昭和16年夏の敗戦 (中公文庫)

著者 :
  • 中央公論新社
3.96
  • (156)
  • (245)
  • (125)
  • (18)
  • (5)
本棚登録 : 1787
レビュー : 219
  • Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122053304

作品紹介・あらすじ

緒戦、奇襲攻撃で勝利するが、国力の差から劣勢となり敗戦に至る…。日米開戦直前の夏、総力戦研究所の若手エリートたちがシミュレーションを重ねて出した戦争の経過は、実際とほぼ同じだった!知られざる実話をもとに日本が"無謀な戦争"に突入したプロセスを描き、意思決定のあるべき姿を示す。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 企業において何か新しいことを始めるには必ず「リサーチ」が行われる。敗戦に終わった大東亜戦争においても総力戦研究所という機関が設立され、官民とわず各分野のエリートが集められ対米英戦争の事前シミュレーションが行われ、敗戦という結果が弾きだされた。そもそもそういう機関があったことも知らずに読み始めてしまい、途中までフィクションだと思っていた。

    上記のような事前リサーチが行われ結果が出ていたにも関わらず、それを上層部が直視せず、ある意味決定事項として開戦に至ってしまった・・という流れは大企業に働いている当方にはとても耳が痛い話。日本人の意思決定の根底には1.過去の成功体験に身を任せすぎる 2.合理性ではなく「全員一致」という事実を重要視する 3. 責任者が責任を逃げて会議で行う、という傾向が昔からあるものだなぁ、と感じた。

  • ん~まぁ、言いたいことはわかるが、だからってどうしようもあるまい。

  • 太平洋戦争の話。
    レポート調で、細やかな取材に基づいているので、もしかしたら真実に迫っているのかもしれない。
    そういう期待も込めて(判断するのは読者である私たちですが)

    • hs19501112さん
      このレビューで(フォローさせていただいているので、レンさんの更新状況が自分のページにアップされます)この本の存在を知りました。

      佐々木...
      このレビューで(フォローさせていただいているので、レンさんの更新状況が自分のページにアップされます)この本の存在を知りました。

      佐々木譲の3部作(第二次大戦もの)を読んだ後なので、この時期の話に興味が高まっています。

      いずれ読んでみたい1冊になりました。
      2012/04/25
    • レンさん
      ありがとうございます!

      佐々木さんに比べればちょっと堅くて読みにくいですが、東条の世間で思われているイメージに疑問を投げかけるものだったり...
      ありがとうございます!

      佐々木さんに比べればちょっと堅くて読みにくいですが、東条の世間で思われているイメージに疑問を投げかけるものだったり。
      やはり状況より人が戦争を起こさせたのかな、と思える一冊です。
      誰の責任でもあり、誰の責任でもなかったような。

      私もこの時代に興味大です!
      次は赤川次郎のを読みたいなぁ、と。
      2012/05/14
  • 東京都副知事の猪瀬さんの著書。
    ツイッターをフォローしてたり、他の著書を読んだりしてたのと
    去年、自民党の石破政調会長が国会で管首相にこの本を読むことを薦めていたのをしって興味を持った。
    また、日米開戦前に総力戦研究所なるところが日米戦日本必敗をシミュレーションで出し、内閣に伝えていた事実。
    それでも戦争に向かってしまった経緯など、当時の意思決定のプロセスを知ることが出来た。また知ることで、これは今にも通じるものがあると感じた。

    また、こういう教科書とかに載らない真実を知ってびっくりした。
    歴史の知識がなく、読み進めるが大変だったけど読んで良かったと思う。

  • 総力戦研究所に招集されたメンバーのディテールるを描くことによって、米国との開戦に突入してしまった経緯を具体的に想像できる。浮かび上がってくるのは裏主題の東條英機。当時は研究所元メンバーから直接取材も出来たが、平成も終わるとなっては貴重な記録だ。1983年の猪瀬直樹の力作。

  • 「こんなことがあったのか」
    この本に出会った最初の感想だ。
    「歴史を振り返る」とはよく言うことだけど、はたして、どの立場で見るのか、考えるのか、ということにもなってくる。
    でも、この本では、そういうこと抜きに、開戦前の日本を振り返ることができた気がする。
    内容は、少々難しいところもある。
    第一、登場人物が多すぎる。
    さらに、国の中枢の話でもあるのだが、その仕組みが不可思議。
    ということで、初めの方は、ノートを作りながら読み進めた。
    でも、だいたい、状況がつかめてくると、読みやすさもあって、一気に読み進めることができた。
    .
    読み終わって思うことは、事実よりもその場の空気を感じたことだ。
    開戦に向かう世の中の流れの強さ。
    立場とは別に、開戦に反対する意志の強さ。
    調べれば調べるほど、絶望的な敗戦が見えてくる現実。
    それでも、時間だけが過ぎていく。
    舞台は、現実とは一線を画して進んでいたように感じた。
    でも、開戦はすぐそこまで迫っていた。
    .
    今では、想像もできないことである。
    東條英機という人物が、昭和天皇という人物が、一体あの時代をどうやって生きていたのか。
    その不可解さへの小さな窓が開いた気がした。
    それは、天皇陛下という存在が全てであったその時代のことであって、今の私たちには到底理解できるものではない。
    でも、この小説は、その不可思議な、その時代の空気を、何か霧を払うように見せてくれた気がする。
    .
    夏に読み始めた本書だが、途中ずいぶん間が空いてしまった。
    秋になって、ほぼ、読み直しから一月程で読み終えた。

  • 総力戦研究所について書かれた本。そもそも英国にそういう機関があるっぽい?今後は総力戦になるから真似してみよう。で作ったけど何する所なの?レベルから出発。試行錯誤しながらの作業と必敗論への道のりは興味深い。
    欧米では平和とは戦争と戦争の合間でしかない。という考え方から平時から戦争(総力戦)に関する思考実験を繰り返し最適化していこうとする考え方と日本の戦争をしない。戦争とは無縁である時間が平和という考え方との差が総力戦研究所というものを立ち上げても理解できずにいた根本的な戦争との考え方があるのかな?とちょっと考えてみたり
    開戦までのプロセスが様々に本にて読んでも毎回無責任さが漂う

    また東条の独裁者とはかけ離れた人物像という描かれる事の殆ど無い話もあり、それはそれで興味深かった

  • とある映画を見た後から、自分が今まで学校教育で受けてきた戦争に関する話は大分事実とかけ離れているのではないだろうか思い、当時のことをもっとよく知るため、本書を手にとったが、非常にためになった。同じように考えている人がいれば、ぜひ読んでみることをお勧めする。

    本書では戦争間際、30歳代の多岐にわたる分野のエリートが総力戦の研究をする中で日米戦争は必負の結論にたどりつくが、結局は政策に生かせずに戦争の道をひた走ってしまう過程をいやというほど思い知らされる。

    結果論かもしれないが、このような重要な情報を結論や空気のため敢えて無視していくところが、現代にも通じるいかにも日本人的なところだと思う。

  • http://naokis.doorblog.jp/archives/lost_before_fighting.html【書評】『昭和16年夏の敗戦』戦後70年目の読書〜日本政府が取るべき安全保障策は自明

    戦後70年ということで、どのように戦争が始まったのかを読む。

    <目次>
    プロローグ
    第一章 三月の旅
    第二章 イカロスたちの夏
    第三章 暮色の空
    エピローグ
    あとがき
    *巻末特別対談*日米開戦に見る日本人の「決める力」 vs 勝間和代

    2015.04.11 石破氏の『国難』で「私が強いインパクトを受けた二つのこと」として紹介されている。
    2015.08.31 読了

  • 重役の顔色を窺いながら、その場の空気に合わせて意志決定を行うのは、私の会社では日常茶飯事であるが、国の命運を決する決断が、同じように下されたことは恐ろしい限りである。仮に勇気を持って直言する人間がいたとしても、何も変わらなかったであろうことも容易に想像できる。
    結局のところ、意思決定者(天皇も含め)の資質が根本原因。上がアホだと手の施しようがないということ。

全219件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

作家。1946年長野県生まれ。87年『ミカドの肖像』で第18回大宅壮一ノンフィクション賞。2002年6月小泉純一郎首相の下で道路公団民営化委員に就任。07年6月石原慎太郎東京都知事の下で副知事に就任。12年に東京都知事に就任、13年12月辞任。現在、日本文明研究所所長、大阪府市特別顧問。主著に『昭和16年夏の敗戦』『天皇の影法師』(以上、中公文庫)『道路の権力』『道路の決着』(以上、文春文庫)、『猪瀬直樹著作集 日本の近代』(全12巻、小学館)がある。近著に『東京の敵』(角川新書)『民警』(扶桑社)。

「2017年 『黒船の世紀 <外圧>と<世論>の日米開戦秘史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

昭和16年夏の敗戦 (中公文庫)のその他の作品

猪瀬直樹の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
村上 春樹
デール カーネギ...
ジェイムズ・P・...
村上 春樹
冲方 丁
有効な右矢印 無効な右矢印

昭和16年夏の敗戦 (中公文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする