犬 (中公文庫 く 20-2)

  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122052444

感想・レビュー・書評

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  • 犬。なんと健気で個性的な犬たちよ。
    そしてこの作家たちの犬への想いの様々なことよ。(なんだかんだで皆犬のことが好きなんだけども)

    犬と人の距離感というか、接し方は今とは異なるところもあったけども、
    今も昔も犬はずっと人間のそばに暮らしていてくれているんだなあ。
    犬は人間が好きだし人間は犬が好きだし。

    とにかく犬は良い。

  • 9人の文豪たちの11編の随筆集です。

    1954年の本を底本にしているということで、中身はかなり古いものですが、それでも今に通じる犬との接し方をされている方もおられ、その部分では参考になるものもあります。

  • 「赤毛の犬」阿部知二
    「犬たち」網野菊
    「犬と私」伊藤整
    「わが犬の記」川端康成
    「あか」幸田文
    「クマ」「雪の遠足」志賀直哉
    「トム公の居候」徳川夢聲
    「『犬の家』の主人と家族」長谷川如是閑
    「犬」林芙美子
    「ゆっくり犬の冒険-距離を置くの巻」クラフト・エヴィング商會

  • 犬に関わるアンソロジー。
    伊藤整、川端康成、幸田文、志賀直哉、林芙美子ら錚々たる面々の、犬をめぐる随想や小説。

    昔の犬が、ほぼ放し飼いにされており、残飯を食べさせ、時に逃げだし、また去勢や不妊もしないので盛りがつけば子犬が生まれ、もらったりあげたりが当たり前だったのが、おもしろい。今の犬とは随分違う環境だったろう。犬を飼う人々の努力が、犬の地位を向上させたということだろうか。

    一方で「犬殺し」がいる時代でもあった。

  • 明治から昭和の作家の、犬にかかわるストーリーを集めたもの。小説というよりエッセイのほうが強いか。
    実は本を読んでいても、この時代の作家のって読む機会それほど多くなくて、ほぼ初見。
    文体はもちろんそのままだけれど、あの時代の犬というものに考えさせられる。

  • ひとが犬をどうみてきたのかを考える。

    有名な作家さんたちだって、犬が好きよ。
    どれくらいかって、これくらいです。本になるくらい。
    ひとと犬それぞれの個性や事情により、彼らのあいだの距離感がいろいろと違うのがわたしは好きです。それが彼らたちだけにわかる信頼の証のようにも思えて。

  • なんで小沼丹「タロウ」が入っていないんだ。

  • 昭和29年に出版された犬にまつわる随筆をクラフトエヴィング商會がアレンジした文庫本。「エッセイ」ではなく「随筆」といわざるをえない、犬好きとして有名な?川端康成や志賀直哉らによる格調高い代物です。
    全体的な印象としては、今の犬は恵まれているというか、昭和初期の犬はまず番犬であり、野良犬も多かったという時代背景に軽いショックを受けつつ、人と動物の関わりというか、息づかいが感じられる一冊。

  • 幸田文『アカ』秀逸

  • 猫がタオルケットなら、こっちは冬の掛け布団。気持ちが合ってないとなんだか暑苦しい。

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著者プロフィール

1904年東京向島生まれ。文豪幸田露伴の次女。女子学院卒。’28年結婚。10年間の結婚生活の後、娘玉を連れて離婚、幸田家に戻る。’47年父との思い出の記「雑記」「終焉」「葬送の記」を執筆。’56年『黒い裾』で読売文学賞、’57年『流れる』で日本藝術院賞、新潮社文学賞を受賞。他の作品に『おとうと』『闘』(女流文学賞)、没後刊行された『崩れ』『木』『台所のおと』(本書)『きもの』『季節のかたみ』等多数。1990年、86歳で逝去。


「2021年 『台所のおと 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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