良いおっぱい悪いおっぱい 完全版 (中公文庫)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 121
レビュー : 20
  • Amazon.co.jp ・本 (275ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122053557

作品紹介・あらすじ

一世を風靡した名エッセイ『良いおっぱい悪いおっぱい』に、三人の子を産み育て、二十五年の人生経験を積んでパワーアップした伊藤比呂美が大幅加筆。若さあふれる文章はほぼそのままに、各編ごとのコラムで未来からの補完を試みます。

感想・レビュー・書評

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  • おぉ、これが、ここから育児エッセイが始まった!と言われる(#^.^#)「良いおっぱい 悪いおっぱい」なんですね。今、25年後の比呂美さんの加筆を入れての復刻です。.


    このオリジナル版、当時、巷で話題になっているのはもちろん知っていたし、自分の気が楽になるための育児書は読み漁っていた記憶もあるのだけど、

    (当時の愛読書は松田道雄「私は二歳」、懐かしいなぁ、お世話になった!! あとは「スポック博士の育児書」かな。これはいいとこ取りでその都度、ヘルプになりそうなところだけ読んでたような)

    たぶん、比呂美さんのエネルギーになぎ倒されちゃうじゃないかな、みたいな気がして手に取れなかった気がします。
    なにしろ、あのころは毎日がジェットコースター。二人の娘を無事に大きくするために、もういっぱいいっぱいだった・・・。なんであんなに余裕がなかったんだろう、と今になってみれば思えるけど、でも、あれはあれで私の精一杯だったんだよね。

    で、「良いおっぱい 悪いおっぱい」なのだけど、そっか、こういう展開のエッセイだったのね、と、うんうん、これはかなり世の新米ママの救いになっていたと思うよ!と納得。

    図解入りの(#^.^#)産後の体や、授乳やおむつ替えなどのハウツーものから、あたふたする母親の心持ちなど、一冊で二度美味しいみたいな構成に加えて、日々の「がさつ、ぐうたら、ずぼら」を提唱するというありがたさ。(#^.^#)
    我が子をもちろん可愛がってはいるのだけど、母性を無条件に備わったもととはみなさず、育児を面白がったり、時にイラつく自分をも見せてくれたり。

    そして、あのころ、何がなんでも母乳、みたいな風潮があった中、そして、比呂美さんも豊富におっぱいが出る体質でありながら、

    母乳の悪い点 として

    「母親のおっぱいファシズム」を挙げておられるところが、なんていうか男前(#^.^#)で気持ちいい。
    自分がおっぱいをやる育児を実践するだけではなく、あれこれの事情でおっぱい育児ができない人を育児失格者のようにみなすことがある・・・??という話には、これってあらゆることに通じる話だよね、と。

    そして、加筆されているのは、そんなご自分を25年後の比呂美さんが見て、なんて言葉が足りなかったんだろう、とか、思いやりがなかった、とかの思い。

    育児期間中の母親は、ご自分でも言われているようにかなり高揚してしまうものですから、それはいわゆる“若気のいたり”ということなんだけど、その加筆がある、ということで安心して手にとれた私のような遅れてきた読者もいたわけです。

    うん、面白かった。(#^.^#)
    渦中の私には案外楽しめなかったエッセイかもしれないなぁ、と感じつつ、(なんでだろ、あらゆる刺激物がダメ、という時代だったのかも)娘たちが就職や進学で家を離れた今、あはは・・とこの
    エッセイを読める幸せ(汗)が嬉しいです。

    • たまもひさん
      松田道雄「私は二歳」!! うーん、懐かしい!
      私はこれと、かの名著「育児の百科」を、ちょうど同じ頃出産した友人とともに「バイブル」と呼んで、...
      松田道雄「私は二歳」!! うーん、懐かしい!
      私はこれと、かの名著「育児の百科」を、ちょうど同じ頃出産した友人とともに「バイブル」と呼んで、本当に頼りにしていました。
      今も本棚の特等席に置いてあるこの本を見るたびに、もう無我夢中で悪戦苦闘していた頃を思い出します。
      「遅れてきた読者」、なかなか良い響きですねえ。
      2013/08/27
    • じゅんさん
      たまもひ様
      おぉ、たまもひさんも「私は二歳」仲間でしたか。
      (#^.^#) うんうん、私にもまさにバイブルでした。何もわからない新米ママには...
      たまもひ様
      おぉ、たまもひさんも「私は二歳」仲間でしたか。
      (#^.^#) うんうん、私にもまさにバイブルでした。何もわからない新米ママには余白のある落ち着いた語り口が嬉しかったんですね。
      育児書を読み物として読める年になったんだなぁ、それも悪くないなぁ、なんて思ってます。
      2013/08/27
  • あまり好きでない。
    内容が少し下品。
    さらには時代的にも古い。
    昔は一世を風靡したらしい…

  • あっけらかん。

  • 妊娠中に手に取ったときは、
    なんだか積読しちゃったんですが、
    生後5ヶ月の今一気に読了。

    エッセイってやっぱり共感できるかどうかが、
    面白いと感じるかどうかのポイントなんだと改めて実感。
    出産前後で、女性は明らかに違う生き物に進化すると思う。

    *授乳中期の新興宗教の教祖的高揚感
    *育児のやり方は時代によって猫の目の様にくるくる変わる
    *大事なのは「がさつ、ぐうたら、ずぼら」

    変に理想をいうわけでもなく、
    私はこうでしたよーっていうのを包み隠さず書き、
    そしてすでに子供は立派に成人済みという安心感。

    妊娠中に買って、産後読むと救われるよっていう、
    そういう本としてお勧めしたいです。

  • 妊娠本その2。赤裸々なヒロミ先生節に、またまた一気読み。ヒロミ先生じゃなければちょっとハンドル切ってしまいそうな表現も、御構いなしに突っ走ってくれることが、「母性愛」という突き抜けたものの正体を垣間見せてくれる感じでした。あーこっから「カノコ殺し」が生まれるんだー、って妙に納得した。そしてこのとんでもない世界に片足突っ込んでる自分が恐ろしくもあり、誇らしくもあり。ぜひ改訂前のも読みたい。

  • リズミカルで歯切れの良い文章がとても心地よく、伊藤比呂美さんのファンになった。よくもまあ、ここまで客観的に、自分と自分の身の回りの事象を観察/分析/文章に起こせるな…と感動した。それはもう自虐に近いくらい。が、このバランス感覚は同じ女性として素晴らしいと思う。見習いたい。

  • タイトルだけ知っていたのでなんとなく手に取った。出産エッセイのはしり、というのは後から知った。

    妊娠も出産も経験のない身としては「へえ!」という感じ。友人は妊娠中に「病気ってわけじゃないんだから」と繰り返していたけれど、やはり、妊娠は身体の大きな変化であることは間違いない。

    筆者の主観の部分は大きいみたいだから、これが全てとは言えない(だって中絶経験が複数回ある女性、は一般的ではないと思う)。それでも、一人の経験、としてはかなり赤裸々で分かりやすいので、読んで良かった。

    女性に生まれたからには、出産を経験してみたいなあと再認識した一冊(でも、いつになることやら…)。

  • ズバッとストレートなタイトルがいい。
    内容は30年も前なので、現在の出産とはだいぶ異なるであろうが、包み隠さない素直な意見が面白かった。
    出産も育児も、気張らず楽しむものなのね。

  •  セックスをして、子どもができて、生まれて、それから、という本です。
     25年前の作者を現在の作者が突っ込むという特典もございますが、それはさておき。

     「伊藤比呂美という詩人を知らない人が読める」というところが値打ちで、鷗外なら「鴎外だ」、林芙美子なら「林芙美子だ!」って身構えてしまうところを、伊藤比呂美に際してはそういう気持ちの垣根をドカーンととっぱらって向こうからやってくる。
     だから読む側もあんまり詩人が書いてんだ、ということを意識しないで、出産シーンの写真でオナニーしまくっただの、可能な限りはらんでいただのという文言をするする読むことが出来る。

     ここが、すごいところです。

     あたくし、昔から、ほとんどの自称詩人は役に立たぬと思っていますが、こうやって読む側に身構えさせない立ち居振る舞いというのは、ああまっこと伊藤比呂美は詩人ぜよ、と思うのです。思ってしまう。
     なおかつ、25年も古びないのも、すげいのです。

  • 80年代の育児エッセイを、子育てをほぼ終えた20数年後に改訂した作品。イラストも含め、10年代でもみずみずしい魅力があります。
    「おっぱいファシズム」とか、独創的な表現でテンポよく文章が進んでいきます。章末の育児書ミニレビューや現在からのコメントも、分かりやすくて面白い。

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著者プロフィール

1955年、東京都生まれ。詩人。78年に現代詩手帖賞を受賞してデビュー。性と身体をテーマに80年代の女性詩人ブームをリードし、同時に『良いおっぱい 悪いおっぱい』にはじまる一連のシリーズで「育児エッセイ」という分野を開拓。近年は介護や老い、死を見つめた『とげ抜き 新巣鴨地蔵縁起』(萩原朔太郎賞、紫式部文学賞受賞)『犬心』『父の生きる』、お経の現代語訳に取り組んだ『読み解き「般若心経」』『たどたどしく声に出して読む歎異抄』を発表。人生相談の回答者としても長年の支持を得ており『女の絶望』『女の一生』などがある。一貫して「女の生」に寄り添い、独自の文学に昇華する創作姿勢が多くの共感を呼んでいる。現在は、熊本と米国・カリフォルニアを拠点とし、往復しながら活動を続けている。

「2018年 『たそがれてゆく子さん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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