昭和16年夏の敗戦 (中公文庫)

著者 : 猪瀬直樹
  • 中央公論新社 (2010年6月25日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122053304

作品紹介

緒戦、奇襲攻撃で勝利するが、国力の差から劣勢となり敗戦に至る…。日米開戦直前の夏、総力戦研究所の若手エリートたちがシミュレーションを重ねて出した戦争の経過は、実際とほぼ同じだった!知られざる実話をもとに日本が"無謀な戦争"に突入したプロセスを描き、意思決定のあるべき姿を示す。

昭和16年夏の敗戦 (中公文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 企業において何か新しいことを始めるには必ず「リサーチ」が行われる。敗戦に終わった大東亜戦争においても総力戦研究所という機関が設立され、官民とわず各分野のエリートが集められ対米英戦争の事前シミュレーションが行われ、敗戦という結果が弾きだされた。そもそもそういう機関があったことも知らずに読み始めてしまい、途中までフィクションだと思っていた。

    上記のような事前リサーチが行われ結果が出ていたにも関わらず、それを上層部が直視せず、ある意味決定事項として開戦に至ってしまった・・という流れは大企業に働いている当方にはとても耳が痛い話。日本人の意思決定の根底には1.過去の成功体験に身を任せすぎる 2.合理性ではなく「全員一致」という事実を重要視する 3. 責任者が責任を逃げて会議で行う、という傾向が昔からあるものだなぁ、と感じた。

  • ん~まぁ、言いたいことはわかるが、だからってどうしようもあるまい。

  • 太平洋戦争の話。
    レポート調で、細やかな取材に基づいているので、もしかしたら真実に迫っているのかもしれない。
    そういう期待も込めて(判断するのは読者である私たちですが)

  • 東京都副知事の猪瀬さんの著書。
    ツイッターをフォローしてたり、他の著書を読んだりしてたのと
    去年、自民党の石破政調会長が国会で管首相にこの本を読むことを薦めていたのをしって興味を持った。
    また、日米開戦前に総力戦研究所なるところが日米戦日本必敗をシミュレーションで出し、内閣に伝えていた事実。
    それでも戦争に向かってしまった経緯など、当時の意思決定のプロセスを知ることが出来た。また知ることで、これは今にも通じるものがあると感じた。

    また、こういう教科書とかに載らない真実を知ってびっくりした。
    歴史の知識がなく、読み進めるが大変だったけど読んで良かったと思う。

  • 研究所の関わった人の経歴で淡々と進んでいきます。素晴らしい人材を集め答えが出ているのにそれを活かせない所が現在にも通じる気がしました。

  • 太平洋戦争直前に組織された擬似内閣のドキュメント。戦争必敗の提言もむなしく戦争に突き進んだ東條内閣の物語でした。なかなか面白いです。

  • タイトルからすると、単に「軍部は負けると分かっている戦争に踏み切った、無謀な奴らばかりだった」とコキ下ろした本のように見えるが、そうではない。安易に特定の誰かを悪人認定せず全体像を捉えることによって、日本人の精神に根付く問題点を浮き彫りにしている。

  • 今でもこういうバランス感覚のあるものは珍しい。それを30年近く前に書いてのけている猪瀬直樹は一流の作家だと思う。総力戦研究所という当時の若手エリートを集めて対米戦のシミュレーションをさせた結果と現実の流れとを並べている。当時の物事の決定プロセスや、今と同じ所、違う所、乱暴な結論付けで見えにくかったところにも話が及んでいてとても勉強になる。ちゃんと知ろうとすることの大切さを改めて感じさせる力作。

  • 知られざる史実を発掘したという点で貴重な作品。

  • (01)
    戦争を回避する選択はあったのか。
    机上や図上ではない判断(*02)が働くのが地上であるにしても、本書で描かれた演習は、その地上の開戦にメタな視点(*03)をあたえてくれる。昭和天皇や東條の性質にも迫ろうという意図も感じられる。

    (02)
    1946年の日米開戦直前の産業段階、技術段階の単簡なレビューとしても読める。そしてそれらが余力をあまさずに全て戦争に注ぎ込むという机上演習には、国際的に選択肢を狭められた日本の苦肉や苦渋も表現される。

    (03)
    ノンフィクションものではあるが、史料や情況からセリフに起こし、再現ドラマとして味をつけている点が著者の趣向ともいえる。当時の会話が録音されていたわけではないから、一字一句を違えず再現できるわけではないが、それを再現しようとする試みには、歴史に必ずともなう虚構性が現れており、その意味で戦争物語でもある、開戦時の官僚たちが描いた物語に並んで。

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