水晶萬年筆 (中公文庫)

著者 :
  • 中央公論新社
3.50
  • (28)
  • (73)
  • (95)
  • (15)
  • (3)
本棚登録 : 789
レビュー : 93
  • Amazon.co.jp ・本 (180ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122053397

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 『十字路のあるところ』を文庫にまとめたものとのこと。
    十字路が登場する6編の短い物語が収められています。

    どれも吉田さんだなぁという感じでしたが、特に好みだったのが「ティファニーまで」。
    この言葉をこねくりまわす感じが、なんとも吉田さんです。
    「足がつむじをまげる」とか、「低鳴る(高鳴るの反対)」とか、「道草の繁殖」とか。
    こんな発想ができるのが楽しいなぁと思います。
    辞書を見ながら、言葉をこねて、心の中だけで吉田さんを"師匠"と読んでみたい気持ちになりました。

    そのほか、「黒砂糖」の読後感が好きです。
    また、「雨を聴いた家」の何かのはじまりを感じさせる結末が印象的でした…なんとなく妖しげで色っぽくて…。

  • いわゆる煤けた東京の下町を舞台とした短編集。全6篇の6つの街それぞれが仄かな光の屈折により現れた蜃気楼みたいでこれは儚いメルヒェンだ。まぁその狙いのあざとさが見え隠れするにせよ、束の間都市の裏通りの異次元を彷徨うのはとても心地よいこと。

  • 表紙がとにかく好み。
    水晶萬年筆と言う題材も好みすぎて。

    「十字路のあるところ」の文庫版ということは読み終わったあとがきで知ったのですが、テーマは十字路だったのかぁ。
    てっきり街だと。
    ティファニーの緑の館と水晶萬年筆の不思議なアパートたちが好きです。
    そんな不思議な家々がある情景に思いを馳せながら、本を閉じたのでした。
    個人的に吉田篤弘さんの本は、話の流れよりもパーツパーツを取りだして、手のひらでビー玉を転がすかのように楽しむのがいいかなーと思ったり。

  • 『十字路のあるところ』に収録された作品に加筆修正を加え、改題した短編集。
    古いタイトルの通り、十字路のある場所で起こる、ささやかな物語が収録されている。
    作品はやや取っつきにくく、物語ではなく文章を楽しむためのお話かな、という印象。

    <収録作品>
    雨を聴いた家/水晶萬年筆/ティファニーまで/黒砂糖/アシャとピストル/ルパンの片眼鏡

  • 東京のどこかの街角で出逢う静かな物語でした。イメージしにくいところは多少ありますけど落ち着いて読める作品です。

  • クラフト・エヴィング商會の吉田篤弘が描く6編の短編集。

  • 2014.10.28

  • 「ティファニーまで」と
    「黒砂糖」が特に好き。
    しっくりくる言葉が見つからないと
    自分でつくりだしてしまう感覚は
    とてもわかるし、
    夜の甘い匂いと
    哲学的なファンファーレの響きも
    とてもいい。

  • タイトル買い。
    独特な空気の作家さんですね。
    読むたびに違った側面が切り取られそうな、不思議な本です。スッキリした読後感を求める時にはオススメしないかなぁ…。

  • 短いストーリーの一つ一つに、きちんとそれぞれの世界。でもすべてが吉田篤弘の世界観一色に染められて。私の大好きなゆらゆらと頼りなげな、なのに決して崩れたりしない世界。

    この世界の住人だったら幸せだろうなあ…と、思わせられます。

    まだ、この空気感を生み出す文体の魔法には迫ることができていません。もっと何度も読み返します。ひとまず再読完了。くつろぎました。

著者プロフィール

吉田篤弘

1962年東京生まれ。小説を執筆するかたわら、「クラフト・エヴィング商會」名義による著作と装幀の仕事を続けている。2001年講談社出版文化賞・ブックデザイン賞受賞。『つむじ風食堂の夜』『それからはスープのことばかり考えて暮らした』『レインコートを着た犬』『金曜日の本』『京都で考えた』『あること、ないこと』など著書多数。

「2019年 『天使も怪物も眠る夜』 で使われていた紹介文から引用しています。」

吉田篤弘の作品

ツイートする