音楽と文学の対位法 (中公文庫 あ 64-3)

  • 中央公論新社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122053175

感想・レビュー・書評

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  •  へ〜。と思えるところもあるけれど、結構全体的に難しい…?

  • ピアニストであり、作家でもある青柳いづみこさん。本著は各項ごとに一人の音楽家と一人の作家を照らし合わせて、それぞれの創作の奥に眠る「アーティストのこころ」を浮き出していくものです。

    クラシック音楽の時代を生きた人々をテーマにしているとはいえ、特別何の知識も必要なく、心のままに読み進めて当時のアーティスト達の心に想いを馳せることができました。

    なめらかに音楽と文学の間でウエイトを変えていく文章はとてもみずみずしく魅力的。作品のテーマが筆者の創作を体現しているようでした。

  • 独自の視点と感性を事実関係で裏付ける技に惚れ惚れ。上手い…

  •  作曲家と同時代の文学者を比較した芸術論。

     *モールァルト
     *シューマン&ホフマン
     *ショパン&ハイネ
     *ワーグナー
     *ラヴェル&ルーセル
     *ドビュッシー&ランボー

     音楽は言語に縛られていると、常々思っていた。
     言語に縛られているからこそ、フランス人の曲はフランス的で、ドイツ人の曲はドイツ的でしかない。6ヶ国語以上を自由に操っていたというモーツァルトは、だからこそ無国籍の匂いに満ちいている。

     人は、言葉で考える。
     そして、音楽は思想であり、思いなのだ。

     毎度ながら、青柳いづみこの文は、明晰で潔い。
     と同時に、彼女の祖父がフランス文学者であったという、DNAというかもしくは環境が培った素地みたいなものが、見え隠れしていて、決して一朝一夕ではなしえない芸術の深淵を垣間見た気にもなった。

     にしても、もうちょっとマニアックな作曲家も取り上げてほしいですよ。
     ま、それじゃ売れないからだめなんだろうけどね。

  • ワーグナー、モーツァルト等の社会的背景が、音楽と文学、絵画の世界を自由自在に行き来しながら平易に斬新に叙情的に描かれる。

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著者プロフィール

ピアニスト・文筆家。安川加壽子、ピエール・バルビゼの両氏に師事。フランス国立マルセイユ音楽院卒。東京藝術大学大学院博士課程修了。学術博士。武満徹、矢代秋雄、八村義夫作品を集めたリサイタル『残酷なやさしさ』により平成元年度文化庁芸術祭賞。演奏と文筆を兼ねる存在として注目を集め、安川加壽子の評伝『翼のはえた指』で吉田秀和賞、『青柳瑞穂の生涯』で日本エッセイストクラブ賞、『六本指のゴルトベルク』で講談社エッセイ賞、CD『ロマンティック・ドビュッシー』でミュージックペンクラブ音楽賞。2020年、浜離宮朝日ホールにて演奏生活40周年記念公演を開催。テレビ朝日『題名のない音楽会』、NHK Eテレ『らららクラシック』、『ラ・フォル・ジュルネ音楽祭』『東京・春・音楽祭』等にも出演。日本演奏連盟理事、日本ショパン協会理事、養父市芸術監督。大阪音楽大学名誉教授、神戸女学院大学講師。

「2023年 『安川加壽子の発表会アルバム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

青柳いづみこの作品

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