ピアニストは指先で考える (中公文庫 あ 64-4)

  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (387ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122054134

感想・レビュー・書評

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  • 解説:池辺晋一郎

  • ピアノのひき方には「曲げた指」と「伸ばした指」の二つがあり、それぞれに特徴がありなるほどと思わせる。

    ピアノを譜面通り忠実にひく人、拘らずにひく人の話や譜面を初見でひく話、暗譜の話など柔術に置き換えても共通する内容が沢山です。

    ピアノの知識は全くないのでわからない部分もありますがピアニストの身体感覚の話は非常に興味深く面白い。

    身体に興味がある人はぜひ食わず嫌いせずに読んでみると良いと思います。

  • 仕事柄、必要な情報がたくさんあった。
    今更ながらに「なるほど!」もたくさん。
    「これ使える」もたくさん。
    掘り下げて調べてみたいこともあったので
    もう一度読んで抜き出していきたい。
    もっと勉強しないとね〜

  • さまざまなエピソードを楽しく読んだけれど、特に、ピアニストでもあり大学でピアノを教える教師でもある著者が語る具体的なテクニック的問題が役に立った。

  •  2回目の通読。やはりかなり高度なノウハウがつまったエッセイ集だった。さらっとかかれている練習法が難しく、体得できずに悶々としている。もっともそれも楽しいので、すぐに解決しなくてもいいやとは思っているが。
     後半のコンクールねたあたりから、本格的な音楽家の卵向けの内容になっているようだが、それもまた肉薄感があり良い。氏のCDは1つももってないので今度入手し、ドビュッシー是非聴きたい。
     しばしの後、3回目を読むことになるだろう。やる気も出てきたので音楽趣味の世界がまた広がってうれしい。

  • 人の指は、構造は同じでもその性質は個人によりそれこそ千差万別だそうです。
    関節の可動域が狭いとか指が短いとかまむし指だとか、ハンデのある指というものはハンデのある人にしか分からないつらさがあるようです。
    当然その克服法は、ハンデを乗り越えた人にしか分かりません。

    こらからピアノを習いたい人は、スラスラ弾ける一流のピアニストではなく、ハンデまみれで苦労したけどそこそこ弾けるようになった、そんなピアノ教師を選ぶと良いということですな。

  •  後半、面白かった! 自分と重ねて考えたり、「うーん、なるほど、そうすれば良いのか」という発見があったり。これからの演奏に役立ちそう。

  • ムジカノーバという雑誌の連載および読売新聞に掲載された記事をまとめたもの。後書きに連載が始まった経緯が書かれていて面白い。この雑誌が30代女性ピアノ教師を主たる読者としていることも始めて知った。

    作曲家の池辺晋一郎が解説で記しているように、ピアニストの話題の範疇を越えた内容で音楽好きなら誰でも楽しんで読める一冊。ホントに話題が豊富で面白い。

  • 前々から不思議だったピアニストの考え方ってのが、よくわかるエッセイですね。ま、一般化してよいのかはわかりませんが。(^^;
    物理的な手の形やらタッチの仕方やら「そんなところにこだわるんだなぁ。」と、いちいち驚きます。
    こうやってみると、割と他の楽器って簡単なのかも。
    (演奏者と楽器のレスポンスの関係がね。)

  • 「モノ書きピアニスト」青柳いづみこさんのエッセイ集。雑誌『ムジカノーヴァ』(ピアノ誌、「あとがき」によると読者ターゲットは「三十代の女性ピアノレスナー」とのこと、へええ、そうだったんだ…)連載分、章間に「コラム」として『読売新聞』掲載のもの。元本は、『ピアニストは指先で考える』2007年中央公論社刊。  I ピアニストの身体  II レガートとスタッカート  III 楽譜に忠実?  IV 教えることと教わること  V  コンサートとレコーディング  VI ピアニストと旅   VII 演奏の未来 『ムジカノーヴァ』に連載の、ピアニストによるエッセイですから、演奏法全般から椅子についてなど、相当に専門的な話が並びますが、一冊の本として読めるように、以上のような章に分けられています(連載の時系列には沿っていない)。メソッドや奏法、楽語などのテクニカル・ターム、固有名に慣れない方は、後半(特にV以降)から拾い読みなさるといいか、とも。ちょっとの期間でもピアノの前に座ったことのある方、就中ピアノ科(副科ピアノも含め)の学生さんたちにも、一冊まとめて読んでほしいな、と思います。「愛されたかったモーツァルト」「初見と暗譜」の項など、とにかく私には何処も面白い本でした。グリッサンドで流血沙汰になるのは私だけじゃなかったんだ、あーよかった、とか(血染めの鍵盤…でもミステリではありません)。

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著者プロフィール

ピアニスト・文筆家。安川加壽子、ピエール・バルビゼの両氏に師事。フランス国立マルセイユ音楽院卒。東京藝術大学大学院博士課程修了。学術博士。武満徹、矢代秋雄、八村義夫作品を集めたリサイタル『残酷なやさしさ』により平成元年度文化庁芸術祭賞。演奏と文筆を兼ねる存在として注目を集め、安川加壽子の評伝『翼のはえた指』で吉田秀和賞、『青柳瑞穂の生涯』で日本エッセイストクラブ賞、『六本指のゴルトベルク』で講談社エッセイ賞、CD『ロマンティック・ドビュッシー』でミュージックペンクラブ音楽賞。2020年、浜離宮朝日ホールにて演奏生活40周年記念公演を開催。テレビ朝日『題名のない音楽会』、NHK Eテレ『らららクラシック』、『ラ・フォル・ジュルネ音楽祭』『東京・春・音楽祭』等にも出演。日本演奏連盟理事、日本ショパン協会理事、養父市芸術監督。大阪音楽大学名誉教授、神戸女学院大学講師。

「2023年 『安川加壽子の発表会アルバム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

青柳いづみこの作品

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