i(アイ)鏡に消えた殺人者―警視庁捜査一課・貴島柊志 (中公文庫)

著者 :
  • 中央公論新社
3.44
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本棚登録 : 501
レビュー : 68
  • Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122054080

感想・レビュー・書評

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  • 今邑作品は、昔に『ルームメイト』を読んだきりだったの
    だけど、思っていた以上に読みやすかった。
    ホラーちっくな要素を含んだミステリなのに、暗さが
    あまり感じられず、スムーズに作品に入り込める。
    作品の面白さはもちろん、城島刑事の魅力も大きい。
    彼の過去が気になる。シリーズが進めば全てが明らかに
    なるのかな。

  • 作家・砂村悦子が、仕事場であるマンションの部屋で遺体となって見つかる。絨毯には犯人のものと思しき血の足跡があったが、それは部屋の中ほどにある姿見の前で途切れていた。
    まるで、鏡の中に犯人が消えたように……。
    悦子は死の間際、鏡をモチーフにした原稿を残していた。悦子の自伝ととれなくもないその話は、鏡の中にいる「何か」の存在を匂わせて終わっていた。
    さらに悦子は「鏡の中にうつっているのは別人だ」というようなことを口走っていたという。

    猟奇的な、怪談めいたオチかと思いきや、いやー、鮮やかなトリックでした!
    死んだ場所は別(悦子の自宅)で、犯人である悦子の母と夫は、場所を移すことで時間的アリバイを作ろうとする。
    絨毯ごと悦子の遺体を仕事場に運び込んだことにより奇妙な位置に足跡が残ってしまい、それを誤魔化すために鏡を置いた。

    殺人の背景には、悦子の残した小説と、母親・夫の関係がある。
    悦子が残した小説では、悦子が従兄妹を殺したような描写がなされていた。しかし実際に死んだのは母親の妹。
    ……しかし悦子は、双子のようににいてる母親とその妹が入れ替わっていたことに気付く。
    母親の妹は、邪魔な姉を消して悦子の父親の妻になりたかった。それで姉と入れ替わり、「妹が死んだ」ことにした。
    悦子は今の「母親」が本当の母親でないことを知り、それを暗示するような小説を書き、脅していた。
    いっぽうで、悦子の夫は、もう悦子に愛情はなく、彼女の「母親」に惹かれていた。それで悦子の遺体を動かし、アリバイを作る手助けをした。

    エピローグで、悦子の「本当の母親」の怨念めいたものが垣間見える。
    引きはホラーテイストでだけど、綺麗に説明できるトリックで、推理物として見事だなと感じた一冊。

  • 新人作家が仕事場で刺殺体で発見された。犯人のものと思われる足跡は姿見に向かって消えている。作家の遺稿には、かつて自分が殺めた従姉妹が鏡の中で生きて自分を恨んでるという未完の物語が語られる。果たして作家の死の真相は。的な話。

    刑事モノは自然に捜査にかかれるという点で無理がなくていい。私、刑事モノが意外に好きらしい。
    トリックは、分かってしまえば今となっては既視感のあるものだったけど、読んでる時は全く思い当たらずに楽しめた。

    終盤の大どんでん返しは、かなりビックリ。それこそ180度ひっくり返る見事なモノだった。
    でも、ずっと実母か疑ってきた娘と、実母でないことがバレてるんじゃないかと娘を疑ってきた母親が、結局同居してるってシチュエーションに、怖いもの見たさ的な説明がなされてたのが、全く説得力がなく、せっかくのどんでん返しの高揚感がすぐに薄れてしまった。
    それに、いくら母とその妹が双子のようにそっくりでも、5歳の実子ならさすがに母親かどうか判別できるんじゃない?
    子供の設定を3歳にするとか、いっそ双子の姉妹にするとかしたほうが、無理がなかったかな…(双子にしちゃったら替え玉殺人は読者にさっさと見抜かれそうだけど)。

    そして何より、最後の最後、やっぱり鏡に棲む故人の仕業でした、ってほのめかしが、ミステリだったはずのこの作品を台無しにしてると思う。
    やっぱりミステリは現実的に説明のつく方法で決着しないとダメでしょ。
    最後の最後で大失速。残念。
    (そういう作風の作家さんなんだから全否定するなら読むなって話ですよね…)

    貴島は闇深っほいけど、キャラとしては存在感が薄い。
    まぁこの作品書いた時点ではシリーズ化する予定ではなかったようだし、仕方ないかもしれない。

  • *作家・砂村悦子が殺された密室状態の部屋には、鏡の前で途絶える足跡の血痕が。遺された原稿には、「鏡」にまつわる作家自身の恐怖が自伝的小説として書かれていた。鏡のなかから見つめているのは、死んだはずの「アイ」―!?貴島刑事が鏡に消えた殺人者に挑む、傑作本格ミステリ*

    まさしく「怪奇と本格推理の融合」が一番の魅力で、お見事としか言いようのない絶妙さ。ベースに本格推理での丁寧な筋書きがありつつ、何とも言えない間合いで差し込まれるホラー部分が秀逸。この作品からシリーズに繋がるらしいので、是非続きが読んでみたい。一粒で二度美味しい作品。

  • ☆3.5くらい。
    この仄暗いような雰囲気は作者独特の世界だなー。ホラー作品も書いてるようなのでそのせいかな。

    双子のようにそっくり、とか、やっぱこう来るよね。結構面白かった。どうやらシリーズ化してるみたいなので他のも読んでみたい。

  • 2017年57冊目。
    今邑彩作品は2作目。いやー、最初は苦手なファンタジーホラー的な話かと思ったけど、なぜかどんどん引きまれた。
    いったんあまり納得のいかないカタチで終わるように見せかけて、実は・・ってところで、えーっ!ってなって、あらためてエピローグもそっちかー!!!って感じでしたw
    ・・・期待してなかった分、めっちゃ楽しめたので得した気分です。

  • 最後はちょっとホラーの要素も交えつつ、ありったけのどんでん返しを詰め込んだ作品。
    貴島柊志シリーズらしいが、彼である必要はなかったかな。。。加賀恭一郎だったら、「鏡へ向かう足跡」の違和感でトリックを見破ってそうな気が・・・(汗)。

  • 貴島柊志シリーズ第1巻。

  • おもしろかった

  • 一昔前だが読みやすい、母親の入れ替わりとは・・・

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