水晶萬年筆 (中公文庫)

著者 :
  • 中央公論新社
3.50
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本棚登録 : 789
レビュー : 93
  • Amazon.co.jp ・本 (180ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122053397

感想・レビュー・書評

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  • 飄々としてつかみどころのない物語たち。
    読んでいると、幻を見ているような錯覚に陥ってしまう。
    Sの文字に翻弄される物書きの話や、影の魅力にとり付かれた画家の話など。
    吉田さん特有の言葉遊びも楽しい。
    淡い恋心を感じる場面もあって、ほのぼのとした気持ちになれた。

  • 十字路のある町の静かで不思議なおはなしたち。

    「水晶万年筆」、「黒砂糖」、「ティファニーまで」がお気に入りです。
    「黒砂糖」の夜中にトランペットでファンファーレを拭きながら種をまく、という場面が素敵だなぁと思いました。
    「アシャとピストル」が一番よくわからなったけど、あの妙なおかしさと緊張感と怖さはなんなのだろう。

    掴みどころのないふわふわとしたお話と静かでどこかノスタルジックな情景、時にぞくっとする場面…不思議な
    魅力のつまった短編集でした。

  • 再読も面白かったです。
    ありそうで無さそうで、やっぱりありそうな、十字路のある街。
    この世界にも行ってみたくなりました。
    穏やかでちょっとへんてこなお話たちでしたが、「ティファニーまで」が今回は残りました。
    「低鳴る」「ドキつく」「上げやられる」「じゃれじゃれ」も面白いですが、『「何もしない」を「する」』ことを「しる」というのはなかなか深いものがあったり…と思いました。

  • あとがきにある土地に、この本を持って散歩に行きたい。

  • ・「魚の絵が好きで」
    「魚ですか」
    「水の中は自由だからーと言ってました。とにかく自由じゃないと駄目なんです。自由気儘に描いていれば、その自由が絵を見る人にも伝染するはずだと」
    つみれさんは、自由、というたび、少し困ったような顔になった。
    「自由を求めるあまり、ずっと不自由だった人です」

    ・「あのですね、何もせずに何かをしたような気になれることはないでしょうか」
    とてもいい質問である。そして、いい質問には答えが何通りもある。

    ひとつーそもそも「何もせずに何かをしたような気になろう」という怠け心こそ、文明の推進力である。
    ふたつー何もしたくないのなら何もしなければいい。
    みっつーと言いたいが、我々が本当に何もしないでいられたら、もう少し住みやすい世界が出来ていたのかもしれない。
    よっつー住みやすい世界なんてくそくらえだ。

  • ほわほわしていてロマンチック。

  • 十字路を過ぎるひとびとのおハナシ。
    彼らの頭に巡るアレコレが、愉快で奇怪。日常が非日常になり、日々がへんてこに動き出す。
    十字路に注視してたら、その道の師に出会えるだろうか。出会いたいなぁ。

  • 言葉遊びが沢山。梅雨にぴったり。きれい。

  • 地下にずっと水が流れているような、そんな音がした。

    どこまでも続いてゆく、十字路。
    その先にそれぞれの物語が繋がっているような、そんな感じ。
    一人称だったり三人称だったり、文末が言い切りだったり丁寧語だったり、文章のテンポ感が違って書かれていることで、より「それぞれの物語」感が出ていたのかなと思う。

    あとがきに登場した地名が馴染みのあるものばかりで、どのお話がどこなのか想像してわくわくしてしまった。写真見てみたい。

  • 2014 4/2

著者プロフィール

吉田篤弘

1962年東京生まれ。小説を執筆するかたわら、「クラフト・エヴィング商會」名義による著作と装幀の仕事を続けている。2001年講談社出版文化賞・ブックデザイン賞受賞。『つむじ風食堂の夜』『それからはスープのことばかり考えて暮らした』『レインコートを着た犬』『金曜日の本』『京都で考えた』『あること、ないこと』など著書多数。

「2019年 『天使も怪物も眠る夜』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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