秘本 三国志 6 (中公文庫)

  • 中央公論新社 (2009年10月23日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784122052154

みんなの感想まとめ

人間味あふれる英雄たちの姿が描かれ、読者に親近感を与える作品である。陳舜臣の描く三国志は、超人的な英雄像ではなく、悩みや苦しみを抱えながら生きる人々の物語であり、特に劉備の新たな一面が印象的だ。戦乱の...

感想・レビュー・書評

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  • 最後は納得

  • 陳舜臣の三国志は“英雄”が“人間”であるということ、悩み苦しみもがき諦め、少し嬉しいことがある……。
    英雄伝などではとかく超人的となるところ、今を生きる我々と「そんなに差はないんだよ」と語りかけてくるようだ。

    それは、儒教的で象徴的な吉川英治三国志や骨っぽく男らしい北方謙三三国志に比べ、冒険小説のようなワクワク感は少ない。
    でも、撹乱調略諜報の飛び交う情報戦のなか、次第に戦乱の世に生きる人々が仏教や道教などに惹かれていく様は、この物語の特色かもしれない。
    最後まで、作者の誠実さが滲み出るようなわかりやすい文章で綴られ、それでいて息づかいまで感じるような臨場感あふれていて、とても素直に読むことができた。

    また、関羽や孔明、孫権など、おなじみの登場人物の新たな一面を味わい、新鮮だった。
    特にこの物語の劉備が一番好きかもしれない。

    まぁ、孔明や孫権には悪いけど、やっぱり三国志は“曹操と劉備”の物語だと、改めて感じた。

  • 蜀の3人兄弟が亡くなった。曹操も曹丕、孔明も…英雄たちの世代交代の巻だった。天才と有名な孔明は、どんな戦術を使うのだろう!?という興味から読み始めた三国志だったが、読み終わった今は曹操の手腕に感服している。初三国志が秘本で良かった。孔明は軍師寄りではなかったのね…彼ら側の活躍は、別の本で読んでみよう。

    歴史小説や古代文明の本などに惹かれ、ちょこちょこ本を手に取るのだが、自分ではそれは、懐古主義の現実逃避だと思っていた。だがあとがき、解説まで読んで、歴史を知ることは、どのように今に至っているかの源泉を知ることだと改めて気づかされた。私は日本がまだ宗教・神を崇め従っていた時代に、隣国で早期に発達して、哲学や法を以って統治がなされていた大国に興味があるのだ!始皇帝もフビライ=ハンも卑弥呼も全く面影を残さないほどの発展を遂げた、現代の我々の根底に受け継がれたものとは?そして未来はどうなるのか?

    陳舜臣さんといい出会いを果せたことが嬉しい。他の著作も読んでみたい。

  • 「私の夢です。夢が、星のように飛びます。そして墜ちるのです、この五丈原に」

    2022/9/15読了。
    同じ『三国志』をベースにした物語である『諸葛孔明』、『曹操 魏の曹一族』とでも、出来事の解釈、人物の人となり、言動は全く異なっていたが、殊に本作では、大概の戦闘が、八百長というか、出来レースのような扱いになっていた(途中まで曹操と劉備が共謀して、他の英雄を潰して回っていたのだ)。作品が異なれば、世界観の設定もまた異なるということなのだろう。引用したのは、孔明の最期の言葉だが、『諸葛孔明』のそれ(「旗を、反せ。……鼓を、鳴らせ。……」)とは、やっぱり別物だし、臨終の状況も違っていた。

  • [評価]
    ★★★★☆ 星4つ

    戦いよりも各勢力の裏で行われている謀略のほうが記憶に残る巻だった。
    唯一、劉備だけが荊州から益州に進出し、確固たる勢力を築き始めたけど劉備自身の能力にも僅かに綻びがみえはじめ、関羽の死に至ってはどの物語でも読んだことのない悲しい最後だった。

  • いままで読んだ三国志とまったく別の視点で非常に興味深い作品でした。ただ、あまりに違いすぎるので、特にキャラクターの性格も各三国志とあまりに違うので、いささか「どれが本当の孔明?」と混乱をきたしてます・・・

  • ついに完結。五丈原の戦いが実は八百長だったとか新しい視点。最後は淡々と省略気味に話がすっとんでいる。

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著者プロフィール

1924年-2015年。神戸市生まれ。大阪外国語大学印度語部を卒業し、終戦まで同校西南亜細亜語研究所助手を務める。61年、『枯草の根』によって江戸川乱歩賞を受賞し、作家活動に入る。その後、93年、朝日賞、95年には日本芸術院賞を受賞する。主な著書に『青玉獅子香炉』(直木賞)、『玉嶺よふたたび』『孔雀の道』(日本推理作家協会賞)、『実録アヘン戦争』(毎日出版文化賞)、『敦煌の旅』(大佛次郎賞)、『茶事遍路』(読売文学賞)、『諸葛孔明』(吉川英治文学賞)、『中国の歴史』(全15巻)などがある。

「2018年 『方壺園 ミステリ短篇傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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