美学入門 (中公文庫 な 58-1)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (180ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122053328

作品紹介・あらすじ

美というのは、いろいろの世界で、本当の自分、あるべき自分、深い深い世界にかくれている自分に、めぐり逢うこと-芸術を通じて現代という時代の運命を予言する試み。豊かさと軟らかさをそなえた、強靱な芸術論。

感想・レビュー・書評

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  • 美学入門、とありますが、特に第二部の内容はある程度西洋哲学について知っていないとなかなか難解と思われ、どういうことを言いたいのだろう、と思うような表現も多い印象は拭えません。「美学」というもの自体がどうしても哲学的な性質を帯びているために、そこをもう少しわかりやすく噛み砕いて、中井氏の考える美学の本質を解説してもらえることを期待していたので、少し残念ではありました。
    しかし第一部に記されている、美はどういうところにあって、芸術はどこに向かっているのか、というところの論評は、私たちの生活体験や社会の変化に基づいて記されていてわかりやすく、読み応えのあるものでした。
    美の儚さに対して自覚的であり、今現在の自分と訣別した先にある未知なるものに美を認識する、というあたりの論評が印象的で、利益追求というベクトルで没個性化する社会にあって「その嗟嘆を芸術は見のがすことができない」という表現に、時代は違えど共感と感銘を感じました。

  • うーむ哲学。
    賢くなったらまた読もう。
    次に読む本は『現代アートの哲学』

  • ●非常に難解であった。芸術論というよりは哲学である。

  • パラ読み。
    学問として文章で尾を知ることはできるが、私はそれよりももっと、実体験として日を肌から(感覚から)知りたいと思った。

  • さすがに端正で抑制のきいた文体だな、と思うけど内容はあまり頭に入ってこなかった。中井の著作はどうも相性が悪いのか。

  • とても短い文章の中に、美の起源・各芸術における美・美学史がまとめられている。
    言葉は平易で情緒的だが、構造はいたって論理的で、全体の構成が頭に入りやすい。
    美とは何か? 我々はどのような時・ものに美を感じるのか? 人は美をどのように考察してきたのか? といった問いに軽やかに答えてくれる本だ。

  • 解説:後藤嘉宏

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784122053328

  • 2016/1/6読了。

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著者プロフィール

中井正一

一九〇〇(明治三三)年、大阪市生まれ。二五(大正一四)年、京都帝国大学文学部哲学科卒業。三〇(昭和五)年、「美・批評」を創刊。三三(昭和八)年の滝川事件を経て、三四(昭和九)年、京都帝国大学文学部講師、ファシズムに対抗するため、三五(昭和一〇)年、「世界文化」、翌年、雑誌「土曜日」を創刊したが、三七(昭和一二)年、治安維持法違反により検挙。四七(昭和二二)年、広島県知事選に立候補するも落選、四八(昭和一三)年、国立国会図書館副館長に就任。主な著作に、『委員会の論理』『美学入門』など。『中井正一全集』(全四巻、美術出版社)がある。一九五二(昭和二七)年、逝去

「2019年 『日本の美』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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