パリの秘密 (中公文庫)

著者 : 鹿島茂
  • 中央公論新社 (2010年3月1日発売)
3.80
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  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122052970

作品紹介

パリに居座るゲニウス・ロキ(地霊)は、多くの秘密を生む-エッフェル塔、モンマルトルの丘から名もなき通りの片隅まで。数百年の時を経てなお、パリに満ちる「秘密」の香りは遊歩者(フラヌール)を惹きつけてやまない。夢の名残を追って現代と過去を行き来する、瀟洒なエッセイ集。

パリの秘密 (中公文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 一つ読んでは一眠り…二つ読んでは…三つ読んでは…って感じで、フトンの中でだらだら読んでいました。フラ語の響きは好きです(笑)。
    パリは歴史がある=いろんな人たち=さまざまな風俗=文化の重なり(重層性)がある
    最近は重層性は多様性を孕んでいて、それが心配でもあり、それが、豊かさの裏返しでもあるはずなのだが…。

  • 2014/03/23完讀

    ・犬糞與犬生意:巴黎是瘋狂愛狗的都市,犬口很多。路易十四時代已飼養賞完用犬的習慣已經普及於社會(很多肖像畫會抱狗,或者是有獵犬隨侍)。狗需求最大量的是19世紀前半為止的大量的勞動犬(跟法蘭德斯的狗一樣),運送牛奶或酒、小麥、木炭等大型犬,甚至連中型犬也拉車在路上走(版畫還有狗拉嬰兒車,據說臘腸犬是因為要用在小型犬用車是所開發的犬種),在St. Gemain有狗市場,很多從巴黎近郊農民從狗農場到這裡來賣狗。犬車大流行時,有時路上擦肩而過的犬車會吵架、看到食物會偏離路線等等,造成交通大亂,巴黎警察當局終於忍不住在1824年禁止犬車。但是就造成很多野狗出現(バカンス・シースン時也很多),抓了又會被愛狗人士抗議。巴黎從來沒有「犬糞公害」的問題,因為到第一次大戰為止,狗糞都是皮なめし業的重要原料,有一堆「犬糞屋」在路上殺紅了眼在撿狗糞,再拿到巴黎郊外河邊的皮革工廠去,以今日貨幣換算每個月可以賺到兩萬元。有人在藝術橋提防邊作帶狗散步的生意,會順便蒐集狗糞,,剪下的狗毛還可以拿去賣作塞椅子和墊子的內裏。還有很高收入的「犬の洗い屋」、「犬の仕立て屋」。


    どんな異物も異物ではなくなり、パリと「しっくり」なじんでしまうのである。パリは、同化作用の強い町なのだ。

  • 大名行列に続き、秘密のタイトルが続きますが、内容は全く異なります。
    鹿島氏の著書はこれまで何冊も読んできましたが、エッセイは初めてかもしれません。

    東京新聞に連載された短いエッセイがまとめられています。
    いくらパリに精通していても、シリーズ化して読者の知らないような話を提供するのは、なかなか大変そう。

    起承転結がないような小品集なので、肩肘張らずに読めます。
    パリのオペラ座の地下には怪人がいる、というのはミュージカルの設定ですが、実際にオペラ座に養蜂場があるとは知らず、驚きました。
    屋根の上にあり、そこのミツバチはチュイルリー公園を餌場としているとのことです。
    オペラ座でそのハチミツを売っているのか、気になりましたが、その点には言及されておらず、少々物足りなさを感じました。

    フランスのアイスクリームは匂いがきつく、苦手な日本人も多いそうです。
    実際に食べた記憶がないため、自分では何とも言えませんが、フランスのアイスクリームは「味」ではなく「匂い(フレーバー)」だからだそうです。
    日本でFAUCHONのアイスクリームを食べたことはありますが、特に印象には残っていません。
    今度、気をつけて食べてみなくては。

    日本人の思い描く青い目のフランス人形は、フランスにはないという話は、言われてみれば確かに、と納得する内容でした。
    フランス人形といったら、私たちが連想するのはアンティークで高級なビスク・ドール。
    実際には、フランスの一般家庭の子供が、そのような人形を持っているわけではないのです。
    日本では童謡に歌われたことから、フランス人形神話が浸透したのだそうです。

    ニコラ・フラメルの名前が登場しました。
    『ハリー・ポッター』に登場したことでその名を知った錬金術師です。
    フランス人だったとは思いませんでした。

    ミュージカル「壁抜け男」の銅像があるそうです。
    好きな作品なので気になるところ。銅像の作者は、なんと俳優のジャン・マレー。
    マレーも、恋人コクトーのように万能の天才だったとは知りませんでした。
    コクトーの手を、銅像に反映させているそうです。

    この本で一番スッキリした謎解きは、イルカの像の話でした。
    フランスの各所に、イルカの像が見受けられます。
    さらにそれは、可愛らしいものではなく、中世の悪魔のように奇怪な姿をしているのです。

    いつも気になっていましたが、それはフランス語のdaupinが「イルカ」のほかに「王太子」(国王の世継ぎ)という意味も持つため、王太子の祝福を意味するモチーフなのだそうです。
    ただ、なぜ不気味な姿を模しているのかは、著者もわからないとのことでした。

    著者の専門領域に興味があるため、ほかの著書よりもこのエッセイは単純で、時に単調さも感じる内容ではありましたが、それでも時折、面白い発見があり、読んでよかったと思えるものでした。

  • 海外の空気を感じて満足。

  •  先日、神戸オリエンタルホテルのカレー復活のドキュメンタリーを観た。阪神大震災以来途絶えていた伝説の絶品カレーを、15年ぶりに甦らせた料理人の執念の物語であった。苦心惨憺の末探しあてた、独特のコク・深み・旨味の決め手は「注ぎ足し」だった。
     有名おでん店の秘伝と全くおなじで、何十年と注ぎ足しながら使い続けられた汁とルーが、食通をうならせる味の秘密なのだ。
     『パリの秘密』と題するこの一冊。連綿と続く西洋文化の坩堝であり煮込み鍋である花の都パリの魅力を、絶妙な文で綴っている。書き手は自他共に認める日本一の読書家、鹿島茂さんだ。

     鹿島さんは「遊歩者(フラヌール)」というものを生んだ世界最初の都市がパリであると、あとがきの中で言っている。いくら歩いても「歩き足りない」パリの魅力を表現したかったのだろうが、私は鹿島さん本人こそが類まれな遊歩者だと思う。ふたつの意味で。

     まずありきたりな意味の方から。
     街歩きの達人。路上観察者として鹿島さんは追随を許さぬパリ歩きの猛者である。
     同時に、文字どおり「万巻の書に埋もれた」姿が報じられたり、増え続ける書物のためにだけ何軒もの家を持っているエピソードが有名なほどの博覧強記の主だ。たとえていうなれば「知」の遊歩者である。
     
     だから、カルチェ・ラタンを歩いていて、狭い通路を見逃さずに見つけ「なんだ、ここは?」と足を踏み入れる。すると突然、まるで、地球の空洞伝説の地底湖のような感じで、周りを建物に囲まれた広大な空間を発見する。まさに、路上観察者たるパリ遊歩人の真骨頂である。
     さらには、それがローマ時代の闘技場の遺跡であること、200年ほど前にそれが発見され発掘されたこと。それ以前、蛮族来襲に備えるシテ島の要塞建設の建築材として石を持ち去られて破壊されてしまっていたこと。発見時の敷地保有者が乗合馬車会社で、その会社に代替地を提供する予算がなく発掘が沙汰やみになっていたこと。もうこれ以上書くと疲れるぐらい延々と何十冊か分の蘊蓄が語られる。
     こういった「へぇ~」連続のエピソードが70編以上鏤めらているのがこの一冊である。その一遍一遍が、それぞれの時代ごとの魅力を常に注ぎ足し続けてきたこの街の深い魅力の断面を、すこしづつだけ垣間見せてくれる。
     廃品回収業者の出した市の中に、レンブラントの作品やストラデバリとかが見つかって評判になり、大きくなったのが「蚤の市」だとか、「蚤」とは「フリー」といい、フリーマーケットとは要するに蚤の市だ、だとか、ほんとにもう面白すぎる逸話満載です。

     では、早速この一冊を手に一路パリへ、と言いたいところだ。
     だがやはり、「欧羅巴はあまりに遠かりし」である。
     誰の言葉だったかな。

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