- Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122053533
作品紹介・あらすじ
はじめて日本を訪れたときから六〇年。ヨーロッパに憧れていたニューヨークの少年にとって、いつしか日本は第二の故郷となった。京都や東京の思い出の場所、そして大切な友人たち…。日本文学研究に人生を捧げた著者による、変わらないものへの愛情にあふれた自伝的エッセイ集。
感想・レビュー・書評
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▼ドナルド・キーンさんと言えば、ガイジンさんですけれど日本文学者。ということは知っていて、このエッセイ集がどこかでたれかが褒めていて、ふらっと買って読んでみました。
▼そしたらびっくり、あまりと言えばあまりにも日本語が洗練されていて。こりゃぁ只者じゃないぞ、と、このエッセイ集を一旦止めて、「ドナルド・キーン自伝」を読み始めたんです。それはそれは面白くて・・・。
▼自伝に大満足して。しばらくしてから、このエッセイに戻りました。そうしたら・・・まあ、予想通りなのですが、自伝に比べたら面白くない。当たり前なのですが。高峰秀子さんだってたれだってそうなのだから。
▼キーンさんがお気に入りの街や思い出の場所について書いたもの、という枠組のようですが、まああちこちの雑誌に出したものたちをまとめた印象。それらの土地や町についての動機がなければ、中身のコクとしては自伝に比べると薄味二次利用感がどうしても・・・。でも、文章は変わらず清新。キーンさんの文章はサラサラのミネラルウォーターの如き美しさがあります。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
キーンさんの日本文学は分かりやすく、しかし浅くない知識が込められている。
その背景に触れられる一冊。 -
キーンさんの著作を読むと、自分が日本人として生まれたこと、日本語が母国語であることが、どれほど素晴らしいかしみじみと感じる。それは、キーンさんが、日本への愛を、下手な愛国者なんぞよりもよほど示しているからだろう。その熱情が、われわれ読者にも伝わってくるのだ。
この本は、キーンさんの思い出を書いたエッセイの集成である。和田誠さんの表紙絵が似合う優しい文章が詰まっている。内訳は、
Ⅰ:旅行記
Ⅱ:自身の研究について
Ⅲ:旧友への追悼文
Ⅳ:オペラ論
となっている。
いち安部公房ファンとして、公房先生への追悼文が収録されていたのは嬉しかった。キーンさんは公房先生の(数少ない)友達であった。公房先生は私小説を嫌い、文壇から離れていたから、彼自身に関してはあまり知られていないのだ。なので、安部公房の顔が見られる文章は、それだけで嬉しいものである。 -
偉人や伝統を含めた過去について、
日本人としてもっと知らないと。
日本文学に、日本の伝統に、触れないと。
分かってるんだけど、なんかできない
そしてロシアについてもっと学ばないと。
Россия, Москва и русский язык всегда меня поддерживают. Они в моём сердце. Надо узнать и понять об них больше и больше -
文学
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彼の人生がいかに日本、日本文学につながっているのか、疑似体験できるようで、とても面白かった。まさに生き字引のような方だなあと思った。
ただ、最後の章だけは、オペラについて無知なためあまり楽しまなかった。。。 -
ドナルドキーンの読みやすいエッセイ。様々なところで寄稿、講演されたものを集めてあるので、読みやすいもののエピソードが重複していたり、文体の統一がなされていなかったところが残念。しかし、海外からみた日本文学がどのようなものか、時代とともに認識の変化などわかりやすかった。
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2012.11.3読了。
内容が多岐にわたっていて楽しい。