料理王国: 春夏秋冬 (中公文庫 き 7-5)

  • 中央公論新社
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122052703

感想・レビュー・書評

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  • インターネット華やかなりし現代に住む我々にとって、北大路魯山人の感覚は、少し理解しがたいものがあるかもしれない。彼が生きたのは、モノを美味しく食べる方法を知ること自体に難儀する時代なのだ。
    そう考えれば、彼の傲岸不遜な批評の数々にも合点が行く。そして、ややメタ的だが、それが、逆に本書の味わい深さを醸し出しているようにも思う。

    星3つなのは、面白かったことは面白かったのだけど、それはある意味歴史的な資料を掘り返すような楽しみで、私自身は今はそのモードではないから、かな。

  • 魯山人の、美食に対するこだわりが凝縮されている。食のプロや海外料理への批判は物ともせず、和食礼賛。今は食べられなくなった食品や、料理屋も多いが、残っているなら、試してみたい。

  • 北大路魯山人の名前は知っていたが、氏の人となりをこの著書で初めて知ることができた。かつて星岡茶寮を主宰していて、食だけでなく、陶器・絵画まで広い興味と高い技術で、美を追求した傑物ということだろう。美味しんぼの海原雄山のモデルそのものだろう。ただ、まだ雄山の方が人間らしさがあるように感じるのは私だけではないだろう。物事を捉える視座は高いが、人に対する思いやりには欠けているのだろう。それこそが、同氏が心身ともに健康で生きることができた根源でもあるのだろう。そういうえば、美味しんぼに岡星という料理屋が出てくるが、その出所もここにあったんだと気付く。もう少し、魯山人氏のことを知りたくなった書籍であった。

  • 美食家 北大路魯山人のこだわりの食のエッセイ。目からウロコの内容でした。

  • 20151220

  • 料理や食に対するモチベーションが高まる。
    蛙美味しそう。山椒魚も。

  • 美味しんぼのモデルである北大路魯山人。彼の食に対するこだわりがあまねく書かれている。良寛や大倉喜八郎といった新潟ゆかりの人物の言葉やエピソードが多々出てくるのも興味深い。

  • 魯山人に対しては規格外れの巨人、異能の人という印象があります。料理に関しても世間の評判や権威を一切気にかけず、自分の舌、感性のみを頼りにする姿勢が貫かれ、気持ちがイイです。

  • 料理は五感で楽しむものであり、その場の空気や器も味の一部だと、言葉ではわかっていても、この人に言われると深い。
    料理の本ではあるけれど、これは何も料理に限った話ではなく、すべての職業に、生き方に置き換えることができる話だ。読む価値がある。

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著者プロフィール

北大路魯山人 (きたおおじ ろさんじん)
料理研究家・陶芸家・書家=本名房次郎。1883(明治16)年、京都・上賀茂神社の社家の次男として生まれる。1904(明治37)年、日本美術展覧会の千字文の書で一等を受賞。その後、篆刻、陶芸に手を染める。19年には古美術商を営むかたわら、会員制の「美食倶楽部」を発足させる。25年には東京麹町に、当時のセレブを対象にした日本料理の料亭、星岡茶寮を創設、顧問兼料理長に就任。26年、北鎌倉の山崎に窯を築き、星岡窯と称した。料理と陶磁器と書に鬼才を発揮、新境地を開いた。美食に人生をかけ、美的生活に耽溺した。1959(昭和34)年12月21日、好物のタニシのジストマによる肝硬変で死去。

「2020年 『魯山人の和食力』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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