
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失礼なこと言いますが、設定にはものすごい魅力があるのに登場人物がイマイチなのが残念でした。
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遠野などを舞台とした作品です。
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とても読みやすく、鯨ワールドも感じられる展開だが、邪馬台国に遠く及ばない感じがする。
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久しぶりのミステリー。遠野物語に沿うような事件。
山奥の旧家が舞台。
設定は揃っているんだけど、どうも盛り上がりに欠けた。
途中で話が読めて来てしまったのも残念!
嫌がる娘にモト彼が迫ったのは、いつだったのかな、とか。
婚約したのはいつだったのかな、とか。漠然とした疑問が残る。
シリーズ化しているらしいので、とりあえず、次を読むことにする。 -
鯨さんが真剣に本格ミステリーを書いた!。面白いの一言、オススメの1冊